ハイサイ、レイジンです。
2月は、節分などの伝統行事や、寒さが本格化する中で体調管理にも気を配る必要がある月です。
1歳児の場合、まだ言葉でしっかりと自己表現ができなくても、五感を使った遊びや保育者・保護者とのふれあいを通して、日々の成長が感じられる大切な時期。
「見て！」といった簡単なジェスチャーや笑顔、少しずつ歩みを進める姿に、保育者も心が温かくなりますね。
今回は、1歳児の2月月案作成に役立つ「ねらい・内容」「保育者の援助」「環境構成」の文例やポイントを、行事や季節感を取り入れながら解説します。また、家庭との連携、健康・食育・安全への配慮についてもご紹介していきたいと思います。
寒い季節でも、子どもたちが安心して、そして楽しく成長できるような月案作りのヒントになれば嬉しいです。
それでは、いってみよー！
1歳児・2月月案作成の文例・ポイント
では、1歳児クラスの2月の月案作成に役立つ文例やポイントを見ていきましょう。
ねらい
○身の回りのことに自分で挑戦し、できることが増える喜びを感じる。
○保育者や友達と簡単な言葉を交わしたり、見立て遊びやごっこ遊びを楽しんだりする。
○保育者や友達との関わりを楽しみながら、さまざまなものに興味を広げる。
○冬ならではの自然に触れながら、全身を使ってのびのびと遊ぶ。
内容
・食事の楽しさを感じたり、食べた満足感を味わう。
・尿意を保育者に伝えたり、自分でトイレへ行って排泄しようとする。
・保育者の手助けを受けながら、石けんの使い方を知る。
・鼻水が出ていることに気づき、自分で拭こうとする。
・手や指を使って遊びながら、さまざまなものに見立てて楽しむ。
・保育者や友達と一緒に歌を歌ったり、手作り楽器を鳴らしたりして遊ぶ。
・保育者に話しかけられたり、自分から片言で話したり、まねをしたりして言葉のやりとりを楽しむ。
・興味のあるおもちゃに自分から関わり、じっくりと遊ぶ。
・気の合う友達や異年齢の子どもに興味をもち、関わろうとする。
・保育者や友達と一緒に、思いきり体を動かして遊ぶ。
・冷たい風を感じたり、氷を触ったり洗ったりして、冬ならではの自然に気づく。
・干した果物の皮の感触やにおいを確かめ、変化を感じたことを保育者や友達に伝えようとする。
ねらい・内容のポイント
・身の回りのこと
自分の体のサインに気づき、食事の楽しさや満足感を感じたり、尿意や鼻水への対処を自ら行おうとする。（自立心、自己管理）
・用具や素材
石けんの使い方や各種おもちゃ、干した果物の皮など、さまざまな素材に触れ、試しながら感覚を楽しむ。（探求心、創造性）
・友達との関わり
保育者や友達と一緒に、歌や手作り楽器、体を動かす遊びを通じて、言葉のやりとりや模倣を楽しみながら交流を深める。（協調性、社会性）
・表現
手や指を使ってさまざまなものに見立てたり、片言で気持ちを伝えたりするなど、遊びを通して自分の感情や思いを表現する。（表現力、コミュニケーション能力）
・自然
冷たい風や氷に触れるなど、冬ならではの自然の変化を体験し、干した果物の感触やにおいを確かめることで、自然への興味と感性を育む。（自然への関心、感性）
文例は前月の子どもの姿や園の実態に応じて参考にしてもらえたらなと思います。では、次に保育者の援助と環境構成の文例を見ていきましょう。
保育者の援助
1. 健康（生活の心地よさ・基本的な生活習慣・運動）
＊子どもが食事を楽しめるよう、「これは〇〇だね」「おいしいね」など興味を引く言葉をかけながら、量の加減にも配慮する。
＊子どものサインを見逃さず、トイレへ行こうとする素振りがあった際には「行ってみる？」と優しく声をかけ、自分で行こうとする気持ちにつなげる。
＊手洗いや泡石けんの使い方を、保育者が見本となりながら伝えていく。
＊鏡を見せたり言葉をかけたりしながら、鼻のかみ方や拭き方を伝え、すっきりした気持ちよさを感じられるようにする。
＊子どもが自分でやろうとする気持ちを大切にし、難しい部分はさりげなく手助けしながら、「できた！」という満足感を味わえるようにする。
＊追いかけっこなどに保育者も一緒に参加し、全身を使った遊びの楽しさを共有する。
2. 人間関係（愛着・仲間意識・社会性）
＊異年齢の子どもとの関わりでは、安全面に配慮しつつ、しっぽ取りなどの遊びを保育者が仲立ちしながら楽しく交流できるようにする。
＊保育者も遊びに加わり、「かして」「ありがとう」などの言葉のやりとりが自然に生まれるように仲立ちする。
＊保育者も一緒に見立て遊びやごっこ遊びを楽しみ、子どもの遊びがさらに広がるように関わる。
3. 環境（身近な環境への気づき・探求心）
＊風や水の「暖かい」「冷たい」といった感覚や、みかんの皮と乾燥した皮の触り心地やにおいの違いに気づいた子どもの驚きや言葉を受け止め、共感しながら関わる。
＊子ども一人ひとりの排尿間隔を把握し、必要に応じて早めにトイレへ誘うようにする。
4. 言葉（コミュニケーション・言葉のやりとり）
＊保育者も遊びに加わり、「かして」「ありがとう」などの言葉のやりとりが自然に生まれるように仲立ちする。
＊子どもの見立て遊びやごっこ遊びに共感し、想像を広げられるように関わる。
5. 表現（感性・創造性・表現の楽しさ）
＊保育者も一緒に歌を歌ったり楽器を鳴らしたりして、楽しさを共有する。
＊見立て遊びやごっこ遊びを保育者も一緒に楽しみ、子どもの遊びがさらに広がるように関わる。
環境構成
1．健康（体の動きや生活習慣の自立）
□ 体格の違いに配慮し、子どもに合ったサイズの机やイスを用意する。
□ 石けんは、子どもが自分で使えるように手の届く場所に設置する。
□ 子どもが使いやすい位置に、ティッシュペーパーとごみ箱を設置する。
2．人間関係（友達や保育者との関わり）
□ ままごと遊びに使える玩具や、洗濯カゴ、ハンカチ、タライ、洗濯バサミなどを用意する。
3．環境（自然や身近な物との関わり）
□ 氷ができる過程を観察できるように、冷えやすい場所に水を入れたカップを置いておく。
□ 干したミカンの皮をネットに入れたものや、タライ、お湯、敷物、タオルなどを準備する。
4．言葉（言葉のやりとりやコミュニケーション）
※ 言葉に特化した環境構成はないが、他の領域と関連する形で促すことができる。
5．表現（感性や創造性の発揮）
□ 粘土や洗濯ばさみなど、手や指を使って遊べる素材を多めに用意する。
□ 子どもたちが楽しめるように、好きな歌の音源や手作り楽器を準備する。
5領域で保育者の援助や環境構成を表記しましたが、どの活動も５領域が関連しあっているので、活動を計画する際には、特定の領域だけに注目するのではなく、それぞれの領域がどのように結びついているかを意識することが大切です。（例：ままごと遊びでは「表現」の要素が強く見えますが、友達と役になりきって遊ぶことで「人間関係」の発達にもつながる。）
保育者の援助・環境構成のポイント
1. 健康（生活の心地よさ・基本的な生活習慣・運動）
・子どもが自分でできることをサポートし、満足感を味わわせる。
・トイレや手洗い、鼻かみなどの基本的な生活習慣をしっかりとサポート。
・全身を使った遊びに参加し、体を動かす楽しさを共有。
2. 人間関係（愛着・仲間意識・社会性）
・異年齢の子どもとの安全な交流を促進し、仲間意識を育む。
・「かして」「ありがとう」などの言葉のやりとりをサポートし、社会性を育てる。
・見立て遊びやごっこ遊びを一緒に楽しみ、友達との関わりを広げる。
3. 環境（身近な環境への気づき・探求心）
・自然や日常的な物に触れる機会を提供し、探求心を引き出す。
・子どもの排尿間隔を把握し、必要に応じて早めにトイレに誘う。
4. 言葉（コミュニケーション・言葉のやりとり）
・子どもが自分の気持ちを表現しやすくするためのサポートを行う。
・見立て遊びやごっこ遊びに共感し、言葉での表現を広げる。
5. 表現（感性・創造性・表現の楽しさ）
・歌や楽器を使った表現活動を通じて、子どもの感性を引き出す。
・手や指を使った遊びを促し、創造性を発揮できる環境を整える。
2月は、まだまだ寒い季節ですが、寒さに応じた生活を楽しんだり、不思議さを感じたりできるようなかかわりを意識していきたいですね。また、表現を楽しむ機会も作っていき、その楽しんでいる姿を発表会などで保護者に伝えることで、子どもの成長を共に感じていけるようにしたいですね。
健康・食育・安全について
続いて、健康・食育・安全についてみていきましょう。
健康
●室内外の温度差に気を付け、適切な換気と湿度調整を行い、感染症予防に努める。
●その日の体調や気温に応じて衣服を調整し、個々の子どもに配慮しながら体を使った遊びを通じて体力を育む。
●玩具や子どもが触れる場所をこまめに消毒し、感染症予防に力を入れる。
寒い季節に快適に過ごせるよう、室内外の温度差に気をつけ、こまめに換気や湿度調整を行いましょう。また、体調に合わせて服の調整や、体を使った遊びを取り入れて体力づくりも行っていけるといいですね。
食育
◇節分の日には、焼いたイワシや炒った豆の香りを楽しませ、行事食に親しみを持てるようにする。
◇食事の中で使われる食材やその名前を伝えていき、言葉を通して食べ物への理解を深めていく。
冬は節分などの行事があり、食育の大切な時期です。節分の日には、焼いたイワシや炒った豆の香りを楽しむことで、行事食への親しみを育てることができます。食事の中で使われる食材やその名前を伝え、言葉を通じて食べ物に対する理解を深めていくことも大切です。子どもが食材に興味を持ち、食べ物に対して愛着を感じるような環境作りを心がけましょう。
安全
★行動範囲が広がり、より活発に動くようになっているため、室内の整頓や遊具の安全点検に十分な配慮をする。
２月になると、子ども達も成長し、動きも活発になってきます。子どもの動きを予測して安全面に廃炉した環境構成を行っていきましょう。
家庭との連携
続いて、家庭との連携も見ていきましょう。
◆流行中の感染症について、症状や予防方法、罹患者数などの情報を掲載し、登園時の届け出の必要性を含めて早期発見を促進する。
◆感染症の発生状況を掲示し、保護者への情報共有を徹底することで、子どもの体調について密な連絡を取り合い、健康観察を丁寧に行って早期発見と予防に努める。
◆保護者が厚着をさせたくなる気持ちに寄り添いつつ、気温や活動量に応じた適切な衣服の調節の必要性を伝えていく。
◆自主的な行動を見せる子どもの様子を伝え、成長を見守ることや待つことの重要性を伝える。
2月は感染症が流行しやすい時期なので、家庭と連携しながら予防を心がけていきましょう。
職員との連携（チームワーク）
最後に職員間の連携になります。
☆感染症の流行状況を把握し、子どもの様子や体調の変化を共有するとともに、対応方法を統一しておく。また、その日の子どもの体調に合わせた遊びを提供できるように、室内と戸外の役割分担も決めておく。
☆節分の日には5歳児が役を務める場合は、行事参加に向けて5歳児担任と話し合いを進める。
☆アレルギーについては、栄養士・調理師・看護師との連携を強化し、全職員に対して周知徹底する。
☆その日の子どもの体調や保護者からの情報を共有し、急な体調の変化に対しては看護師と迅速に連絡を取り合う。
☆進級に向けて、ひとりひとりの発達や生活習慣を確認し、来年度の課題を話し合っておく。
２月になると、進級も意識した取り組みも必要になってきます。２歳児クラスの生活の仕方も確認しておくことも大切になってきますね。
おわりに
2月は寒さが続く中で、子どもたちにとっても大きな成長の季節です。保育者や保護者が協力して、心身ともに温かく、安心できる環境を整え、子どもたちの成長を支えていきましょう。毎日の小さな積み重ねが、大きな自信と喜びに繋がります。寒い季節でも子どもたちの興味や探求心を育み、楽しい時間を一緒に過ごせるといいですね。
それでは、またやー！
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