ハイサイ、レイジンです。
4月は、新しい生活のスタートとなる特別な月ですね。子どもたちは、新しい環境や保育者に少しずつ慣れながらも、不安や緊張を感じることがあるでしょう。
この時期の保育では、一人ひとりの気持ちに寄り添いながら、安心して過ごせる環境を丁寧に整えていくことが大切です。生活のリズムを整えたり、保育者との信頼関係を築いたりする中で、「ここは安心できる場所なんだ」と感じられるようにしていきましょう。
この記事では、1歳児クラスの4月の月案作成に役立つ「ねらい」「内容」「保育者の援助」「環境構成」「健康・食育・安全」「家庭との連携」「職員間の連携」の文例やポイントを紹介します。
それでは、いってみよー!
1歳児・4月のねらいと内容
では、1歳児・4月のねらいと内容を見ていきましょう。
ねらい
○新しい環境や生活のリズムに慣れ、安心して過ごす。
○食事や排せつなどの生活の中で、「自分でやってみよう」とする気持ちが育つ。
○安全でのびのびと遊べる環境の中で、自由に体を動かすことを楽しむ。
○保育者と一緒に戸外で気持ちよく過ごす。
内容
・新しい環境に慣れ、機嫌よく過ごせるようになる。
・甘えや不安な気持ちを受け止めてもらいながら、保育者に親しみを持つ。
・一人ひとりの生活リズムを大切にしながら、無理なく過ごす。
・安心して眠れるよう、落ち着いた雰囲気の中で休息をとる。
・食事では、手づかみやスプーンを使いながら自分で食べようとする気持ちを育む。
・保育者に見守られながら、排せつの流れに慣れる。
・保育者と一緒に戸外遊びを楽しみ、のびのびと体を動かす。
・保育者に見守られながら、身近な自然や物に興味を持ち、触れて遊ぶ。
・保育者と一緒に好きな音楽を聴いたり、体を動かしたりして遊ぶ。
ねらい・内容のポイント
✅ 1歳児にとって、4月は新しい環境に慣れる大切な時期。安心して過ごせることが何より重要です。まずは保育者との信頼関係を築き、甘えや不安な気持ちを受け止めてもらいながら「ここは安心できる場所」と感じられるようにしましょう。
✅ 生活のリズムを整え、一人ひとりのペースを大切にすることがポイント。 無理なく園での生活に慣れられるよう、安心できる環境を整えます。
✅ 「自分でやってみたい」という気持ちを尊重することも大切。 食事や排せつなどの生活の中で、手づかみ食べやスプーンの使用、排せつの流れに少しずつ慣れていけるよう見守りましょう。
✅ のびのびと体を動かせる遊びを取り入れることもポイント! 戸外遊びや音楽遊びを通して、自由に体を動かしながら心も体も開放できる環境をつくります。
子どもたちが安心して楽しく過ごせるよう、信頼関係を築きながら一歩ずつ進んでいきましょう!
1歳児・4月の保育者の援助と環境構成

では、次に保育者の援助と環境構成を見ていきましょう。
保育者の援助
◎ できるだけ同じ保育者が受け入れを行い、保護者と離れる寂しさに寄り添いながら、なじみのある玩具やタオルなどを使って安心できる環境をつくる。
◎ だっこやおんぶなどのスキンシップを十分に取り、子どもとの信頼関係を築く。
◎ 疲れて眠くなった子どもが安心して休めるように、優しく体をさすったり、子守唄を歌ったりしながら落ち着ける環境をつくる。
◎ 子どもが安心して過ごせるように、ひとりひとりの「居場所」になっているかを温かく見守る。
◎ ひとりひとりの生活リズムに合わせて、食事時間を調整したり、静かな場所で休めるようにしたりして、無理なく過ごせるようにする。
◎ 「おいしいね」「いっぱい食べようね」など温かい声をかけながら、手づかみ食べやスプーンの使用を見守り、自分で食べようとする気持ちを大切にする。
◎ 便器やオマルに座っている友達の様子を一緒に見たり、「〇〇ちゃんもできるかな?」と声をかけたりしながら、トイレでの排せつに慣れるようにする。
◎ 戸外では危険のないよう見守りながら、園庭を自由に探索できるようにする。保育者の転がしたボールを追いかけるなど、安心して遊べる環境を整える。
◎ 子どもの好きなフレーズをいろいろな速さで読んだり、求めに応じて繰り返したりしながら、言葉に親しめるようにする。
◎ シャボン玉を吹いて見せ、子どもが興味を持って見たり、追いかけたりできるようにする。
◎ 子どものテンポに合わせて曲を弾いたり、一緒に歌ったりしながら、音楽を楽しめるようにする。
◎ 草花などの自然に触れたときの子どもの驚きや喜びに共感し、言葉を添えながら一緒に楽しむ。
◎ 子どもの遊ぶ様子を見守りながら、興味に応じて玩具の種類や数を入れ替え、遊びの幅が広がるようにする。
◎ 明るく聞き取りやすい声で歌い、手遊びの動作を大きくするなど、表情豊かに関わる。
環境構成
□ 安心して食事ができるよう、スプーンですくいやすい縁が深めの食器を用意する。
□ 自分で身支度ができるように、靴下や帽子を子どもが取り出しやすい場所に置いておく。
□ 手指を清潔に保てるよう、机にシートを敷き、手拭き用のおしぼりを準備しておく。
□ 落ち着いて休息できるよう、畳やパーテーションを利用してくつろぎの空間を作る。クッションやタオルケットなども用意する。
□ 安心して探索活動ができるよう、事前に危険物がないかを確認し、室内を整理整頓して広々とした空間を作る。
□ 戸外活動をスムーズに行えるよう、散歩車を清潔に保ち、ティッシュペーパーやおしぼり、湯茶、救急用品などを準備しておく。
□ さまざまな遊びが楽しめるよう、積み木・人形・ままごとセットなどをいつでも取り出せる状態にしておく。
□ 少人数で遊べるコーナーを設け、お気に入りの玩具や絵本を子どもの目線に配置し、自由に取り出せるようにする。
□ 身体を動かす遊びを楽しめるよう、子どもが持ちやすい大きさのボールを用意する。
□ トイレを楽しい雰囲気にするため、イラストを飾る。
□ 音楽に親しめるよう、季節の歌や手遊びの曲を用意し、子どものリクエストに応じて流せるようにする。
保育者の援助と環境構成のポイント
4月は、新しい環境に慣れ、安心して過ごせることが大切な時期。子どもたちが安心できるよう、丁寧に関わりながら環境を整えていきましょう。
✅ 安心できる関係づくり
新しい環境に不安を感じる子どもも多い時期。抱っこやスキンシップを大切にしながら、ひとりひとりの気持ちに寄り添いましょう。好きな遊びを一緒に楽しむことで、「ここは安心できる場所」と感じられるようにします。
✅ 生活の自立を支える
食事や着替えなど、「自分でやってみたい」気持ちが少しずつ育つ時期。子どもが自分で選んだり取り出したりできる環境を整えながら、無理のない範囲で見守り、できたことはしっかり認めましょう。
✅ 遊びを通して興味を広げる
春の自然にふれたり、歌や手遊びを楽しんだりしながら、季節を感じられる経験を大切に。お気に入りの遊びをじっくり楽しめる環境を整え、子どもたちの興味や関心を広げていきましょう。
子どもたちの様子に合わせて、無理なく取り入れてみてください。
健康・食育・安全について
続いて、健康・食育・安全についてみていきましょう。
健康
● 新しい環境で疲れやすいため、毎日の健康観察をていねいに行い、子どもたちの体調の変化に気を配る。
● 既往症やアレルギーなどの健康状態を事前に把握し、必要に応じてすぐ対応できるよう準備しておく。
● 生活リズムが整うよう、食事や睡眠の時間を安定させ、落ち着いて過ごせる環境をつくる。
● 気温の変化に合わせて衣服を調整し、汗をかいたらこまめに着替えができるようにする。
健康のポイント
4月は環境の変化による疲れが出やすい時期。子どもたちの体調や気分の変化を見逃さないよう、日々の健康観察を大切にしましょう。既往症やアレルギーの情報を把握し、安心して過ごせるよう配慮することも重要です。生活リズムを整え、無理のない範囲で楽しく過ごせるようにしましょう。
食育
◇ アレルギー対応食は、保護者・担任・栄養士がしっかり連携し、誤食を防ぐために複数担任で確認し合う。
◇ 子ども一人ひとりの食べる量や固さ、好みを把握し、安心して楽しく食事ができるようにする。
◇ スプーンの持ち方や食器の使い方を見守りながら、自分で食べる意欲を育てる。
食育のポイント
食事は子どもたちにとって楽しい時間。安全に配慮しながら、一人ひとりの発達やペースに合わせた食事環境を整えることが大切です。アレルギー対応は細心の注意を払い、保護者や職員間で情報を共有しましょう。また、自分で食べる経験を大切にし、見守りながら意欲を引き出すこともポイントです。
安全
★ 子どもたちが安心して探索活動を楽しめるように、保育室や園庭を点検し、危険な場所がないか確認する。遊具や玩具の破損もこまめにチェックする。
★ 室内外の玩具や遊具の安全点検を行い、整理整頓を心がけることで、事故を未然に防ぐ。
★ 転倒や誤飲などのリスクを減らすために、子どもの発達段階に合った環境づくりを意識する。
安全のポイント
新しい環境に慣れない子どもたちは、予想外の動きをすることもあります。事故を防ぐためには、安全確認を徹底し、危険なものが手の届く場所にないか常に意識することが大切です。また、整理整頓を心がけ、子どもたちが安全に過ごせる環境を整えましょう。
家庭との連携
◆ 送迎時や連絡帳を活用し、生活リズムや子どもの様子を保護者と共有しながら、信頼関係を築いていく。
◆ 入園・進級後にクラス懇談を行い、1歳児クラスの1年間の流れを伝えるとともに、保護者同士の交流の場を設け、安心感につなげる。
◆ 朝の持ち物の準備や荷物の置き場所について、分かりやすい案内を配布したり、保育室内に掲示したりして、保護者がスムーズに対応できるようにする。
家庭との連携のポイント
新しい環境に慣れるためには、家庭との連携が欠かせません。保護者が安心できるように、園での様子をこまめに伝えることが大切です。また、保護者同士のつながりを深める機会をつくることで、育児の不安を共有しやすくなります。園と家庭が協力し合い、子どもたちの成長を一緒に見守っていきましょう。
職員間の連携
* 前担任からの引き継ぎや個人面接、送迎時のやりとりを通して得た情報を職員間で共有し、子ども一人ひとりの状況を理解しておく。
* 時間差で勤務する職員同士が、子どもたちの様子や気になることを丁寧に伝え合い、スムーズに保育を進められるようにする。
* 食物アレルギーのある子どもの情報を、保育者・看護師・管理栄養士で共有し、誤食を防ぐための手順や配慮について確認し合う。
職員間の連携のポイント
子どもたちが安心して園生活を送るためには、職員同士の情報共有がとても大切です。特に、まだ言葉で自分の気持ちを伝えにくい1歳児だからこそ、食事・健康・生活リズムなど細やかに引き継ぎながら、チームで支えていきましょう。
おわりに
4月は、子どもたちも保育者も新しい環境に慣れるための大切な時期。不安や緊張を感じることもあるかもしれませんが、それは自然なことです。焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。
子どもたちは、保育者の温かいまなざしをしっかり感じ取っています。まずは、子どもたちの気持ちに寄り添い、一緒に過ごす時間を楽しむことから始めてみてください。
職員間や保護者との連携も、不安を軽減する大きな支えになります。困ったときは周りに相談し、チームで乗り越えていきましょう。
それでは、またやー!
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