ハイサイ、レイジンです。
デジタル化が進んでいる昨今。小さいお子さんがスマホを持って動画を見ている姿は珍しくありません。
スマホやゲームなどデジタルに触れている間は、子どももおとなしくしているので活用している親御さんも多いでしょう。
ベネッセが行った2018年の調査によりますと、8割以上のお子さんがスマホやデジタルに触れているということが分かっています。よりデジタル化が加速している現代は増加の傾向は顕著でしょう。
しかし、最近ではデジタル中毒などスマホやデジタルに触れていないと落ち着かなくなってしまう子も多いと聞きます。
幼児期(3歳~6歳)において、デジタルの使用時間が長すぎると、
・言葉がうまく話せない
・友達と上手に遊べない
・集中力の低下
・睡眠への悪影響
・体を動かさなくなる
・視力の低下
・イライラすることが増えたり、情緒が不安定になる
といった恐れがあることが分かっています。
巷では、このようなデジタルへの依存による悪影響を懸念し、スマホやゲーム・テレビなどデジタルから一定期間離れる『デジタルデトックス』の重要性が叫ばれるようになってきました。
今回は『デジタルデトックスが子ども(3歳・4歳・5歳・6歳)の成長に与える良い影響』や『デジタルデトックスの始め方(具体的なアクション)』についてお伝えしていきたいと思います。
それではいってみよー!
デジタルデトックスが子ども(3歳・4歳・5歳・6歳)の成長に与えるメリット
では早速デジタルデトックスが子どもに与えるメリットを見ていきましょう。
友達と仲良くなれる・社会的スキルの発達
カリフォルニア大学ロサンゼルス校が、子ども達51人を連れて郊外のキャンプに連れ出すという研究を行いました。その期間は完璧なデジタルデトックス。スマホ、パソコン、テレビなどすべてNG。子ども達は最初は嫌がったもののすぐにその生活に慣れていったといいます。
キャンプ終了後、他者の感情を推測するテストを行う。
↓
デジタルデトックスを行った子どもは、そうでない子どもに比べて、他者の感情を読み取る能力が高くなっていた。
デジタルを使用することで、他者とかかわる時間が減るので、その能力も衰えてしまうんでしょう。
デジタルデトックスにより、友達や家族と交流を増やすことができ、共感や協調性といった社会的スキルが発達するのです。
親子のつながり
そうなってくると、親子のつながりも強くなることが考えられるでしょう。
デジタルデトックスをする
↓
デジタルを使う時間が減るので、親子で一緒に過ごす時間が増える。
↓
コミュニケーションや共通の活動が増える。
↓
一緒に話したり、遊んだりすることでお互いの気持ちや考えをより深く理解できる
といった好循環が生まれます。
もちろん、親がデジタルを使っていては意味なし。親もデジタルデトックスをして、子どもとのコミュニケーションを楽しみましょう。
集中力が上がる
また、デジタルデトックスを行うことで集中力が上がることもわかっています。
イーストアングリア大学の調査によると、旅行者にデジタルデトックスを行ってもらったところ、最初はかなりの不安に襲われ。
↓
しばらくすると大きな自由の感覚を得る。その後、仲間とのコミュニケーションに集中できるようになった。
確かに、私も最近旅行に行ったときにデジタルデトックスを行ったのですが、家族とのコミュニケーションやアクティビティ、周りの自然に集中できて、のんびりーとした感覚が得られ、これまでで一番と言っていいほどの体験でした。家に帰ると、テレビなどの情報がうるさく感じられたほどです…
デジタル機器から一時的に離れることで、脳が過剰な情報からリセットされ、注意力や集中力が回復していくこともわかっていて、スクリーンタイムの減少は集中力や認知機能の向上と関連しているといわれています。
幸福度が増すかも
また、スマホの使用が幸福度にもかかわるかもしれないということも言われています。
サンディエゴ州立大学の13歳前後の若者110万人を追った研究によると、
・90年代から2000年代にかけて幸福度は上がり続けていた。
・2012年あたりから幸福度が下がり始めた。
研究チームが原因を探ったところ、
・デジタルの使用時間が週に10~19時間の若者は、使用時間が短い若者に比べて41%も不幸度が高い
・デジタルの使用時間が40時間を超えると、不幸度は倍になる。
アメリカの人口の半数がスマホを持ち始めたのが2012年ごろということもあり、スマホを利用することで幸福度が下がるという現実味が増してきます。
また、この研究で分かったのは、幸福度を高めるのは友人とのリアルな接触時間だったそう。デジタルデトックスを行い、他者とのコミュニケーションで人とのつながりを感じることで、心は満たされていくということになります。
創造力が育まれる
デジタル機器から離れることで、子どもは自分で遊びや活動を見つける時間が増えます。例えば、外で遊んだり、おもちゃを使った創造的な遊びをすることで、創造性が育まれます。
研究によれば、自由な遊び時間が多いほど、子どもの問題解決能力や創造的思考が発達しやすくなるのだとか。外遊びや自然の中で遊ぶのも創造性アップにはおススメ。
身体活動が増える
デジタル機器に時間を費やす代わりに、身体を動かす機会が増えることで、運動能力も向上します。幼児期(3歳・4歳・5歳・6歳)には、身体を動かすことで筋肉や骨の発達が進み、運動神経も養われます。デジタルデトックスを行うことで、身体活動の時間が増え、健康度がアップしますよー。
情緒が安定する
デジタルを過度に使用することは、
・過剰な刺激
・すぐに報酬が得られるので、待つことや我慢が苦手になり、欲求不満になる。
・夜間に使用することで睡眠の質の低下
・自己コントロール力の低下
につながることが分かっています。情緒不安定やイライラ感が引き起こされやすくなるのです。
デジタルデトックスをすることで、画面の刺激から離れ、穏やかな心の状態を取り戻すことができます。親子でのリラックスした時間を過ごすことで、子どもは情緒的に安定しやすくなるのです 。
子ども(3歳・4歳・5歳・6歳)のデジタルデトックスを始める方法
では、デジタルデトックスをどのように始めたらよいのでしょう。ここでは、デジタルデトックスを始めるためにおすすめの方法を6つ紹介していきます。
①ルールを決め、習慣化する
デジタル機器の使用に明確なルールを設けることがデジタルデトックスの成功に重要であるとされています。幼児期(3歳・4歳・5歳・6歳)にはルールが一貫していることが理解しやすいため、家族全員で以下のようなルールを作成していきましょう。
・デジタル機器の使用時間を制限する(例:1日1時間以内、食事中や寝る前は使用しない等)。
・デジタル機器を使用しない時間を設け、毎日同じ時間に実施する。たとえば、夕方の時間をスクリーンオフタイムにするなど。
アメリカ小児学会は、2~5歳の子どもには1日1時間以下の良質なテレビ番組視聴を勧めています。習慣化されることで、子どもの行動と情緒の発達に良い影響を与えていくでしょう。
②環境を整える
これが一番大事かもしれません。デジタルデトックスを行うにしても、スマホやゲームが触れる場所にあると欲望に勝つことは難しいでしょう。見える場所にあることでついつい触ってしまうことは大人にもあることです。
ある研究では、物理的な環境を変えることが効果的なデジタルデトックスの手段であるとされています。
・デジタルデトックスを行うときは、見えない場所、触れない場所にデジタル機器を置く。
・電源を切る。(スマホの電源を付けるのは意外に面倒くさい)
・物理的に使えないようにする。(タイムロッキングボックスの使用など)
子どもがデジタル機器を使いやすい場所に常に置かないようにすることがポイントです。
③代わりのアクティビティ(自然体験、絵本の読み聞かせ、アート活動など)を用意しよう。
代わりの活動がないと子どもも手持ち無沙汰になってしまいます。デジタル機器に代わる魅力的な活動を用意することが大切になってきます。幼児期は特に身体を使った遊びや創造的な活動を好む傾向があるため、これらを取り入れるとデジタルデトックスがスムーズに進むでしょう。
・外遊びや公園での時間を増やす。自然の中での遊びは情緒の安定や集中力の向上につながる。
・手作りの遊びや絵画、工作(粘土、積み木、絵を描くなど)は創造力や問題解決力を育みます。
・親子での共同活動(絵本の読み聞かせや料理のお手伝いなど)も、親子の絆を深める効果があります。
④家族全員でやってみる
デジタルデトックスを子どもだけに押し付けるのではなく、家族全員で取り組むことが重要です。親もスマホなどデジタル機器の使用を控え、子どもに模範を示しましょう。そうすることで、子どもは自然とデバイスから離れることができます。
子どもにとってデバイスを使用しない時間が特別ではなく、普通の生活の一部として受け入れやすくなるのです。
親自身もデジタルデトックスをしよう
親がデジタル機器を使わないことは意外と難しく、仕事や日常生活でスマホやパソコンに頼る場面が多いため、使わない時間を作るのが難しいことがあります。
また、ニュースやSNS、エンターテインメントなど、情報や楽しみが手軽に得られるので、ついつい長時間使ってしまったり、いつの間にかスマホを開いているなんてこともあります。
まずは意識的に減らしてみて、少しずつ効果を実感できるようにしましょう。
⑤段階的に減らそう
急にデジタル機器を全く使わないということをしてしまうと、子どもも対応するのが難しく感じてしまいます。なので、段階的にデバイス使用時間を減らすようにするのがおすすめ。
例えば、1日2時間のデジタル使用をしている場合、まずは30分減らし、それが定着したらさらに減らしていくといった感じ。子どもがデジタルからの離脱に無理なく慣れていくようにしましょう。
⑥デジタルデトックスができたら褒めよう
子どもがデジタルを使わずに過ごした時間や、代わりに遊んだことに対して褒めたり、認めたりすることが大切です。これにより、子どもはデジタルを使わないことに対して良いイメージを持ち、さらにデジタルデトックスを実践する意欲が高まります。
・今日はスマホを使わないでいっぱい遊んですごいね
・一緒に遊んで楽しかったね。また遊ぼうね。
デジタルデトックスは世界的に注目されてきている
ここまで紹介してきたデジタルデトックスですが、世界的にも注目されてきています。日本でも『スマホ脳』という本が注目されオリコン年間ランキングでも1位を記録しました。
その背景として、
1. デジタル依存の増加
スマートフォンやタブレット、パソコンなどのデジタルデバイスが日常生活に欠かせない存在となる一方で、過度な使用が心身に悪影響を与えることが懸念されている。多くの人々が、自分自身や家族がデバイスに依存していることに気づき、デジタルデトックスの重要性を感じるようになってきている。
2. メンタルヘルスへの影響
研究や報道で、過度なデジタル機器の使用がストレス、睡眠不足、注意力の低下、鬱病や不安障害の原因となる可能性があることが広く知られるようになった。
といったことが挙げられます。
世界中でスマホ依存の問題が報告されており、特に若者がSNSやゲームに過度に依存することで学業や日常生活に支障をきたすケースが増えています。
子どもたちが早い段階でデジタル機器に触れるようになったことで、親たちも子どものスクリーンタイムに注意を払うようになり、親子でデジタルデトックスを実践する家庭も増えているのです。
そのような面も考慮し、iPhoneやAndroidもスクリーンタイムの管理機能をつけています。デジタルから一時的に離れることを推奨しているのです。
おわりに
今回は、『幼児期(3歳・4歳・5歳・6歳)おすすめのデジタルデトックス~子どもの成長に良い影響と簡単な始め方』ということで、デジタルデトックスのメリットや始め方について述べさせてもらいました。
幼児期にデジタルデトックスを行うことで、多くのメリットがあります。親子でデジタルデトックスを実践し、子どものより健全に成長できるような環境を整えましょう。
それでは、またやー!
参考文献
スマホ漬けの人が「デジタル断食」をすべきたった1つの理由とは? | パレオな男 (yuchrszk.blogspot.com)
デジタルデバイスの使用を断つと、人にはどんなメリットとデメリットが現れるのか? | パレオな男 (yuchrszk.blogspot.com)
スマホは不幸の原因になってるかもだぞ!というイヤーな観察研究の話 | パレオな男 (yuchrszk.blogspot.com)
コメント