ハイサイ、レイジンです。
3歳児クラスの5月。
子どもたちは少しずつ新しい園生活にも慣れ、友だちや保育者との関わりを楽しみながら、「自分でやってみたい!」という気持ちをぐんぐん伸ばしていく時期です。
とはいえ、まだまだ気持ちのコントロールが難しく、戸惑ったり不安定になったりする姿も見られます。一人ひとりの思いに丁寧に寄り添いながら、安心して挑戦できる環境をつくっていくことが大切です。
この記事では、3歳児クラス・5月の月案作成に役立つ
✅「ねらい」「内容」「保育者の援助」「環境構成」「健康・食育・安全」「家庭との連携」「職員間の連携」
の文例やポイントをたっぷり紹介します!
「3歳児の5月ってどんなふうに過ごす?」「月案にはどんなことを書けばいい?」と悩んでいる方も、すぐに使えるヒントがきっと見つかります。
ぜひ最後までチェックして、保育準備に役立ててくださいね!
それでは、いってみよー!
3歳児・4月におけるねらいと内容
では、3歳児・4月のねらいと内容を見ていきましょう。
ねらいの文例
○園での生活リズムや約束事に少しずつ慣れ、安心して過ごす。
○簡単な身の回りのことに自分から取り組もうとする。
○自分の思いを保育者や友達に伝えようとする。
○保育者や友達と一緒に体を動かしたり、好きな遊びを楽しむ。
○身近な自然に興味をもち、親しみを感じながら関わる。
内容の文例
・保育者に手伝ってもらいながら、朝や帰りの支度、衣服の着脱や整理整頓に取り組む。
・手洗いやうがいを保育者と一緒に行い、生活習慣に親しむ。
・保育者や友達と楽しく食事をしたり、安心して休息(午睡)を取る。
・気に入った玩具や遊具、場所を見つけ、自分から遊びに向かう。
・自分の安心できる場所を見つけて、落ち着いて過ごす。
・自分のしたいことやしてほしいことを、動作や言葉、表情などで伝えようとする。
・保育者や友達がしている遊びに興味を持ち、まねたり一緒に遊んだりする中で関わりを広げる。
・園庭や広い場所で、しっぽ取りなど体を動かす遊びを楽しむ。
・年長児と手をつないで歩きながら、親しみを感じる。
・園庭で草花や虫に触れたり、空を見上げたりして初夏の自然を感じる。
・砂や水などの感触を味わいながら遊ぶ。
・身近な素材を使って、絵を描いたり製作活動を楽しむ。
ねらい・内容のポイント
新しい環境に少しずつ慣れ、園生活を楽しみ始める5月。
✅ 支度や着替え、手洗いなど、身の回りのことに自分から取り組もうとする気持ちを受けとめ、少しずつ自信につながるように見守る。
✅ 落ち着いて過ごせる場所や、お気に入りの遊びを楽しめるコーナーを工夫して、子どもたちが安心できる居場所をつくる。
✅ 自分の思いや気持ちを動作や言葉で表現しようとする姿を大切に受けとめ、保育者や友達とのやりとりを温かくつないでいく。
✅ しっぽ取りなど体をたっぷり動かせる遊びや、年長児とのかかわりを楽しめる場面を取り入れ、友達とのふれあいを広げる。
✅ 草花や虫、砂や水の感触など、身近な自然に親しめる環境を整え、子どもの発見や気づきを一緒に楽しみながら、好奇心を育てていく。
これらのポイントを意識しながら、子どもたち一人ひとりの「やってみたい!」「楽しい!」を大切に育んでいきたいですね。
ご自身の園環境と照らし合わせて、参考にしてみてください。
3歳児・5月における保育者の援助と環境構成

では、次に保育者の援助と環境構成を見ていきましょう。
保育者の援助・環境構成の文例
◎朝や帰りの準備、着替えなど、子どもが自分で取り組もうとする姿を見守り、必要に応じて声をかけたり手を差し伸べたりする。
◎身のまわりのことを自分でやってみようとする気持ちを尊重し、困っているときにはさりげなく手助けしたり、やり方を知らせたりすることで安心して取り組めるようにする。
◎昼食の時間を楽しみにできるような雰囲気をつくり、友達と一緒に食べる喜びが味わえるようにする。また、それぞれのペースに合わせて落ち着いて食べられるよう、ゆとりのある時間を確保する。
◎生活の中で困っている様子が見られたときは、やさしく声をかけ、気持ちを話しやすい雰囲気づくりを大切にする。
◎自分の気持ちをうまく言葉にできずに手が出たり物を取ったりしたときには、保育者が間に入り、それぞれの気持ちを代弁して伝わるようにする。
◎遊びの場面を通して、子どもが動作や表情、しぐさなどで少しずつ思いを伝えられるように促しながら、やり取りを楽しめるようにする。
◎遊びのきっかけが見つからない子どもには、安心できるように声をかけたり、一緒に遊びに誘ったりして、遊びの面白さに興味が向くようにする。
◎うれしかったことや楽しかったことを伝えようとしている子どもには、しっかりと向き合い、共感する気持ちを示す。
◎“先生がいつもそばにいてくれる”という安心感を持てるように、一人ひとりの存在を大切に受け止める。
◎子ども同士で気持ちがぶつかりトラブルになったときには、それぞれの思いを受け止め、子どもにわかりやすく代弁する。
◎子どもが関心をもっている玩具は、数を多めに準備し、トラブルが起こりにくいようにする。
◎戸外遊びの後は、活動内容によって足を洗ったり丁寧な手洗いが必要になるため、一緒に行ったりやり方を知らせながら、清潔にする気持ちよさを味わえるようにする。
◎天気のよい日は戸外で体を動かして遊べるようにし、固定遊具や玩具を活用して子どもが自分の好きな遊びを選べるように環境を整える。
◎保育者や友達と追いかけっこなどの遊びを通して、身体を動かす楽しさが感じられるようにする。
◎公園では、広々とした空間で思いきり体を動かす気持ちよさや、日常とは異なる自然とのふれあいを楽しめるようにし、行き帰りの道中での子どもの気付きにも共感していく。
◎草花や虫との出会いや、空を見上げて雲や太陽の様子を感じるなど、子どもが自然に気付いたときは共感しながら一緒に楽しむ。
◎砂や泥に触れる遊びでは、保育者も一緒に加わり、感触の面白さを共有できるようにする。
◎年中・年長児が育てている夏野菜の成長に目を向けられるよう、保育者が様子を伝え興味をもつきっかけをつくる。
◎心地よい季節を生かし、親子遠足や散歩を計画することで、戸外での開放感や自然とふれあう楽しさが感じられるようにする。
◎園庭で草花や生き物を見たり触れたりしている子どもの姿を見逃さず、その発見や驚きを共感していく。
◎砂や水などの自然素材に触れるなかで、それぞれの感触を楽しみながら遊びに取り入れられるようにする。
保育者の援助と環境構成のポイント
新しい環境に少しずつ慣れてきた5月。
子どもたちが安心して毎日を楽しみ、自分らしさをのびのびと出せるような関わりや環境づくりを心がけていきたいですね。
✅ 子どもの「じぶんでやってみたい!」という気持ちを大切にし、できた喜びや自信につながるように、そっと見守り寄り添う。
✅ それぞれの子が安心できるように、落ち着いて過ごせるスペースや好きな遊びが見つかるコーナーを工夫してつくる。
✅ 草花や虫、風や光など、身近な自然にふれられる環境を用意し、子どもの気付きやつぶやきに耳を傾けながら、一緒に楽しむ。
✅ 保育者も子どもの遊びに入り込み、いっしょに感じたり驚いたりしながら、信頼関係をゆっくりと築いていく。
子どもたちが「ここにいると安心する」「毎日が楽しい」と感じられるように、ていねいなまなざしと関わりを大切にしていきたいですね。
3歳児・5月における健康・食育・安全について
続いて、健康・食育・安全についてみていきましょう。
健康の文例
●気温が高くなる日もあるため、水分をこまめにとれるように声をかけていく。汗をかいたときには気持ちよく着替えられるよう促していく。
●戸外での活動が増える季節なので、日差しの強さや体の疲れに気付きながら、無理なく過ごせるように配慮していく
健康のポイント
過ごしやすい日もあれば、汗ばむような日もある5月。
✅ のどが渇く前に水分をとれるよう、日中のこまめな声かけを大切にする。
✅ 汗をかいたあとは気持ちよく過ごせるよう、着替えやタオルの声かけを優しく行う。
✅ 暑さや疲れに気付き、無理のないように活動量や休息のバランスを見ながら過ごせるようにする。
✅ 子ども自身が「暑い」「疲れた」などと伝えられるような雰囲気をつくり、体の変化に気付ける力も育てていく。
子どもたちが元気に、そして心地よく過ごせるように健康面でもていねいに見守っていきたいですね。
食育の文例
◇野菜の名前や色、形に興味を持ち始めている子どもたちと一緒に、給食に使われている食材を見たり、話題にしたりして食への関心を育てていく。
◇年中・年長児が育てている夏野菜の様子を見ながら、「大きくなったね」「これはなにかな?」など言葉を交わし、育つ喜びや不思議さにふれられるようにする。
食育のポイント
春のあたたかさの中で、いろいろな野菜や植物が育つ季節。
✅ 給食の食材に親しみを持てるよう、名前や色、かたちを子どもと一緒に楽しんでみる。
✅ 育てている野菜や身近な自然の変化を見て、食べものが育つ過程に興味がもてるような声かけをする。
✅「これ食べたことあるよ」「おうちでも食べたよ」などの子どものつぶやきに耳を傾け、食の経験を広げていけるようにする。
✅ 食べることが楽しいと思えるように、和やかな雰囲気の中でゆっくりとした食事時間を大切にする。
子どもたちの「これなあに?」「食べてみたい!」という気持ちを大切にしながら、食への関心や楽しさを育んでいきたいですね。
安全の文例
★散歩の事前には、道のりや危険な場所、トイレの位置や数、洋式・和式の種類などを確認しておく。
★外での活動が増える時期なので、帽子の着用や靴の履き方なども丁寧に伝え、ケガや事故が起きないように見守る。
安全のポイント
戸外での活動が気持ちよい5月。
✅ 散歩や外出の前には、道の安全やトイレ環境をしっかり確認し、子どもが安心して楽しめるようにしておく。
✅ 帽子の着用や靴の履き方を一緒に確認し、外遊びの中でも安全に過ごせるように伝えていく。
✅ 活動中や移動の場面では、一人ひとりの動きに目を配り、危険がないか常に意識する。
✅ 子ども自身も「危ない」「気をつけよう」と気付けるような関わりを心がけ、安心できる環境づくりを意識する。
その中で安心して遊び、心地よく過ごせるよう、事前の準備や日々の気配りを大切にしていきたいですね。
3歳児・5月における家庭との連携の文例
◆連休明けは生活リズムが崩れがちなので、登園時の様子や日中の姿を丁寧に伝え、保護者が安心できるよう心がける。
◆気温差のある時期なので、子どもが快適に過ごせるよう、衣服の調節について便りや掲示を通して分かりやすく伝える。
◆園での経験や成長の様子が伝わるよう、写真やエピソードなどを掲示し、保護者が日々の様子をイメージしやすくする。
◆友達との関わりが活発になる中で起こるトラブルについても、その背景や保育者の関わりを丁寧に伝え、理解を深めてもらう。
家庭との連携のポイント
連休をはさみ、子どもたちの心や体のリズムがゆらぎやすい時期。
✅ 連休明けの子どもの様子をこまめに伝え、保護者が安心して見守れるようにする。
✅ 衣服や持ち物など、季節に合った配慮ができるよう、具体的に分かりやすく情報を届ける。
✅ 園での出来事や子どもの成長を写真や言葉で伝え、保護者との共有を大切にする。
✅ トラブルがあったときも、一人ひとりの姿や背景を伝え、保護者とともに子どもの育ちを見守る姿勢を大切にする。
保護者と丁寧に関わり合いながら、安心して園生活を送れるようつなげていきたいですね。
3歳児・5月における職員間の連携の文例
*連休明けは子どもの情緒が不安定になりやすいため、気になる様子を職員同士で共有し、共通理解のもとで関わるようにする。
*戸外活動や行事が増える時期なので、安全面やねらいを確認し合いながら、スムーズに保育が展開できるように連携していく。
職員間の連携のポイント
新しい環境にも少しずつ慣れ、子どもたちがのびのびと過ごし始める5月。
✅ 子どもの小さな変化にも気づき合いながら、日々の様子をこまめに伝え合い、対応の仕方を共有する。
✅ 活動の目的や流れを確認し合い、チームとして一貫した保育ができるよう意識する。
✅ 一人ひとりの子どもに丁寧に関われるよう、保育環境や配置についても相談し合いながら進めていく。
心や体の変化も見られる時期だからこそ、職員同士の声かけや情報共有を大切にしたいですね。
おわりに
3歳児の5月は、新しい環境にも少しずつ慣れ、子どもたちの「やってみたい!」という気持ちが芽生え始める時期。だからこそ、無理なく楽しめる活動や、気持ちを受けとめる関わりがとても大切です。
今回ご紹介した月案文例が、日々の保育のヒントや、記録作成の時短につながればうれしいです。
これからも『レイジンブログ』では、現場で“今すぐ使える”保育情報を発信していきます。気になるテーマや「こんな文例がほしい!」というリクエストがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね。
それでは、またやー!
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