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0歳児運動遊びのねらいを解説!~発達過程や家庭や保育でできる遊びも紹介~

保育
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ハイサイ、レイジンです。

季節が進み、園でも運動会の準備が少しずつ始まる時期になってきましたね。

「0歳児に運動遊びって必要なの?」と思う方もいるかもしれません。
実は、この時期の運動遊びは“体を動かす力”だけでなく、“心の安定”“人とのつながり”を育む大切な時間でもあるんです。

まだ歩けない0歳児でも、寝返りやはいはい、つかまり立ちといった発達過程の中で楽しめる遊びがたくさんあります。保育の現場や家庭でのちょっとした関わりが、子どもの成長をぐんと後押ししてくれるんですよ。

この記事では、0歳児の発達に合わせた運動遊びのねらいや具体的な遊び方を、保育園と家庭の両方の視点から紹介していきます。
運動会を控えた今だからこそ、改めて0歳児の運動遊びの大切さを一緒に考えてみませんか?

それでは、いってみよー!

0歳児の発達と運動遊びのねらい

0歳児の発達過程(腹ばい~寝返り~ハイハイ~伝い歩き~一人歩き)

0歳児においては、腹ばい~寝返り~ハイハイ~伝い歩き~一人歩きといった過程で運動面が発達していきます。それぞれ詳しくみていきましょう。

①腹ばい

赤ちゃんがうつぶせになって過ごす姿勢のこと。首や背中、腕、お腹の筋肉をバランスよく使うため、運動発達にとても大切な動きです
腹ばいの時間を通して、首を持ち上げたり手で体を支えたりする力が育ち、はいはいへとつながっていきます。
また、手のひらや胸で床の感触を味わうことで感覚も豊かになります。最初は短時間から始め、安全な場所で楽しい雰囲気の中で行うことがポイントです。

②寝返り

寝返りとは、赤ちゃんが仰向けからうつぶせ、またはその逆へと自分の力で体を回転させる動き。

生後4~6か月頃に見られることが多く、首や背中、腰、腕や足の筋肉をバランスよく使うための大切な発達段階。
寝返りを通して、視野が広がり、興味のあるものに近づこうとする意欲も育まれます
何度も挑戦する中で体の使い方を学び、はいはいなど次の動きへつながっていきます。安全な場所で、見守りながら経験させていくことが大切です。

③ハイハイ

ハイハイは赤ちゃんが全身を使って移動する大切な動きです。

①腕の力で前に進もうとする。
②膝を曲げ伸ばしたり足の指で床を蹴ったりして進むようになる。
③その後、両手と膝を床につけてお腹を浮かせ、バランスをとりながら動けるようになる。
④さらに発達すると、お尻を挙げて、手と足の指を使ってスムーズに前進できるようになり、歩くための準備につながります。

ハイハイは体の筋力や協調性を育てる大切な運動です。

④伝い歩き

伝い歩きとは、赤ちゃんが家具や柵などにつかまりながら横に移動する動きのこと。おおむね1歳頃から見られることが多く、立つ力やバランス感覚を育てる大切な発達段階です。

手で支えながら足を一歩ずつ横に出すことで、足腰の筋力が強まり、やがて手を離して立ったり歩いたりする準備になります
また、自分の行きたい場所へ近づける喜びが芽生える時期でもあります。安全な環境を整え、転倒に注意しながら見守ることが大切です。

一人歩き

ひとり歩きとは、赤ちゃんが大人の支えなしで自分の足だけで歩けるようになること。生後12か月前後から見られることが多いですが、発達には個人差があります

最初はふらつきながら数歩進む程度ですが、繰り返すうちにバランスが安定し、行きたい場所へ自分の力で移動できるようになります。
ひとり歩きは、筋力や体の協調性を育てるだけでなく、探索の世界を広げ、心の成長にもつながる大切な段階です。安全な環境で挑戦を見守りましょう。

0歳児の運動遊びのねらい(体づくり・心の安定・感覚の育ち)

以下に、0歳児における運動遊びのねらいを簡単に説明していきます。

体づくり

0歳児の運動遊びのねらいの一つは「体づくり」です。寝返りや腹ばい、はいはいなどの動きを通して、首・背中・腕・足など全身の筋肉がバランスよく育ちます。

まだ遊びの幅は限られていますが、繰り返し体を動かすことで姿勢の安定やバランス感覚が身につき、立つ・歩くといった次の発達につながっていきます。

また、体を動かす心地よさを感じることで、意欲的に活動しようとする気持ちも育まれます。

心の安定

0歳児の運動遊びには「心の安定」を育むねらいもあります。体を動かす中で、大人に支えられたり、安心できる環境で挑戦したりすることで、赤ちゃんは「守られている」という気持ちを持ちます。

腹ばいやはいはいで少しずつできることが増えると、自信や達成感が芽生え、心の安定につながります。また、遊びの中で笑顔や声を交わすことは、信頼関係を深める大切な時間です。運動遊びは体だけでなく、心を落ち着かせ安心感を育む役割もあります。

感覚の育ち

0歳児の運動遊びには「感覚の育ち」を促すねらいもあります。

腹ばいで床の感触を味わったり、はいはいで凹凸を乗り越えたりすることで、触覚やバランス感覚が豊かに育ちます。転がるボールを目で追うことは視覚を、音のするおもちゃに手を伸ばすことは聴覚や運動のつながりを養います。

五感を使った体験は脳の発達を助け、体を動かす楽しさにもつながります

保育指針における0歳児の運動の位置づけ

保育所保育指針では、0歳児期の運動について次のように示されています。

周りの人やものに触ってみたい、関わってみたいという気持ちが膨らみ、子どもは対象に向かって盛んに自分の体を動かそうとする。保育士等に気付いて手足をばたつかせたり、興味を引かれたものをつかもうと懸命に体を起こそうとしたりして、体を動かすことを楽しみながら、保育士等の温かいまなざしや身体の発育に支えられ、次第に行動範囲を広げていく。安心して伸び伸びと動ける環境は、探索への意欲を高め、心身の両面を十分に働かせる生活をつくり出す。

簡単にまとめると、「0歳児の子どもは、安心できる環境の中で、興味を持ったものに向かって体を動かすその中で、少しずつ心と体を育てている。」ということ。

大人が温かく見守り、挑戦を応援することで「やってみたい」という意欲がどんどん大きくなります。0歳児の運動遊びは、発達を支えるだけでなく、子どもの世界を広げていく大切な経験なんですねー。

保育園で取り入れたい0歳児の運動遊び

ハイハイを楽しもう

トンネルくぐり

ねらい:はいはいを促し、全身の協調性を育む。

遊び方:段ボールやマットを丸めて作ったトンネルを用意し、保育者が呼びかけながら通り抜けを楽しむ。

マットの山

ねらい:全身を使って登ったり降りたりする中で、腕・足・体幹の筋力やバランス感覚を育てる。また、「できた!」という達成感を味わい、挑戦する意欲を育む。

遊び方:布団やマットの下に丸めたタオルなどを敷いて、その上をはいはいで登ったり、ずり這いでよじ登ったりする。保育者はそばで支えたり声をかけたりしながら安全を確保し、子どもが自分のペースで挑戦できるように見守る。登った後に笑顔で拍手したり、降りるときに一緒に楽しんだりすると、遊びの喜びがさらに広がる。

壁面玩具

ねらい:ハイハイで目的地に向かう中で、腕や足の筋力・バランス感覚を育てる。また、「行きたい」という気持ちを動きにつなげ、達成感や意欲を高める。

遊び方:マットや安全な床の上で、壁面におもちゃを設置する。子どもは保育者に声をかけられたり、玩具の音や色に引かれたりしてハイハイで進み、壁面玩具に到達。到着したらつかまり立ちして遊び始める。保育者は「がんばってるね」「ついたね」と気持ちを言葉にして共感し、挑戦を喜び合う。

伝い歩き・一人歩きを楽しもう

つたい歩きコース

ねらい:横移動を楽しみながら足腰を強くする。

遊び方:低い手すりや長机の端に玩具を置き、つたい歩きで移動しながら目的地へ向かう。

押し車あそび

ねらい:歩行のバランスを養い、自分の力で進む喜びを味わう。

遊び方:安定感のある押し車やカートを持って前へ進む。保育者はそばで支え、転倒を防ぎながら「歩けたね」と喜びを共有する。

山越え

ねらい:足を上げる・降ろす動きで脚力とバランスを育てる。

遊び方:柔らかいブロックやマットを積んで小さな段差を作り、登ったり降りたりを繰り返す。

その他

ボール転がし

ねらい:目と手の協応を育てる。「ちょうだい」「どうぞ」など、おもちゃの受け渡しのやりとりを楽しむ。

遊び方:大きめの柔らかいボールを目の前で転がし、ハイハイや一人歩きで追いかけたり触れたりする。

戸外でのはいはい・探索遊び

ねらい:太陽や風など自然を感じながら体を大きく動かし、全身の筋肉やバランス感覚を育てる。
遊び方:芝生や砂場など安全な戸外ではいはいや一人歩きをしたり、草花や石に触れて探索を楽しむ。

安全に楽しむための環境づくりと保育者の援助

0歳児が安心して運動遊びを楽しむためには、まず安全な環境づくりが欠かせません。

室内ではマットを敷いて転倒時の衝撃を和らげたり、角のある家具や小さな部品は取り除いたりして、自由に動けるスペースを確保します。

戸外では芝生や砂場などやわらかい地面を選び、直射日光や気温にも配慮することが大切です。

保育者は、子どもが自分の力で挑戦しようとする気持ちを尊重しつつ、そばで見守り必要に応じて手を添えるなどの援助を行います。「できたね」「もう少しで届きそうだね」といった声かけで気持ちを受け止め、安心感と達成感を得られるようにしていきましょう。

家庭でもできる0歳児の運動遊び

おうちで簡単にできる運動遊び(抱っこ・ひざのせ遊び・布遊び)

家庭でも0歳児が楽しめる運動遊びはたくさんあります。

抱っこあそび

抱っこ遊びでは、上下に揺らしたり横にスイングさせたりすることで、バランス感覚や体幹が育ちます。大人に抱っこされながらの揺れは安心感も与えてくれるので、親子の信頼関係を深める時間にもなります。

ひざのせ遊び

ひざのせ遊びでは、大人のひざに赤ちゃんを座らせ「バスごっこ」のように前後左右に動かすことで、楽しく体の揺れを感じることができます。

布あそび

大きめの布に赤ちゃんを寝かせ、軽く引っ張ったり揺らしたりして楽しむもの。全身の感覚を刺激しながら、親子で笑顔になれる遊びです。

家庭で意識したい安全面と環境づくり

家庭で0歳児が運動遊びをする際には、安心して体を動かせる環境を整えることが大切です。床にはマットやラグを敷き、転んでもケガをしにくいように工夫しましょう。家具の角や小さな部品など、危険になりそうなものは取り除きます。

家庭でありがちな危険例
・テーブルや棚の角
・床に伸びたコード
・誤飲につながる小物
・滑りやすいフローリング など

また、赤ちゃんが遊ぶ時間は必ず大人が近くで見守り、少し挑戦しているときには手を添えたり声をかけたりして安心感を与えることも重要です。短時間でも「安全にのびのびと動ける」経験が、体の発達や意欲につながります。

おわりに

0歳児の運動遊びは、ただ体を動かすだけでなく「体づくり」「心の安定」「感覚の育ち」といった土台を育てる大切な時間です。寝返りやはいはいといった小さな動きも、子どもにとっては大きな一歩。保育園でも家庭でも、安心できる環境と大人の温かい見守りがあれば、その挑戦はどんどん広がっていきます。

運動会のシーズンを迎える今だからこそ、「まだ0歳児だから…」と思うのではなく、発達に合った運動遊びを取り入れてみませんか? 小さな体の動きに込められた成長のサインを、一緒に喜び合える時間を大切にしていきましょう。

それでは、またやー!

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