ハイサイ、レイジンです。
日中の空気がぐっと冷たくなり、手先がひんやりする日も増えてくる12月。
園庭では、落ち葉をぎゅっと握ってシャラシャラと音を楽しんだり、白い息が出ることに気づいて「でた!」と喜んだりと、冬ならではの発見に胸をときめかせる1歳児の姿が見られます。
歩くことや体を動かすことがますます楽しくなるこの時期。
よーいどん!で走り出したり、段差を登ってみたり、トンネルに何度もくぐったりと、「やってみたい!」という気持ちがどんどん芽生えてきます。遊びのバリエーションが広がり、同じ遊びを共有する友達を見てそばに行こうとするなど、人との関わりもゆっくり広がっていく大切なタイミングです。
一方で、思い通りにいかなくて泣いたり、気持ちの切り替えが難しくて固まってしまったりと、“1歳児らしい”姿もたくさん。けれどそのどれもが、心が育っている証なんですよね。そんな瞬間も丸ごと受け止めながら、冬の遊びや行事、生活の変化を安心して楽しめるようにしていきたいところです。
この記事では、1歳児クラス・12月の月案作成に役立つ
✅「ねらい」
✅「内容」
✅「保育者の援助」
✅「環境構成」
✅「健康・食育・安全」
✅「家庭との連携」
✅「職員間の連携」
の文例を、現場でそのまま使える形でまとめています。
「1歳児の12月ってどんな姿を書けばいい?」
「ねらいが似たり寄ったりになってしまう…」
そんな日々の“月案づくりのモヤモヤ”がパッと晴れるように、わかりやすく、実践的に紹介していきます。
それでは、いってみよー!
1歳児・12月におけるねらいと内容
では早速、1歳児・12月のねらいと内容を見ていきましょう。
ねらいの文例
○ 保育者に見守られながら、食事・排せつ・手洗いなどの生活習慣にふれ、自分でやってみようとする。
○ 冬の戸外で歩いたり走ったりしながら、全身を使って遊ぶ楽しさを味わい、体を動かす心地よさに気づく。
○ 保育者や友達と簡単な言葉やしぐさでやり取りしながら、一緒に遊ぶ心地よさを感じる。
○ 音楽やまねっこ遊びに触れ、リズムに合わせて動いたり、つもり遊びを楽しんだりして表現する喜びを味わう。
内容の文例
・ 保育者に支えてもらいながらスプーンを持ち、自分で食べようとする。
・ 食事前後や汚れた際に手や顔を拭き、きれいになる心地よさを感じる。
・ 尿意があるときにしぐさや声で知らせようとし、トイレでの排泄に挑戦する。
・ 自分の持ち物の場所を覚え、靴下をはく・片付けるなど簡単な身支度に取り組む。
・ 様々な食品や調理形態にふれ、苦手な食材にも少しずつ向き合ってみようとする。
・ 歩く、のぼる、くぐるなど全身を使った動きを楽しみ、戸外での遊びに意欲的に取り組む。
・ 好きな遊具や自然物に興味をもち、自分から触れて遊ぼうとする。
・ 保育者が仲立ちしながら、友達との簡単な言葉やしぐさのやり取りを楽しむ。
・ 一緒に作った素材を身近な物に見立てて遊び、つもり遊びの広がりを味わう。
・ 音楽やリズムに親しみ、手作りの楽器を鳴らしたり体を揺らしたりして表現する楽しさを感じる。
・ 保育者や友達と歌をうたい、リズムに合わせて体を動かす心地よさを味わう。
・ 落ち葉や風の冷たさなど冬の自然に触れ、興味を広げながら遊びに取り入れる。
ねらい・内容のポイント(1歳児・12月)
12月は、朝夕の冷たい空気に冬の訪れをしっかり感じられる季節です。
1歳児の子どもたちの中では「じぶんで!」という思いがゆっくり育ちはじめ、生活の中で挑戦する姿が少しずつ増えていきます。
衣服の着脱や食事の場面など、できることが増えていくこの時期。
保育者は「できたね」「がんばったね」と気持ちに寄り添いながら、子どもたちの意欲をやさしく支えていきます。
また、冬は感染症が増える季節でもあるため、手洗いやうがいを丁寧に行い、健康に過ごせる習慣づくりを大切にしていきましょう。
体を動かして、寒さの中でものびのび遊ぶ
冷たい風が吹く中でも、歩く・走る・くぐるなど全身を使った遊びが楽しめるようになってきます。
戸外では「もう一回!」「あった!」などの声が聞こえ、やってみようとする気持ちがぐっと広がる季節です。
外気に触れながら体を動かすことで、寒さの中でも心地よく過ごすことができ、冬ならではのダイナミックな遊びが増えていきます。
かんたんなやり取りや模倣遊びが豊かに
1歳児のこの時期は、保育者や友達とのやり取りがぐっと広がるタイミング。
「どうぞ」「ちょうだい」「もう一回」など、短い言葉で気持ちを伝えようとする姿が増えていきます。
また、歌や手遊びのまねっこが盛んになり、好きなフレーズを口ずさんだり、クリスマスの雰囲気に合わせて手を動かしたりと、表現する楽しさも味わえる時期です。
冬の自然にふれ、季節の変化を感じる
園庭や散歩では、落ち葉の音や風の冷たさなど、冬の自然にたくさん触れることができます。
「つめたい」「カサカサだね」など、感じたことを言葉にしながら季節の変化に気づく姿も見られます。
触ってみたい・見てみたいという気持ちを大切にしながら、自然とのふれあいを遊びに取り入れていきます。
子どもたちの“やってみたい”を大切に育てる12月
12月は、1歳児が「自分でやってみたい」「一緒にやりたい」という思いをぐっと伸ばす時期です。
安心できる環境と、保育者のあたたかいまなざしの中で、その気持ちをゆっくり育てながら、冬ならではの楽しさを味わえるようにしていきたいですね。
1歳児・12月における保育者の援助と環境構成

では、次に保育者の援助と環境構成を見ていきましょう。
保育者の援助の文例
◎ スプーンの持ち方や食べ物のすくい方を優しく伝えながら、子どもが自分で食べようとする気持ちを大切にし、必要に応じて手を添えるなどのさりげない援助を行う。
◎ 鏡を見ながら手や顔の汚れに気づけるよう一緒に拭き、きれいになる心地よさを味わえるようにするとともに、自分でやってみようとする姿をゆっくり見守る。
◎ 一人ひとりの排尿間隔を把握し、早めに声をかけてトイレへ誘ったり、尿意のサインに気づいて受け止めたりしながら、安心して排泄に向かえるよう支える。
◎ 困っているときは「手伝ってもいい?」と声をかけ、できたときには「できたね!」と気持ちを共有し、次の意欲につながるようにする。
◎ 歩く・のぼるなど全身を使った遊びが楽しめるよう安全に配慮し、子どもの好きな遊びを十分に満喫できるようそばで見守る。
◎ 気温の変化に合わせて遊び方を調整し、手が冷えたときには温めるなど、冬ならではの遊びが安心して楽しめるようにする。
◎ トラブルが起きたときは、それぞれの気持ちを受け止めて代弁し、互いの思いに気づけるように丁寧に関わる。
◎ 保育者がやり取りの見本となりながら、「おいしそうね」「一緒にやってみよう」などやさしい声かけを通して、大人や友達との関係を楽しめるようにする。
◎ クリスマスや冬の歌に親しみながら、手作り楽器を鳴らしたり体を揺らしたりして、音やリズムの楽しさが広がるようにする。
◎ 絵本やサンタごっこなど季節の遊びを取り入れ、子どものイメージが膨らみ、つもり遊びが楽しめるように関わる。
◎ 冬の自然にふれる場面で、「つめたいね」「カサカサだね」などのつぶやきを丁寧に拾い、感じたことを共有しながら興味が深まるように寄り添う。
◎ 天気の良い日は戸外に出て、風の冷たさや空の色の変化など季節の自然を感じられるようにし、豊かな体験につなげていく。
環境構成の文例
□ 子どもが自分ですくいやすいように、少し深さのある器を用意し、スプーンでの食事がしやすいよう整える。
□ 手や口が汚れたときにすぐ使えるよう、おしぼりやペーパータオルは子どもの手の届く場所に置いておく。
□ 着替えが増える季節のため、パンツやズボンを多めに準備し、個人の引き出しには靴下や帽子を分かりやすく収納しておく。
□ 園庭は石や危険物がないかを確認し、寒い日も体を動かせるよう室内にはマットや巧技台などの運動遊びができるスペースを整えておく。
□ 友達とのやり取りが広がる時期のため、子どもが一緒に使える玩具や絵本を多めに配置し、見通しの持てる収納にしておく。
□ 紙粘土や紙芯、たんぽ、絵の具などの素材を準備し、まねっこ遊びやつもり遊びが自然と広がる環境をつくる。
□ 季節の歌やリズム遊びを楽しめるよう、手づくり楽器や音が出る玩具を取りやすい場所に置いておく。
□ 散歩にすぐ出かけられるよう、救急セット・ティッシュ・タオルなどを入れたバッグを常に持ち出せる状態にしておく。
□ 冬の自然を感じられるよう、落ち葉や季節の植物を観察できる場所に案内したり、自然物に触れられる環境を整える。
保育者の援助と環境構成のポイント(1歳児・12月)
12月は、冷たい風や白い息など、冬の訪れをぐっと感じられる季節です。
1歳児は「じぶんでやってみたい」という気持ちが少しずつ育ち、生活の中で自分なりの方法で挑戦しようとする姿が増えていきます。
子ども一人ひとりのペースを大切にしながら、その思いを丁寧に受け止め、安心して挑戦できる環境を整えていきましょう。
“じぶんでやってみよう”を支え、生活習慣の基礎を育む
食事や手洗い、簡単な着脱など、生活習慣が少しずつ身についていく時期です。
1歳児は「できた!」「やってみたかった!」という思いが強くなるため、保育者は必要なところだけそっと手を添えたり、気持ちを代弁したりしながら、成功体験につなげていきます。
また、冬は感染症が増える季節でもあるため、手洗いを歌やリズムに合わせて楽しく行い、健康に過ごせるようにしていきます。
寒さの中でも体を動かし、外遊びの気持ちよさを味わう
冷たい空気の中でも、1歳児は歩く・走る・くぐるなどの動きを喜んで取り組みます。
園庭には、段差やトンネルなど動きのバリエーションを楽しめる環境を安全に整え、保育者も一緒に体を動かしながら気持ちよさを共有していきます。
「もう一回!」「できたね」と声を添えることで、挑戦したくなる気持ちが育ち、体を動かす楽しさにつながります。
まねっこ遊びや簡単なやり取りを楽しめる環境づくり
1歳児は、大人の動きをまねしたり、簡単な言葉で気持ちを伝えたりし始める時期です。
「どうぞ」「ありがとう」「もう一回」などの短いやり取りが自然と広がるように、保育者がやさしく仲立ちしながら遊びを支えていきます。
ままごとセットや手作りの小物など、まねっこ遊びにつながる素材を用意することで、子どもたちのイメージがぐっと広がります。
冬の自然や行事にふれ、季節を感じる毎日をつくる
散歩や園庭あそびでは、「つめたい」「白いの出た!」など、冬の自然に気づく姿が見られます。
保育者が「本当に冷たいね」「葉っぱがカサカサだね」と言葉を添えることで、感性や語彙の広がりにつながります。
さらに、クリスマスの飾りや季節の歌を取り入れ、保育室でも冬の雰囲気を感じられるようにしながら、行事を楽しめる環境を整えていきます。
1歳児・12月における健康・食育・安全について
続いて、健康・食育・安全についてみていきましょう。
健康の文例
● 感染症が増える季節のため、子どもがよく触れる玩具や手すり、机などはこまめに消毒し、清潔な環境を保つようにする。
● 室温や湿度、換気に気を配り、過ごしやすい空気環境を整えるとともに、手洗いを丁寧に行い、健康に過ごせる習慣を身につけられるようにする。
● 外気で体が冷えたときは衣服の調節をこまめに行い、暖かく安心して遊べるよう保育者が気づいて声をかけていく。
● 咳や鼻水など体調の変化が見られたときは早めに気づき、必要に応じて休息できる環境を用意する。
健康のポイント
12月は、外の空気が一段と冷たくなり、体調を崩しやすい季節です。
1歳児が安心して過ごせるよう、無理のない遊びと、ほっとできる休息の流れを大切にしていきましょう。
手洗いを“いっしょに”して、冬の感染症予防を
1歳児は、保育者の動きをよく見てまねしながら、生活習慣を身につけていく時期です。
冬は特に感染症が増えるため、手洗いを保育者と一緒に行い、楽しく習慣化していきます。
「きれいになったね」「上手にできたね」と共感しながら取り組むことで、気持ちよく過ごす習慣につながります。
衣服の調節で、寒さの中でも快適に
朝と夕方の冷え込みが強く、体温調節が難しくなる季節です。
薄手の上着や防寒着を手に取りやすい場所へ準備し、活動の合間に子どもの様子を見ながらこまめに調節します。
「これ着るとあったかいね」「外は寒いね」と言葉を添えることで、子ども自身も快適さを感じながら過ごせるようになります。
小さなサインを見逃さず、安心して過ごせる環境を
1歳児はまだうまく言葉で気持ちを伝えられないことが多いため、表情・遊び方・食欲など、ちょっとした変化を丁寧に受け止めていくことが大切です。
変化に気づいたときは職員同士で共有し、必要に応じて家庭とも連携していきます。子どもが毎日安心して園生活を送れるよう、あたたかく見守って支えていきましょう。
12月は、寒さの中でも「やってみたい」「もっと遊びたい」という気持ちがしっかり育つ季節です。
その思いを大切にしながら、心も体も温まる環境づくりを通して、元気に過ごせる毎日を整えていきましょう。
食育の文例
◇ 異年齢児と一緒に冬野菜を収穫したり触れたりしながら、「なんだろう?」「さわってみたい」という気持ちを引き出し、食べ物への興味を育てていく。
◇ クリスマスや年末の行事食にふれ、いろいろな食材や料理を知るきっかけをつくりながら、食べることの楽しさを感じられるようにする。
◇ 調理前の食材を見たり、においをかいだりするなど、五感を使った体験を取り入れ、食べ物との距離が近くなるように工夫する。
食育のポイント
12月は、冬の食材がぐっとおいしくなる季節。
1歳児は“触ってみたい”“なんだろう?”という気持ちが強く、食材に興味をもつ姿が増えていきます。
保育者と一緒に季節の食べ物にふれる、あたたかい時間を大切にしていきましょう。
“触ってみたい・知りたい”気持ちを引き出す関わりを
1歳児は、保育者と一緒に食材に触れる体験が大好きな時期です。
匂いをかいだり、そっと触ってみたりしながら、「いいにおいだね」「つるつるだね」とやり取りすることで、食への興味が育ちます。
クリスマス前には、色とりどりの野菜や果物 を見たり、給食室で用意する食材をのぞいたりすることで、ワクワクした気持ちがさらに広がります。
給食でその食材が登場するときに「さっき見たりんごだね」とつなげて伝えることで、“食べる意欲”にもつながっていきます。
食事の時間を“ことばと気持ちのやり取り”の場に
ことばが増え始める1歳児にとって、食事の時間は気持ちを伝える貴重な瞬間です。
「おいしいね」「あったかいね」と短い言葉を添えることで、“感じる力”や食べる楽しさがぐっと広がります。
クリスマス給食の日には、「サンタさんのごはんだね」「かわいいね」などの言葉を添えることで、季節ならではの楽しさも味わえます。
新しい食材に挑戦できたときには「がんばったね」「食べられたね」と気持ちに寄り添い、達成感へとつなげていきましょう。
食べることは“心も育つ時間”
12月の食育は、行事が多いからこそ、
「食べるのっておもしろい」
「触ってみるとたのしい」
「じぶんでやってみたい」
といった気持ちが育ちやすい時期です。
冬の食材やクリスマス給食、もちつきなど 季節の体験を日々の食事とつなげる ことで、食への関心がぐっと深まります。
子どもたちが「たべるってたのしい」と思えるよう、心も体も育つ食の時間を丁寧に積み重ねていきましょう。
安全の文例
★ 朝の冷え込みで遊具やテラスに露・霜がつきやすいため、滑らないよう事前に拭き取り、安心して遊べる環境を整える。
★ 戸外に出る際は、厚着になりすぎると動きが制限されるため、調節しやすい服装を勧めたり、ひも付き・フード付きの衣服を避けるよう配慮する。
★ 手先が冷たくなりやすい季節のため、遊びの合間に血色や体温の変化に気づき、必要に応じて手を温めたり上着を羽織るなど、こまめに対応していく。
★ 冬の日差しが弱まり見通しが悪くなる時間帯もあるため、影になりやすい場所や足元の段差などに注意しながら、安全に遊べる動線を確保する。
安全のポイント
12月は、冷たい風や霜がおりる日が増え、冬ならではの環境が子どもたちの遊びに大きく影響します。
1歳児が安心して戸外に出られるよう、遊具や地面に霜や露がついていないか確認し、滑りやすい場所を把握しておくことが大切です。
また、気温に合わせて上着や帽子を準備し、「あったかくなるよ」「着てみようね」と、子どもに寄り添いながら身支度を整えていきます。
1歳児のペースに寄り添いながら遊びを見守る
1歳児は、気になる物を見つけるとまっすぐ向かったり、夢中になると周りが見えなくなることがあります。
保育者がそばで見守り、「ここすべりやすいね」「ゆっくり歩こうね」と声をかけながら、安全に遊べるようサポートします。
挑戦したい気持ちを大切にしながらも、不安定な動きが見られる場面ではそっと手を添え、安心して遊び続けられるようにしていきます。
自然とのふれあいを“安心して”楽しめるように
冬の園庭には、落ち葉・小枝・冷たい石など、触れて楽しめる自然物がたくさんあります。
1歳児が口に入れそうな物や危険な物は事前に取り除き、
「つめたいね」「カサカサしてるね」
と感じたことを一緒に言葉にしながら、安全に季節を味わえるようにします。
遊んだ後は、風邪や感染症予防のために丁寧な手洗いを行い、健康に過ごせるよう習慣づけていきます。
保育者の“見守りの位置”で安心を支える
1歳児は遊びに集中すると視野が狭くなり、危険に気づきにくいことがあります。
保育者は、子どもの近くで声をかけやすい位置に立ち、全体の動きを見守りながら、危険につながりそうな場面では早めに寄り添って安全を確保します。
子どもが安心して楽しめるよう、あたたかいまなざしで包み込みながら見守ることが大切です。
12月は、寒さの中でも「もっと遊びたい!」という気持ちが輝く時期です。
冬ならではの自然や遊びを存分に楽しめるよう、ていねいな準備と気持ちに寄り添う見守りで、1歳児が安心して挑戦できる毎日を支えていきましょう。
1歳児12月における家庭との連携の文例
◆ 冬の感染症が増える時期のため、クラス便りや掲示を通して流行状況や予防方法を分かりやすく伝え、子どもの体調の小さな変化にも気づけるよう家庭と丁寧に情報共有をしていく。
◆ 年末年始は生活リズムが崩れやすいため、「早寝・早起き・朝ごはん」の大切さを改めて知らせ、無理なく整えられるよう家庭と一緒に見直していく。
◆ 遊戯会やもちつきなど季節の行事について、掲示板や園のホームページで案内を行い、地域の親子にも参加しやすいよう情報を発信していく。
家庭の連携のポイント
「じぶんでやりたい」気持ちを園と家庭で共有し合う
12月は、冷たい風や朝の冷え込みがぐっと強まり、体調を崩しやすい季節です。
1歳児は、着替え・食事・手洗いなどで「じぶんで!」という姿が少しずつ増え始める大切な時期でもあります。
園での小さな挑戦や“できたね”の瞬間を家庭に伝えたり、家庭での頑張りを知らせてもらったりすることで、子どもの意欲がさらに高まります。
園と家庭が同じ気持ちで寄り添うことで、「やってみよう」という力がぐっと育っていきます。
行事や季節の活動を家庭と一緒に楽しむ
12月は、クリスマス会など、1歳児にとってもワクワクする季節です。
園で楽しんでいる製作や季節の歌、行事の準備の様子を家庭に伝えることで、親子の会話が自然と広がり、行事への期待も高まります。
園と家庭が同じ目線で子どもの姿を受け止めることで、子どもも安心して行事を楽しむことができます。
気温差に合わせた衣服を相談しながら準備する
冬は朝夕と日中の気温差が大きく、1歳児は体温調節が難しい時期です。
園ではその日の活動に合わせて衣服の調整を行いますが、
「今日は防寒着があると安心です」
「汗をかいているので、着替えを多めにお願いします」
など、家庭と相談しながら準備できるよう丁寧に伝えていきます。
厚着になりすぎず、動きやすい衣服を共有しながら整えていくことで、子どもは快適に過ごすことができます。
小さなサインを伝え合い、安心して過ごせるように
1歳児はまだ言葉で気持ちを十分に伝えられないため、体調や気分の揺れが行動や表情に表れやすい時期です。
園と家庭で、機嫌・睡眠・食欲・排泄などの小さな変化を伝え合うことで、より安心して過ごせる環境づくりにつながります。
「いつもと違うかも?」を共有し合うことで、子どもが心地よく過ごせる毎日が整っていきます。
12月は、1歳児の「じぶんでやってみたい」「楽しみたい」という気持ちがぐっと育つ季節です。
園と家庭があたたかくつながり、一人ひとりが安心して冬を迎えられるよう、ていねいな連携を大切にしていきましょう。過ごせるよう、丁寧に寄り添っていきましょう。
1歳児・12月における職員間の連携の文例
* ノロウイルスやロタウイルスなど、冬に流行しやすい感染症の知識や対応方法(嘔吐物の処理・消毒など)を再度共有し、誰が対応しても適切に動けるようにしておく。
* 子ども一人ひとりの体調・発達の様子・生活リズムを共通理解し、無理のない関わりができるよう役割分担や担当制の見直しを行う。
* 流行している感染症について情報を共有し、早期発見や予防につながるよう日々の視点を揃えておく。
* 行事は1歳児が安心して参加できるよう、当日の流れや動き方を話し合い、職員の配置や役割を明確にしておく。
* 子ども同士のトラブルへの関わり方や言葉がけを統一し、どの職員が対応しても子どもが安心できる環境を整える。
職員間の連携のポイント
「じぶんで!」の気持ちを職員全員で大切にする
12月は、子どもたちの「じぶんでやってみたい」「一緒に楽しみたい」という気持ちがよりいっそう育つ季節です。
寒さが増える中でも安心して挑戦できるよう、職員同士の連携と共通理解がとても大切になります。
1歳児は、着替え・食事・手洗いなどで「じぶんで!」という姿が徐々に増えてくる時期です。
どの場面はゆっくり見守り、どこはそっと手を添えるのかなど、声かけや援助の方法をチームで統一しておくことで、子どもが安心して挑戦できます。
「今日はここまでできたね」「昨日より自分でやろうとしていたよ」など、日々の小さな育ちを共有することで、意欲が自然と引き出されます。
行事や戸外遊びを安全に楽しむために、役割と配置を明確に
12月は、クリスマス会やもちつきなど、子どもたちが楽しみにしている行事が多い季節です。
また、寒さの中でも園庭で歩く・走る・くぐるなどの動きが広がり、遊具に向かう機会も増えていきます。
安全に楽しめるよう、事前に「見えにくい場所」「保育者が立つ位置」「どの子を中心に見るか」などを話し合い、役割をはっきり決めておくことが大切です。
明確な配置と連携が、安心した活動につながります。
健康状態・気持ちの変化を丁寧に共有する
1歳児は体調の変化や気持ちの揺れが行動に現れやすい時期です。
検温の様子、食欲、眠たさ、甘えたい気持ちなど、細かな変化を職員間で共有することで、早めの対応につながり、子どもが安心して過ごせます。
「今日は少し眠たそうだったね」「外遊びが気持ちよさそうだったよ」などの小さな気づきも、子どもの姿を理解する大切な情報になります。
園と家庭の橋渡しをチームで行う
保護者への声かけや伝え方は、職員間で方向性をそろえておくことで、家庭にとって安心できる関係につながります。
衣服の調節、健康面、行事の参加などについて、園全体で共通した関わりができるよう意識していきます。
連絡帳の書き方や送迎時の伝え方も統一しておくことで、園と家庭の架け橋となり、信頼関係をより深めることができます。
12月の「やってみたい」「もっと楽しみたい」という気持ちは、職員一人ひとりのまなざしと丁寧な共有によって育っていきます。
チームで子どもの姿を振り返りながら、安心して過ごせる毎日を一緒につくっていきましょう。
おわりに
1歳児の12月は、「じぶんでやってみたい」「大好きな人と一緒に楽しみたい」という気持ちが、ゆっくりだけど、たしかにふくらんでいく時期だと思います。
その一方で、寒さや体調のゆらぎ、行事の多さなど、子どもにとっても大人にとっても、ちょっとあわただしくなりやすい季節でもあります。
だからこそ、月案づくりでは
「これができるようになったかどうか」ではなく、
「今、どんな気持ちで過ごしているのか」
「これからどんな経験を重ねていけたらうれしいか」
といった“気持ち”や“プロセス”にも目を向けていけると、日々の保育が少し楽になったり、あたたかく感じられたりするのかなと思います。
この記事で紹介した
- ねらい・内容
- 保育者の援助・環境構成
- 健康・食育・安全
- 家庭・職員間の連携
の文例は、そのまま使っても、言い回しを変えてもOK。
クラスの実態や、園ならではの雰囲気に合わせて、「うちのクラスだったらこうかな」と、しっくりくる形に整えてもらえたらうれしいです。
12月の一日一日が、子どもにとって
「やってみてよかった」
「ここにいると安心する」
と感じられる時間になりますように。
そして、忙しさの中にありながらも、保育者であるあなた自身が「このクラスと過ごす12月、悪くないな」「ちょっといいな」と思えるような、月案づくりのヒントになっていたら幸いです。
それでは、またやー!
レイジンのおすすめ本
「対話」から生まれる乳幼児の学びの物語―子ども主体の保育の実践と環境 (Gakken保育Books) | 大豆生田 啓友, 大豆生田 啓友 |本 | 通販 | Amazon
保育の場で子どもの心をどのように育むのか | 鯨岡 峻 |本 | 通販 | Amazon

コメント