ハイサイ、レイジンです。
暑さが本格的になり、水や氷に触れたり、冷たい感触を楽しんだりと、夏ならではの遊びを通して心も体も開放的に過ごす姿が増えてきました。
身近な自然や生き物にも興味をもち、「これ?」「んー!」と指をさしたり、触れようとしたりするなど、全身で感じようとする時期です。少しずつ言葉やしぐさで気持ちを伝えるようになってきますが、思いがうまく伝わらず、泣いたり怒ったりする姿も見られます。
そんなひとつひとつの姿を、心の育ちとして温かく受けとめながら、安心して自分を出せる環境づくりが大切になります。
この記事では、1歳児クラス・7月の月案作成に役立つ
✅「ねらい」
✅「内容」
✅「保育者の援助」
✅「環境構成」
✅「健康・食育・安全」
✅「家庭との連携」
✅「職員間の連携」
の文例やポイントをたっぷり紹介します!
「1歳児の7月って、どんなふうに関わればいい?」「月案の文がなかなか思いつかない…」という方にも、すぐに使えるヒントが見つかるはず。
ぜひ最後までチェックして、日々の保育や月案づくりに役立ててくださいね。
それでは、いってみよー!
1歳児・7月におけるねらいと内容
では、1歳児・7月のねらいと内容を見ていきましょう。
ねらいの文例
○手づかみやスプーンに挑戦しながら、自分で食べようとする気持ちを育てる。
○ズボンやパンツに手をかけるなど、着脱への興味や意欲を大切にする。
○排泄の流れを少しずつ知り、トイレへ向かおうとする。
○安心できる雰囲気の中で気持ちを落ち着け、心地よく眠る。
○水や泥など、さまざまな感触にふれながら心地よさを感じて楽しむ。
○保育者と一緒に水遊びを楽しみ、夏の遊びに親しむ。
内容の文例
・手づかみやスプーンを使って食べようとし、こぼしながらも自分で食べることを楽しむ。
・ズボンやパンツに手をかけて、自分で脱ごうとする気持ちをもって取り組む。
・誘われてトイレに行き、オマルや便器に座ることに慣れていく。
・落ち着いた雰囲気の中で気持ちを整え、安心して眠ろうとする。
・水や泥、絵の具などにふれながら、感触の面白さや心地よさを味わい、意欲的に関わる。
・水や玩具に興味をもち、自分からかかわりながら水遊びを楽しむ。
ねらい・内容のポイント
暑さがぐっと増してくる7月。
1歳児の子どもたちは、身のまわりの環境に興味をもち、さまざまな感触や素材にふれながら遊ぶことを楽しむようになってきます。
水や泥、氷など、ひんやりした夏の素材に少しずつ慣れ、「さわってみようかな?」という気持ちが芽生える時期です。
また、「じぶんで!」という思いが少しずつ育ち、スプーンで食べようとしたり、ズボンに手をかけたりする姿も見られますね。
言葉はまだ少なくても、「やりたい」「いや!」といった気持ちを全身で表現する1歳児。そんな一人ひとりの思いを丁寧に受けとめながら、安心して過ごせるように関わっていきたいところです。
✅ 暑さに配慮しながら、こまめな水分補給や休息を取り入れて、体調を整えていく。
✅ 「じぶんでやりたい」気持ちを大切にし、スプーンや着脱などの場面で、自分なりに挑戦できるよう見守る。
✅ 水や氷、泥などの夏ならではの素材にふれ、感触のおもしろさや心地よさを味わう。
✅ トイレや排泄の流れに少しずつ慣れていけるよう、誘いながら関わっていく。
✅ 思いが伝わらず泣いてしまうこともある時期。一人ひとりの気持ちに丁寧に寄り添い、安心できる関係を築いていく。
1歳児の「やってみたい!」と「安心したい」気持ちを大切に、無理のないペースで夏の保育を重ねていけるといいですね。
1歳児・7月における保育者の援助と環境構成

では、次に保育者の援助と環境構成を見ていきましょう。
保育者の援助の文例
◎一人ひとりの食べたい気持ちに寄り添いながら、「おいしいね」などの声かけを通して、スプーンや手づかみで食べる楽しさが感じられるようにする。
◎ズボンやパンツを自分で脱ごうとしているときはそばで見守り、「てつだおうか?」など、気持ちを尊重しながら必要に応じて介助する。
◎遊んでいたい気持ちを受けとめつつ、排尿間隔をふまえてトイレに誘い、「出るかな?」などやさしい声かけで排泄への関心が向くようにする。
◎子どもの生活リズムに合わせて、絵本や子守歌で落ち着ける雰囲気をつくり、背中をなでるなど安心して眠れるよう寄り添う。
◎水や泥、絵の具などの感触に保育者もいっしょにふれながら、「ぬるぬるだね」などのことばで気持ちに共感し、無理なく関われるようにする。
◎保育者も水に触れて一緒に遊び、「つめたいね」「パシャパシャしてるね」など声をかけながら、心地よさや楽しさを共有できるようにする。
◎こまめに水分補給や休息の時間を取り入れ、熱中症に配慮しながら夢中で遊べる環境を整えていく。
◎気温や活動量に応じてこまめに水分補給を行い、熱中症に配慮しながら、夢中になって遊べる環境を整える。
環境構成の文例
□スプーンやフォークを使って食べやすいように、子どもの手に合ったサイズのものを用意し、こぼしても安心して食べられるようテーブルに滑り止めマットなどを敷いておく。
□ズボンやパンツは、自分で手に取りやすいようにロッカーに並べておき、「やってみようかな」と思える環境を整えておく。
□トイレには、子どもたちの好きな動物の飾りや、涼しげな雰囲気の装飾をして、入りやすい空間にする。排尿の記録表は保育者がすぐ見られる場所に貼っておく。
□眠くなるタイミングは一人ひとり違うので、風通しのよい静かな場所に布団を準備し、いつでも横になれるようにしておく。室温や湿度はエアコンや扇風機で心地よく調節する。
□絵の具やスタンプ、スポンジなどの素材をたっぷり用意して、いろいろな感触にふれられるようにしておく。床が濡れたときにすぐ拭けるよう、雑巾もそばに置いておく。
□水遊びの場所には日陰になるようにネットを張り、遊んだあとのタオルや着替えも事前にそろえておき、気持ちよく過ごせるようにする。
保育者の援助と環境構成のポイント
7月は、水や泥、野菜など、夏ならではの素材にふれながら季節を楽しむ時期。
一方で、暑さや疲れから体調を崩しやすくもなる季節です。1歳児の「やってみたい!」という気持ちに寄り添いながら、無理なく心地よく過ごせるようにしていきたいですね。
① 暑さや体調の変化に気を配りながら、安心して過ごせる環境を整えていく
室温や湿度をこまめに調整したり、水分補給のタイミングを意識したりしながら、子どもが無理なく活動できるようにしていきましょう。午前中や食後などに眠くなる子もいるので、静かで涼しいスペースに布団を準備しておくと安心です。食欲が落ちているときは、のどごしのよい献立や、やさしい雰囲気の中で食事を楽しめるような工夫も大切ですね。
② 「じぶんでやってみたい」気持ちに寄り添いながら生活面の自立を支える
着替えや排せつ、食事の場面で、自分なりにやろうとしている姿があれば、まずはその気持ちを受けとめてあげたいですね。ズボンを脱ごうとしていたり、スプーンをにぎって食べようとしていたら、必要に応じてそっと手を添えたり、「がんばってるね」とことばをかけたり。うまくいかないときも、そばで安心できる大人がいることで、挑戦しようとする気持ちが育っていきます。
③ 夏のあそびをいっしょに楽しむ中で、気づきや驚きに寄り添う
水や泥、絵の具などの感触遊びでは、保育者もいっしょになって楽しむ姿勢を大切にしましょう。「つめたいね」「気持ちいいね」とことばを交わしながら、子どもの表情や動きをしっかり受けとめていくことが、安心感にもつながっていきます。水遊び後のシャワーや着替えなども、事前の準備を整えておくことで、気持ちの切り替えがスムーズになりますよ。
7月も、子どもたちの小さな「やってみたい」と「ちょっとつかれた」のサインを見逃さず、気持ちに寄り添った毎日を積み重ねていきましょう。
1歳児・7月における健康・食育・安全について
続いて、健康・食育・安全についてみていきましょう。
健康の文例
● プールや園庭では、テントや遮光ネットを使って日陰をつくり、直射日光を避けながら快適に遊べるようにする。
●汗をかいたあとは、やさしくふき取ったりシャワーを使ったりして、肌を清潔に保つようにする。
●気温や活動の様子に応じてこまめに水分補給を行い、無理のないペースで過ごせるようにする。
健康のポイント
🟩 こまめな着替えで肌をすっきり清潔に
たくさん汗をかく1歳児の夏。肌トラブルを防ぐためにも、汗をかいたあとはこまめにシャツや肌着を替えて、さっぱり過ごせるようにしましょう。
「気持ちよくなったね」「さっぱりしたね」と声をかけることで、着替え=心地いいことと感じやすくなります。
🟩 水分補給は“のどがかわく前”がポイント
気温が高い日は、まだのどの渇きを言葉で伝えにくい1歳児にとって、水分補給のタイミングがとても大切。
遊びや活動の前後だけでなく、目につくところにコップやマグを置いておくことで、自分から飲もうとする姿にもつながっていきます。
🟩 おむつ替えや着替えのタイミングで肌チェック
汗や蒸れで、あせもや湿疹が出やすくなる季節。おむつ替えや着替えのときに、背中や首もと、股まわりなどをさりげなくチェックしておくと、早めのケアにつながります。
肌の状態は日によっても変わるので、毎日の小さな気づきが大切です。
🟩 外遊びは日陰や休憩をうまく取り入れて
水遊びや園庭あそびは、しっかり楽しみながらも暑さ対策を忘れずに。
テントや遮光ネットで日陰をつくり、水分補給のタイミングを見ながら短時間で切り上げる工夫も必要です。遊びのあとはシャワーや濡れタオルで汗を流し、心も体もすっきりリセットしましょう。
食育の文例
◇育てたトマトやキュウリなどの夏野菜を一緒に収穫し、「これなあに?」「さわってみたい!」という気持ちを大切にしながら、食材への関心を育てていく。
◇野菜の色や形、においなど、五感を使って楽しめるように声をかけたり、保育者も一緒に驚きや発見を共有しながら、食への興味を広げていく。
食育のポイント
🟨 収穫は見て・さわって・におって楽しもう
トマトやキュウリなどの夏野菜を収穫するときには、見た目の変化や手ざわり、においなど五感を使った体験を大切にします。
「ツルツルしてるね」「葉っぱのにおい、してきたね」など、ことばを添えることで、子どもたちの気づきがゆっくりと広がっていきます。
🟨 年上の子のまねっこから始まる“やってみたい”
年長児や保育者が水やりや収穫をしている姿に自然とひかれ、「じぶんもやってみたい」という気持ちが芽生える時期。
ジョウロを持って一緒に水やりをしたり、収穫かごを触ってみたりするところから、楽しさにつながる関わりを大切にしたいですね。
🟨 「これ、さっきの野菜だよ」と食とつなげて伝えよう
給食やおやつの時間に、「これはさっき触ったトマトだよ」「収穫したキュウリが入ってるよ」と伝えることで、「食べてみようかな」という気持ちが育ちます。
口に入れる前ににおいをかいだり、ちょっとさわってみたりするのも、1歳児らしい食育のひとコマです。
安全の文例
★プール遊びや水遊びでは、裸足になることが多くなるため、滑りやすい場所にはゴザやマットを敷いて、安全に過ごせるようにする。
★遊ぶ前には、床や地面に危険なものが落ちていないかを確認し、安心して活動できるように点検を行う。
★日差しや熱中症にも注意し、遊びの時間や場所、子どもの体調に合わせて無理なく楽しめるようにする。
★水に対する不安のある子や、急な動きが難しい子にも目を配り、一人ひとりのペースに合わせて安全に参加できるよう配慮する。
安全のポイント
🟥 裸足になる場所は事前チェックを忘れずに
水遊びやプールでは裸足で過ごすことが多くなるため、床や園庭に小石や危険物が落ちていないかを丁寧に確認しておきましょう。滑りやすい場所にはマットやゴザを敷いて、安全に遊べる環境を整えます。
🟥 日陰の確保で体温上昇を防ごう
暑さが厳しくなる時期は、テントや遮光ネットでしっかりと日陰をつくっておくことが大切です。水遊びや戸外あそびに夢中になる1歳児でも、体に負担がかからないように環境を整えていきましょう。
🟥 子どもの動きや様子に合わせて対応を
水や遊具への反応には個人差があります。怖がっている子や、急な動きが難しい子には無理なく関われるような配慮を。安心して参加できるよう、保育者がそばにいて見守ることが大切です。土台です。
夏の活動をのびのびと楽しめるよう、保育者自身も日々の点検や声かけを丁寧に積み重ねていきたいですね。
1歳児・7月における地域・家庭との連携の文例
◆感染症の流行状況については、掲示やおたよりでこまめにお知らせし、体調の変化があった際には早めの受診や休養につなげてもらえるよう声かけを行う。
◆プールや水遊びを安心して行えるよう、朝の健康チェックや入水の可否を家庭と確認し合い、記入表などを通じて体調を共有する。
◆行事や水遊びなどで必要な持ち物や日程については、掲示や連絡帳を活用して事前にわかりやすく伝え、準備しやすいよう配慮する。
◆お祭りごっこや地域の催しについては、保護者にも内容を伝え、家庭でも楽しみにしてもらえるような雰囲気づくりを大切にする。
地域・家庭の連携のポイント
夏本番に向けて、園と家庭の連携がますます大切になる時期です。
水遊びや行事、体調管理など、保護者とこまめにやりとりを重ねながら、子どもたちが安心して過ごせる環境を一緒につくっていきましょう。
🟦 着替えや持ち物は季節に合わせて柔軟に対応
汗をかいたり、水にぬれたりすることが増えるこの時期は、着替えやタオルのストックがあることで安心して過ごせます。
園での様子を伝えながら、家庭でも準備しやすいよう丁寧にお願いしていきましょう。
🟦 毎朝のやりとりで、体調と活動の見通しを共有
水遊びやプールの実施については、健康カードや連絡帳などを活用して、家庭とその日の体調を確認します。
「今日はどうだった?」「ちょっと疲れてるかもね」など、やさしいやりとりを通じて、子どもにとって無理のない活動につなげていきたいですね。
🟦 行事や感染症のお知らせは、早めに・わかりやすく
地域の行事や園内のイベント、感染症の情報などは、おたよりや掲示を通して早めに伝えていきます。
「楽しみにしてます!」と感じてもらえるような雰囲気づくりを意識しつつ、参加や体調面の相談もしやすい関係を大切にしていきましょう。
保護者と「気になることをすぐに共有できる関係性」は、子どもたちの健やかな夏を支える大きな力になります。
7月も、園と家庭がチームとなって、子どもたちの毎日を支えていきましょう。
1歳児・7月における職員間の連携の文例
*保護者から得た体調や生活の情報をクラス内で共有し、一人ひとりの健康状態に応じた対応ができるようにしておく。
*とびひやプール熱など、夏に見られやすい感染症への対応について、園内での共通理解を図り、保育中も注意深く観察する。
*水の事故防止に向けて、活動前に職員間で流れや役割分担を確認し、安全な環境づくりを意識して水遊びを進めていく。
職員間の連携のポイント
🟩 「水あそび」の安全はチームの段取りから
プールや水遊びの時間は、楽しい反面リスクも伴います。活動前に職員間で動き方や配置、声のかけ方などを共有しておくことで、事故やヒヤリを防ぐことにつながります。誰がどこを見て、どのタイミングで動くかを明確にしておくことが大切です。
🟩 健康状態は“担任外の目”も大切に
夏は疲れやすく、体調の変化も出やすい時期。担任だけでなく、他の職員ともこまめに「今朝ちょっと元気ないかも」「食事の進みがゆっくりだね」など、ささいなことも共有しておくと、早めの対応がしやすくなります。
🟩 夏の感染症は情報と意識の共有から
とびひやプール熱など、夏に増える感染症については、発生時の対応や保護者への伝え方を職員間で事前に確認しておきましょう。「こういう症状の子がいたらどうする?」を共通認識しておくことで、安心して対応できます。
おわりに
1歳児の7月は、夏ならではの遊びや生活の中で、「やってみたい!」「気持ちいい!」という心の動きがぐんと広がる季節。
まだまだことばで伝えるのが難しい時期だからこそ、子どもたちの小さなサインに気づき、温かく受けとめる関わりが大切になります。
今回紹介した文例やポイントが、月案づくりや日々の保育のヒントになればうれしいです。
これからも、子どもたちの「やってみたい!」と「安心したい」気持ちのどちらにも寄り添いながら、チームで楽しく夏の保育を進めていきましょう!
それでは、またやー!
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