ハイサイ、レイジンです。
厳しい暑さが続く8月。園庭に出られる時間が限られる日もありますが、冷たい水や氷、色水あそびなど、夏ならではの遊びを通して涼しさを感じたり、全身を使って開放的に楽しんだりする姿が増えてきます。
「もっとやりたい!」「じぶんで!」と気持ちを表しながら取り組む姿もあり、遊びを通して言葉や友達との関わりが広がっていく時期です。一方で、思いが伝わらず泣いたり怒ったりすることもあり、心の成長がぐんと伸びていく姿でもあります。
そんな一人ひとりの姿を大切に受けとめながら、夏の遊びを通して安心して自分を表現できる環境を整えることが大切です。
この記事では、2歳児クラス・8月の月案作成に役立つ
✅「ねらい」
✅「内容」
✅「保育者の援助」
✅「環境構成」
✅「健康・食育・安全」
✅「家庭との連携」
✅「職員間の連携」
の文例やポイントを紹介していきます。
「夏の遊びをどう取り入れたらいい?」「月案の文が浮かばない…」という方にも、すぐに役立つヒントが見つかるはず。
ぜひ最後までチェックして、日々の保育や月案づくりに活かしてくださいね。
それでは、いってみよー!
2歳児・8月におけるねらいと内容
では、2歳児・8月のねらいと内容を見ていきましょう。
ねらいの文例
○ 自分でできたことを喜び、身の回りのことに意欲的に取り組もうとする。
○ 保育者や友達と関わりながら、夏ならではの遊びをのびのびと楽しむ。
○ 身近な自然や生き物にふれ、興味や関心をもって関わろうとする。
内容の文例
・保育者に手伝ってもらいながら、身の回りのことを自分でやってみようとする。
・自分の持ち物が分かり、脱いだ衣服を畳んで片付けようとする。
・尿意や便意を知らせ、トイレでの排泄に挑戦する。
・友達や保育者と簡単なやりとりをしながら、一緒に遊ぶことを楽しむ。
・水や泥、氷、絵の具などを使った夏ならではの感触遊びを思いきり楽しむ。
・栽培した夏野菜にふれたり、収穫して味わったりすることを喜ぶ。
・のりや絵の具、フェルトペンを使って、自由に表現することを楽しむ。
・親しみのある音楽に合わせて体を動かし、表現する心地よさを味わう。
ねらい・内容のポイント
8月は暑さが厳しく、戸外での活動が制限されることもありますよね。そんな時こそ、夏ならではの遊びや体験をどう取り入れるかがポイントになります。
✅ 「できた!」を喜ぶ気持ちを育てる
衣服の始末やトイレなど、少しずつ自分でやろうとする姿が見られる時期です。うまくできた時の達成感を一緒に喜びながら、意欲につなげていきましょう。
✅ 友達や保育者と関わる楽しさを味わう
一緒に遊ぶ中で言葉のやりとりが増えたり、時には思いが伝わらずぶつかることもあります。その経験を通して、友達との関わり方を学んでいきます。
✅ 夏ならではの遊びを全身で楽しむ
水・泥・氷・絵の具など、季節感あふれる遊びを思いきり楽しめるのはこの時期ならでは。開放感のある遊びが、心も体ものびのびと育てます。
✅ 自然や食べ物への興味を広げる
育てた夏野菜を収穫して触ったり食べたりする体験は、食育にもつながります。身近な自然や生き物にふれることで「なんだろう?」「やってみたい!」という気持ちが育ちます。
✅ 自分なりの表現を楽しむ
絵の具やのりを使った製作、音楽に合わせた体の動きなどを通して、思いやイメージを表現することを喜びます。
暑さの厳しい時期でも、子どもたちはたくさんの経験を通して大きく成長していきます。保育者として「できた!」を一緒に喜びながら、安心して夏を楽しめる環境を整えていきましょう。
2歳児・8月における保育者の援助と環境構成

では、次に保育者の援助と環境構成を見ていきましょう。
保育者の援助の文例
◎ 自分でやろうとする姿を見守り、「がんばったね」「できたね」と共感して認めることで、自信につなげていく。
◎ 尿意や便意を知らせたときにはすぐに応じ、トイレでの排泄を見守り、安心して取り組めるようにする。
◎ 保育者も一緒に遊びに加わり、必要なときには言葉を補ったり代弁したりして、友達とのやりとりが広がるようにしていく。
◎ 水や泥など夏の遊びでは、保育者自身も楽しむ姿を見せ、遊びの心地よさや面白さを伝える。
◎ 野菜の生長や収穫の様子を知らせ、切り口の形や香りを一緒に感じることで、味わってみたい気持ちを引き出していく。
◎ 汚れや感触に抵抗を示す子には、友達が楽しんでいる姿を見せたり、少しずつ触れられるように声をかけたりして無理なく取り組めるようにする。
◎ 製作活動では、のりや絵の具の扱い方をそばで伝え、イメージを表現できるように言葉を添えていく。
◎ 親しみやすい音楽や簡単な振り付けを用意し、体を動かして表現する楽しさを味わえるようにする。
環境構成の文例
□ トイレは常に清潔にし、換気を行う。トイレットペーパーは1回分を切って子どもが取りやすい場所に置き、排泄に取り組みやすくする。
□ 排泄や生活習慣に親しめるよう、トイレや体に関する絵本を置いておく。
□ 水や泥、氷などを使った夏の遊びを楽しめるよう、バケツ・じょうろ・ペットボトル・空き容器など身近な素材を豊富に用意する。
□ 感触遊びを十分に楽しめるよう、さまざまな素材を準備しておく。
□ 栽培や収穫に使えるじょうろやカゴを用意し、収穫した野菜にふれて味わえる機会をつくる。
□ 製作を楽しめるように、画用紙・のり・水性ペンなど必要な材料を揃えておく。
□ 音楽に合わせて体を動かせるよう、広さを確保し、のびのびと表現できる環境を整える。
□ 活動後はゆったり休めるよう、風通しの良い場所にゴザを敷いたり、室内ではエアコンや扇風機を適切に使ったりして、快適に過ごせるようにする。
保育者の援助と環境構成のポイント
8月は暑さの厳しさの中でも、子どもが安心して挑戦や遊びを楽しめる環境づくりが欠かせません。具体的な工夫を意識することで、子どもの成長をぐっと支えられます。
✅ 挑戦する姿を丁寧に支える
「自分で!」という気持ちを大切にしながら、衣服の始末や排泄などを見守り、できた喜びを一緒に味わえるようにしましょう。できなかった部分はさりげなく援助し、次の意欲につなげます。
✅ 言葉のやりとりを助ける工夫
うまく表現できない時は、保育者が代弁したり言葉を添えたりして気持ちを届けるサポートをします。友達とやりとりを楽しむきっかけにもなります。
✅ 夏の遊びを安心して楽しめる準備
水・泥・氷などの素材をたっぷり用意しつつ、汚れや感触が苦手な子には小さな容器やタライから試せるよう工夫します。保育者も一緒に遊び、楽しさを伝えていきましょう。
✅ 自然や表現活動を広げる工夫
収穫した夏野菜を切って見せたり、香りを感じたりする体験を取り入れます。また、絵の具やのりの使い方を知らせ、イメージを形にする楽しさを支えていきましょう。
暑さの中でも「できた!」を一緒に喜び、安心して挑戦や表現ができる場を整えることが、夏ならではの保育のポイントです。
1歳児・7月における健康・食育・安全について
続いて、健康・食育・安全についてみていきましょう。
健康の文例
● こまめに水分をとれるよう、湯茶を十分に準備し、いつでも飲めるようにしておく。
● 室温や湿度をこまめに確認し、エアコンや扇風機を活用して熱中症を防ぐ。
● 汗をかいたら着替えやシャワーで清潔にし、快適に過ごせるようにする。
● 活動と休息のバランスを取り、無理のないように一人ひとりの体調を見守る。
健康のポイント
8月は厳しい暑さで、体調を崩しやすい季節ですよね。だからこそ、日々のちょっとした工夫が子どもたちの元気につながります。
✅ 水分補給のタイミングを決めておきましょう
「遊びの前後」「午睡のあと」など、活動ごとに湯茶を飲む時間をつくると安心です。子どもが自分でコップを取れるようにすると、意欲も育ちますよ。
✅ 熱中症を防ぐ工夫を忘れずに
室温や湿度をこまめにチェックして、エアコンや扇風機をうまく活用しましょう。外で遊ぶときは短時間・日陰を意識して、帽子も欠かせません。
✅ 汗をかいたらリフレッシュ!
着替えやシャワーを取り入れて、さっぱりした気持ちで過ごせるようにしましょう。タオルで拭いて清潔にするだけでも、子どもはとても心地よさを感じます。
✅ 体調の小さな変化を見逃さない
顔色や汗のかき方、食欲や午睡の様子などをよく観察してみてください。「ちょっといつもと違うな」と気づいたときに早めに休ませることが、安心につながります。ずに。
テントや遮光ネットで日陰をつくり、水分補給のタイミングを見ながら短時間で切り上げる工夫も必要です。遊びのあとはシャワーや濡れタオルで汗を流し、心も体もすっきりリセットしましょう。
食育の文例
◇ 収穫した野菜は新鮮なうちに調理し、味や香りを楽しめるようにする。
◇ 野菜の切り口やにおいを感じる機会をつくり、食べてみたいという気持ちにつなげる。
◇ 自分で収穫した野菜を味わい、食べる喜びや達成感をもてるようにする。
食育のポイント
8月は夏野菜がどんどん実る季節。収穫や味わいの体験を通して、子どもたちの「食べたい!」という気持ちを育てていきましょう。
✅ 収穫したらすぐに味わう体験を
新鮮なうちに食べると、甘みやみずみずしさを感じられます。「とれたてっておいしいね」と一緒に喜ぶことで、食への関心が広がります。
✅ 切り口やにおいを感じさせてみましょう
「どんな匂いがする?」「中の色は?」と声をかけながら、見て・触って・嗅いでみる体験をすることで、五感が刺激され「食べてみたい!」につながります。
✅ 自分で収穫したものは特別
自分の手で採った野菜は、苦手な子でも「ちょっと食べてみようかな」と挑戦するきっかけになります。達成感も得られる大切な食育です。
安全の文例
★ プール遊びでは、気温・水温・水位・塩素濃度を確認し、安全に配慮して実施する。
★ 園庭では裸足で過ごすことが多いため、周辺に危険物やとがったものがないか点検し、取り除いておく。
安全のポイント
8月は水遊びやプールあそびが増える時期。楽しい活動だからこそ、安全に配慮する視点が欠かせません。ちょっとした準備や確認で、安心して夏を楽しめますよ。
✅ プール遊びは事前チェックを忘れずに
気温・水温・水位・塩素濃度を確認してから活動を始めましょう。「今日は大丈夫かな?」と大人がしっかり見極めることが、事故防止につながります。
✅ 裸足で遊ぶときは園庭の点検を
夏は裸足で駆け回る姿もよく見られます。園庭にとがった石や枝、危険な物が落ちていないか確認し、安心して走り回れる環境を整えておきましょう。
2歳児・8月における家庭との連携の文例
◆ 夏に流行しやすい感染症(手足口病・プール熱・とびひなど)について、園便りや掲示で知らせ、予防や早期受診の大切さを伝える。
◆ 子どもの健康状態に異変がある場合は、登園時や連絡帳で知らせてもらい、園と家庭で共有できるようにする。
◆ できるようになった身の回りのことを日々伝え、園と家庭で成長を共に喜び合えるようにする。
◆ プールや水遊びで体力を消耗しやすいため、十分な睡眠と朝食の大切さを家庭に伝える。
◆ 汗をかく機会が増えるので、脱ぎ着しやすい衣服や着替えを多めに準備してもらう。
家庭の連携のポイント
8月は暑さや水遊びで体力を消耗しやすく、感染症も流行しやすい季節です。園と家庭がしっかりつながることで、子どもたちが安心して夏を過ごせますよ。
✅ 感染症への意識を高めましょう
手足口病・プール熱・とびひなど、夏に増える感染症は早めの対応が大切です。園便りや掲示でお知らせし、ご家庭でも予防や受診の目安を共有していきましょう。
✅ 健康状態をこまめに伝え合う
「ちょっと元気がない」「食欲が落ちている」など、些細な変化でも園に伝えてもらえると安心です。園と家庭が情報を共有することで、一人ひとりの体調をしっかり見守れます。
✅ 成長を一緒に喜ぶ
「自分で着替えられた」「トイレに行けた」など、園での成長を伝えると、ご家庭でもしっかり認めてもらえます。園と家庭が同じ視点で子どもを見守ることが、意欲につながります。
✅ 生活リズムと衣服の準備を工夫する
夏は体力の消耗が大きいので、十分な睡眠と朝食が欠かせません。また、着替えの回数も増える時期なので、脱ぎ着しやすい衣服や替えを多めに準備してもらえると安心です。
7月も、園と家庭がチームとなって、子どもたちの毎日を支えていきましょう。
2歳児・8月における職員間の連携の文例
* 収穫した野菜を新鮮なうちに提供できるよう、調理方法や衛生管理について給食担当者と確認し合う。
* 夏に流行しやすい感染症が発生した際には、園全体で対応が統一できるよう事前に話し合っておく。
* 水や泥などの感触が苦手な子どもの様子を共有し、無理なく遊びに取り組めるような配慮の方法を検討する。
* プールや水遊びでは安全管理を徹底できるよう、担当や役割分担を確認し合い、全員で意識をそろえておく。
職員間の連携のポイント
8月は水遊びやプール、夏野菜の収穫など行事や活動が盛りだくさん。そのぶん職員同士が情報を共有し、連携をしっかりとることが大切になります。
✅ 給食担当者との連携を忘れずに
収穫した野菜は新鮮さが命。調理方法や衛生面について事前に話し合っておくことで、安心して子どもたちに提供できます。
✅ 感染症対応を園全体で統一する
夏は感染症が広がりやすい季節です。もし患児が出た場合に備えて、園としての対応方法を事前に確認し合いましょう。
✅ 苦手な子の姿を共有する
水や泥などが苦手な子もいます。その日の様子を職員同士で報告し合い、「どんな配慮ができそうか」を話し合うことで、無理なく楽しく遊べる環境につながります。
✅ 安全管理はチームで意識を合わせて
プールや水遊びは楽しい分、危険も伴います。担当や役割分担を事前に確認し、みんなで子どもの安全を見守れる体制を整えましょう。
おわりに
8月は暑さも厳しく、体調管理や安全面に気を配りながら保育を進めるのは本当に大変ですよね。思い通りにいかない日もあるかもしれませんが、子どもたちはその中でも確実に「できた!」を積み重ね、成長しています。
そんな小さな一歩を一緒に喜び、安心して挑戦できる環境を整えていくことこそ、保育者の大きな力です。この記事が、みなさんの日々の保育や月案づくりのヒントとなり、「あ、これ取り入れてみよう!」と思えるきっかけになれば嬉しいです。
子どもたちと過ごす夏は、一瞬一瞬が特別な時間。どうぞ無理をせず、自分自身の体調も大切にしながら、この季節ならではの保育を楽しんでくださいね。
それでは、またやー!
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