ハイサイ、レイジンです。
1歳児クラスの6月。
少しずつ園での生活リズムにも慣れてきて、安心できる保育者や場所を見つけながら、自分なりのペースで過ごす姿が増えてきます。
探索活動が活発になる時期でもあり、「これなあに?」「やってみたい!」という気持ちが芽生え、身の回りのものに興味をもって関わる姿が見られます。
その一方で、思いがうまく伝わらなかったり、気持ちの切り替えが難しかったりする場面もあり、心の育ちを丁寧に受けとめていくことが大切です。
この記事では、1歳児クラス・6月の月案作成に役立つ
✅「ねらい」
✅「内容」
✅「保育者の援助」
✅「環境構成」
✅「健康・食育・安全」
✅「家庭との連携」
✅「職員間の連携」
の文例やポイントをたっぷり紹介します!
「1歳児の6月って、どんなふうに関わったらいい?」「月案の文がなかなか思いつかない…」という方にも、すぐに使えるヒントが見つかるはず。
ぜひ最後までチェックして、日々の保育や月案づくりに役立ててくださいね。
それでは、いってみよー!
1歳児・6月におけるねらいと内容
では、1歳児・6月のねらいと内容を見ていきましょう。
ねらいの文例
○食事や午睡などの生活の流れの中で、「自分でやってみたい」という気持ちが育つ。
○手を洗う場面に親しみをもち、やり方を少しずつ覚えようとする。
○保育者や友だちと安心して過ごしながら、一緒に遊ぶ楽しさを感じる。
○保育者と一緒に絵本を見たり、体を動かしたりして心地よく過ごす。
○小さな虫や動物など、身近な生き物に興味をもつ。
○自然の中でのびのびと体を動かしながら、草花や風の心地よさに気づく。
内容の文例
・手づかみやスプーンを使ってこぼしながらも、自分で食べようとする姿が見られる。
・保育者のそばで安心して眠り、ゆったりとした午睡の時間を過ごす。
・保育者と一緒に手洗いを経験し、気持ちよさを感じながらやろうとする。
・歌や手遊びを保育者と一緒に楽しみ、簡単な動きをまねして遊ぶ。
・体を動かすことに意欲をもち、くぐる・登る・跳ぶなどの動きに挑戦する。
・絵本の繰り返しの言葉や動きを保育者と一緒に楽しみ、ことばや表現に親しむ。
・身近な自然物に触れたり、手に取ったりしながら、興味をもって遊ぶ。
・保育者の関わりを通して、小さな生き物にやさしく触れようとする。
ねらい・内容のポイント
梅雨の時期を迎える6月。
1歳児の子どもたちは少しずつ園の生活にも慣れ、自分のペースで好きなあそびを楽しんだり、「じぶんで!」という気持ちを見せるようになってきます。
一方で、気持ちをうまく言葉にできなかったり、思い通りにいかずに泣いてしまうこともあり、心の育ちを丁寧に見守っていきたい時期でもあります。
そんな6月を心地よく過ごせるように、以下のような関わりや環境づくりを意識してみましょう👇
✅ 食事や手洗い、午睡などの生活の場面では、「じぶんでやってみたい」という気持ちを大切にしながら、安心して過ごせるようにそっと見守っていく。
✅ 保育者と一緒に歌や手遊び、絵本などを楽しみながら、まねっこしたり簡単なことばをくり返したりする経験を通して、表現する楽しさを味わえるようにする。
✅ くぐる・登る・跳ぶなど、全身を使って遊べる機会をつくり、思いきり体を動かす楽しさを感じられるようにする。
✅ 水や泥などの感触あそびに触れたり、草花や虫を見つけたりする中で、「なんだろう?」「おもしろいね」と感じられるような自然との出会いを大切にする。
✅ 小さな動物や虫に保育者と一緒に関わる中で、「そっと見る」「やさしく触れる」といったかかわり方を経験していけるようにする。
1歳児はまだ言葉でのやりとりが難しいからこそ、表情やしぐさ、つぶやきなどをしっかり受けとめながら、その子らしい育ちを見守っていきたいですね。
6月も、子どもたちの「安心」と「やってみたい!」の気持ちをていねいに受けとめて、日々の保育を豊かにしていきましょう。
1歳児・6月における保育者の援助と環境構成

では、次に保育者の援助と環境構成を見ていきましょう。
保育者の援助の文例
◎ 自分で食べようとする気持ちを大切にしながら、必要に応じて手を添えるなどしてやさしく関わっていく。
◎ 午睡中に目覚めた子どもには、静かにそばに寄り添い、声や表情で安心感を伝える。
◎ 手洗いでは保育者がモデルとなって洗い方を見せながら、できたことをほめ、意欲につなげていく。
◎ 少人数で落ち着いて遊べるように、子どもの様子に合わせて空間や時間を調整していく。
◎ 絵本や歌あそびでは、子どものまねっこや「もう一回」に応えながら、楽しい雰囲気を一緒に味わっていく。
◎ 子どもの動きを見守りながら、遊具の配置や声かけによってぶつかりにくい環境を整える。
◎ カエルやザリガニなどの生き物に興味を持ったときには、「やさしく見る」「そっと触る」など、命あるものへの関わり方を伝えていく。
◎ 雨や水たまりで遊ぶ際には、泥が顔にかからないように見守りながら、五感で自然を感じられるような言葉がけをする。
環境構成の文例
□ 安心して午睡できるように、室温・湿度に配慮しながら落ち着いた空間を整えておく。
□ 手洗い場には泡せっけんやペーパータオルを常備し、自分で手を洗えるようにする。
□ 巧技台やマットを組み合わせたコーナーを遊戯室などに用意し、体をのびのび動かせる空間をつくる。
□ ペットボトルキャップや空き箱、洗濯ばさみなどを使った手先を使う遊びの素材を用意し、好奇心を引き出せるようにする。
□ 小動物を入れる飼育ケースを見やすい位置に置き、子どもが興味を持って関われるように工夫する。
保育者の援助と環境構成のポイント
6月は生活リズムが安定してくる一方で、「やってみたい!」という気持ちと「うまくいかない…」という葛藤が交差する時期です。
✅ 食事や手洗いなどの生活面では、自分でやろうとする姿をやさしく見守り、少しずつ自信へとつなげていく。
✅ 遊びの中では、まねっこしたり繰り返したりする姿を大切にし、満足するまで楽しめる時間と空間を確保する。
✅ 梅雨ならではの自然とのふれあいでは、「面白いね」「不思議だね」といったつぶやきに寄り添いながら、生き物や自然への関心を育んでいく。
子どもたち一人ひとりの気持ちやペースを受けとめながら、安心して過ごせる関わりと環境づくりを意識していきたいですね。
1歳児・6月における健康・食育・安全について
続いて、健康・食育・安全についてみていきましょう。
健康の文例
● 気温や湿度の変化に気を配り、汗をかいたときはこまめに着替えたり、必要に応じてシャワーでさっぱりできるようにする。
● 室温調整をこまめに行いながら、快適に過ごせるよう配慮し、活動後には十分な水分補給を心がける。
健康のポイント
🟩 こまめな着替えと清潔な肌を保つことを意識しよう
汗をかいたあとは、すぐに着替えることで肌トラブルを防ぎます。「気持ちいいね」と声をかけることで、子どもが心地よさを感じやすくなります。
🟩 水分補給の習慣を大切に
気温や湿度に合わせて、飲み物をこまめにとるようにしましょう。麦茶や水を子どもが自分で手に取りやすい場所に置く工夫も◎。
🟩 肌トラブルに早く気付けるように観察を
梅雨時期は汗や蒸れによって、あせも・湿疹が起きやすい時期。日々の着替えやオムツ替えのときに、さりげなくチェックするようにしましょう。
食育の文例
◇ 園の菜園で育てた野菜に触れたり、匂いをかいだりする中で、食材への関心を育てていく。
◇ 年長児の活動(田植えや土づくり)をそばで見たり、話を聞いたりすることで、お米や食べ物ができる過程に目を向けられるようにする。
◇ 食事中に「これ○○でとれたんだよ」といった会話を通して、食べ物とつながりのある経験を意識していく。
食育のポイント
🟨 野菜の収穫体験を「五感」で楽しもう
野菜を触ったりにおいをかいだりして、「土のにおいがするね」「ちょっとチクチクするね」と感覚に気付ける体験を。
🟨 年長児の活動を見て、興味の芽を育てよう
田植えや土づくりをしている年長児を見ながら、「すごいね」「やってみたいね」と一緒に気持ちを共有し、関心を広げていきます。
🟨 給食やおやつの時間に体験をつなげる
「これってさっきの○○だね」など、体験と食事を結びつける声かけを大切にすると、子どもの関心がより深まります。
安全の文例
★ 玩具やぬいぐるみなどは定期的に洗濯・消毒し、破損や劣化にも気づけるよう日々の点検を習慣づける。
★ 巧技台などの大型遊具は、使う場所や配置に注意し、遊びが安全に行えるように準備を整える。
★ 雨の日の滑りやすい場所や、室内での転倒などにも気を配り、活動前後に安全確認を丁寧に行う。
安全のポイント
🟥 室内あそびの環境を安全に保つ
梅雨で室内遊びが増える時期は、巧技台やマットの設置場所・組み方に注意。動線が一方向になるように配置して、ぶつかりを防ぎます。
🟥 おもちゃや道具の点検・消毒をこまめに
布製玩具やよく使うブロックなどは、定期的に洗濯や消毒を。破損や劣化がないかも合わせて確認し、安心して使える状態に整えましょう。
🟥 玄関や廊下など滑りやすい場所の対策を
雨で濡れた床はとても滑りやすいです。滑り止めマットやタオルを敷いておくと安心です。
子どもたちが毎日を安心して過ごすためには、安全な環境づくりが欠かせませんよね。
1歳児・6月における家庭との連携の文例
◆ 梅雨の時期は汗をかきやすくなるため、気温に合わせて着替えられるよう、衣服を多めに持たせてもらうようお願いする。
◆ 感染症や食中毒の予防のため、園だよりなどを通じて体調管理や衛生面について知らせ、子どもの健康を守る意識を共有していく。
◆ クラス懇談会では、子どもの日々の様子や成長を伝えながら、保護者同士や園とのつながりが深まるような時間にする。
◆ 保育参観では、子どもが夢中になっている遊びを一緒に楽しんでもらいながら、保護者同士の交流も生まれる場となるように工夫する。
家庭の連携のポイント
🟦 気温・湿度の変化に対応できるよう、衣類の準備を家庭と共有
汗をかきやすい時期は、快適に過ごせるようこまめな着替えが必要。家庭でも準備や声かけをお願いしましょう。
🟦 感染症対策は「園と家庭の協力体制」がカギ
園だけでなく、家庭でも手洗いや食事前の衛生意識を高めてもらえるよう、園だよりや掲示物などでわかりやすく伝えます。
🟦 懇談会や参観日は「共に育てる」きっかけづくりを
子どもの成長を伝えるだけでなく、保護者同士のつながりや子育ての安心感につながるような雰囲気づくりを大切に。
1歳児・6月における職員間の連携の文例
* 沐浴やシャワーを行う際の手順や準備物、動き方をあらかじめ確認し、役割分担しておくことで、落ち着いて対応できるようにする。
* 遊戯室の利用については、他クラスと重ならないよう事前にスケジュールを調整し、使用時間を共有しておく。
* クラス懇談会に向けて、当日の進行や伝える内容をすり合わせておき、保護者が安心して話せる場づくりのために話題やタイムスケジュールも検討しておく。
* 食物アレルギーや家庭で未経験の食材については、栄養士や調理員と情報を共有し、献立に配慮した対応ができるようにしておく。
* 手作り玩具の製作では、アイディアを出し合いながら役割分担し、子どもたちが楽しめるような素材や工夫を取り入れていく。
職員間の連携のポイント
🟩 「沐浴・シャワー」は動線確認&役割分担がカギ
慌ただしくなりがちな場面こそ、手順の共通理解と準備の分担がスムーズな保育につながります。
🟩 共用スペースの利用は「先手の話し合い」が大切
他クラスと使う場所や時間をあらかじめ調整しておくことで、トラブルや混乱を防ぎます。
🟩 懇談会は「保護者との対話」と「園の信頼感」につながる時間に
一人で抱え込まず、職員全体で準備しテーマや配慮事項を共有することで、安心できる雰囲気をつくれます。
🟩 食事面は「保護者・栄養士・調理員」との連携が重要
家庭での様子も含めて細かな情報を共有し、子どもにとって安全で安心な食環境を整えていきましょう。
おわりに
梅雨に入ると、気温や湿度の変化で体調を崩しやすかったり、外で遊べない日が続いたりして、なんとなく過ごしにくさを感じることもありますよね。保育者としても、「今日はどうやって過ごそうかな…」と悩む日が出てくる時期かもしれません。
でもそんな中でも、子どもたちの何気ない一言や、ちょっとした成長の姿に元気をもらえたり、「やっててよかったな」と思える瞬間もあると思います。
この記事が、月案を考えるときのヒントになったり、表現に迷ったときの助けになったらうれしいです。
1歳児ならではの、やりとりや気づきがいっぱいの6月。じめじめとした季節ですが、子どもたちとの毎日が少しでも心地よく、楽しく過ごせますように。
それでは、またやー!
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