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節分(豆まき)の鬼は不適切保育にあたるのか~子どもをあえて怖がらせようとする大人たち~

保育
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ハイサイ、レイジンです。

節分といえば、鬼というイメージがあると思います。

この鬼は、子ども達にとっては非常に怖い存在です。それもそのはず。桃太郎など童話などにたびたび出てきては、悪さを繰り返しているのですから。

節分(豆まき)で鬼が出てきて、子どもが怖がって泣きじゃくる光景を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

そして、中には子どもをあえて怖がらせようとする大人たちも。

しかし、保育現場でこの行為を行うと、不適切保育だといわれても仕方ありません。

今回は、豆まきで子どもを怖がらせる行為がなぜ不適切保育に当たるのかを、お伝えしていきたいと思います。

それでは、いってみよー!

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節分の鬼の由来

まず、節分における鬼とはどのような意味合いがあるのか確認してみましょう。

昔は、自然災害や疫病などの不幸な出来事は、鬼の仕業ととらえられていました。鬼は日本における邪悪な存在の象徴なのです。

そういった不幸な出来事を避けるために、鬼を払う行事として豆まきがあるのです。

豆まきの際に「鬼は外、福は内」と掛け声を上げることで、鬼を外に追い出し、家や地域に福を呼び込むという意味合いがあります。大豆をまくことで、鬼を嫌がらせ、悪いものを遠ざけると信じられているのです。

このような行事の意味合いを考えると、「鬼」の存在は不可欠なのではと思われますね。

節分(豆まき)で子どもを怖がらせる行為は、不適切保育に当たるのか

では、節分(豆まき)で大人が鬼になり、子どもを怖がらせる行為は不適切保育になるのでしょうか。

結論から言うと、不適切保育になる恐れがあります。理由を見ていきましょう。

理由①:トラウマになる恐れがある

「鬼が来るから登園を拒否する」「前回鬼に追いかけられたのが怖かったから、節分は行きたくない」などのエピソードはよく聞きます。

子どもたちは鬼や怖い存在に対する恐怖心を持っています。0歳児、1歳児はサンタさんも怖がるくらいです。未知のものにはただでさえ恐怖を感じる上に、表情も怖い鬼が近づいていきたら、かなり怖いことは間違いなし。それに加え、鬼がわざと怖がらせるという行為は、子どもがトラウマになる要素を十分に備えているといっていいでしょう。

理由②:安全面への影響

「わー、きゃー!」「びっくりして逃げたら、友達とぶつかってしまった」

急な驚きや怖がらせる行為が、子どもたちにパニックを与える場合があります。場合によっては転んだりけがをする恐れも。こうしたパニックをわざと引き起こす行為は、不適切保育と言えるでしょう。子ども達の安全を確保するためにも、予測可能で、子ども達が安心できる環境を提供する必要があるといえます。

理由③:保護者への信頼

「娘は嫌だ、来ないでと言っているのに、鬼にずっと追いかけられたといっています。」「それで、園に行きたくないそうです。」

わざと怖がらせる行為は、保護者からの信頼を損なう可能性があります。自分の子が嫌がっているのに対して、わざと怖がらせようとする保育者がいると考えると、保護者が不信感や怒りを感じるのも無理はありません。

節分(豆まき)で不適切保育になる行動

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不適切保育になる行動①:鬼を使って脅す

「言うこと聞かなかったら鬼さんに言うからね」「悪い子は、鬼さんに懲らしめてもらいます」

このような言葉かけが昔はよく行われていたのは事実です。ですが、このように鬼を使って子どもを脅すのは不適切保育です。これで一時言うことを聞く子もいるでしょう。子ども達は、自分の行動を鬼への恐怖によって抑えているだけで、理由などもわからないので意味がありません。大切なのは、子どもとの信頼関係をもとに、コミュニケーションを取りながら善悪の判断ができるようなアプローチです。

不適切保育になる行動②:怖がらせることを目的としている

「誰が一番怖がるかなー」「怖がらない子には、ちょっと声色も怖くしてみようかな」

そもそも、節分のねらいなど関係なく、怖がらせようとすることが目的になっていることも少なくありません。

泣かせることが目的となったり、泣いているのを見て笑っていたりなど「怖がることで子どもにどのような影響があるのかわかっていない」のです。

子どもをあえて怖がらせようとするのは言うまでもなく不適切保育。それらの行動を行う大人、保育者の心理状態や背景などを下記にまとめてみました。

子どもをあえて怖がらせようとすると大人の思惑とは

過去の経験から当たり前だと思い込んでいるから

「自分たちが子どもの頃は、鬼が追いかけて怖がらせていたよ」

節分や豆まきに対して、過去の経験から自分たちの世代の当たり前を理由に子どもを怖がらせようとする人もいます。大抵の人は、このパターンではないでしょうか。ですが、時代は変わり、子どもの人権の重要性が今まで以上に問われています。

『抱き癖がつく』と昔は言われていましたが、現在は間違いだということがわかっています。

抱き癖以外にも自分の過去の経験や教育環境から受けた影響を「普通」や「効果的」と見なしてしまうことがあります。しかし、時代とともにその年の当たり前も変わっていくのです。私たち大人も当たり前をアップデートしていかなければなりません。

恐怖心を乗り越えてほしい

「怖いものに立ち向かってほしい」「強くなった姿を見たい」

鬼と言えば、怖い存在だということは上記しました。それゆえ、子どもに対し、「怖い鬼に立ち向かって強さをみせてほしい」といった成長や挑戦、困難に立ち向かう力を豆まきに求めるといったパターンもあるでしょう。

しかし、嫌がっている子どもを怖がらせるのは話が別です。子どもの個別の性格や感受性、年齢によっては怖がりすぎる可能性があるのです。その場合は楽しい経験ではなく、逆にネガティブな影響を受けることがあるでしょう。

レイジンの娘は、未知のものや新しいことに過敏な傾向があります。これは兄とは違った特徴で、「鬼に追いかけられた」となっては、かなりのトラウマになる恐れがあります。なので、未知のものに対しては、「遠くで見ていていいよ」だったり、安心できる状況になってから一緒に取り組んだりして、少しずつ壁を取り除いていくといった形でかかわっています。

保護者や保育者は子どもの反応を観察し、適切なサポートと理解を提供することが大切なのです。

せっかくのイベントだから楽しみたい

「行事などは、普段とは違うイベントなのでせっかくだから楽しみたい。」

このような声も聞かれます。ただし、嫌がる子どもを怖がらせていいかは話が別です。先ほども述べた通り、大人は子ども達の個別の特性などを考慮したり、保育においては安心のある環境を提供しなければなりません。

「せっかくのイベントだから」というのは、大人の勝手な都合です。子どもの心に深い傷を負わせていい理由にはならないのです。

怖がった方が、そのあと子どもが言うこと聞くかも

「また鬼さん呼ぼうかな」

子どもの恐怖心を利用して、その後子どもをコントロールしようというパターンもあります。子ども達を恐れさせることで、自分の影響力を保とうとしたり、自分の意見や権威、立場を確立しようとしているのです。

ですが、鬼を使って脅すアプローチは、子どもたちに対して不安や不快感を引き起こすほか、長期的な信頼関係や発達に悪影響を与える可能性があります。明らかに不適切保育。

立場を変えてみましょう。上司に「言うこと聞かなかったら社長に言うからね」と言われたら、どのように感じますか。というか、この発言はパワハラそのものでしょう。

そういった言動を子どもにしているということです。

「わざと怖がらせる」→不適切保育という認識がない

「ん?子どもが怖がることの何が悪いの?」

怖がっている子に対して、わざと怖がらせるということを不適切だという考えが一切ない人もいます。

無知や無理解が原因です。子どもの心理や発達に関する適切な知識を持たず、怖がらせたことが原因で、子どもに傷を与えるなど1ミリも思っていたいため、誤ったアプローチを取る可能性があるのです。

不適切保育にならない節分行事の持ち方とは

では、不適切保育にならない節分行事(豆まき)の持ち方とはどのような方法があるのでしょうか。

鬼が登場しない

1つ目は、鬼が登場しないパターン。製作などで鬼のお面は作るなど、実際に登場しなくても鬼とのふれあいを楽しむことができます。

レイジンが5歳児の担任をしていた時は、子ども達にどのように豆まきを楽しみたいか考えたところ、「自分たちで大きい鬼を作って、豆を投げたい」という思いが子ども達から出たので、段ボールや空き箱を使って鬼を製作しました。

工夫次第で、節分の鬼を子ども達にイメージづけることができるのです。

怖い子は、遠くから見てもよい

「鬼を退治して、福を呼び寄せるという日本の文化を大切にしたい」という園もあるでしょう。そのいとや思いは尊重されるべきで、決して批判しようとは思いません。ただ、いけないのは、怖がる子に対しての配慮ができていないときです。

怖がる子に対して、「大丈夫!もっと近くで見てごらん」などとしていては、トラウマになるだけです。「怖い子は、遠くで見てもいいよ」や「優しい表情の鬼で子ども達と離れている」といったように、もし鬼に返送するならば、怖がる子が安心して過ごせるように配慮しなければいけません。

「怖いことはしない」といういことを事前に伝える

「怖いことはしない」と事前に伝えることも、子ども達が安心する材料の一つです。「鬼は来るけど、みんなのことを追いかけたりはしないよ」「遠くで見ているだけだから、豆を投げたらいなくなるよ」など、保育者が子ども達に安全なポイントをわかりやすく伝えることで、子ども達も安心して豆まきに取り組めることでしょう。

おわりに

ということで、今回は『節分(豆まき)の鬼は不適切保育にあたるのか』ということで、述べさせてもらいました。ポイントは、

大人の自己満足になっていないか

子ども達の気持ちに配慮しながら、行事を楽しめるようにしていきたいですね。レイジン一家は、節分行事をどのように行いたいか、子ども達に相談してみようと思います。

それでは、またやー!

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