ハイサイ、レイジンです。
今回は『劇遊びの進め方』についてお話しさせてもらおうと思います。
劇遊びの進め方って、最初はどこから手を付けたらよいかわからないですよね。
ですが、保育者主導で進めすぎても、子ども達の主体性は育ちません。
子ども達が主体的に劇遊びにかかわり、思い切り表現を楽しめるような援助の方法をお伝えしてい来たと思います。
発表会関係は、コチラの記事もどうぞー
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それでは、いってみよー!
劇遊びの流れ
基本的に劇遊びは以下の流れになります。特に5歳児は子ども達が主体となって進めていきます。保育者はあくまでも子どもたちの意見を書いてまとめたり、サポートするという立場ですねー。
①導入 ②題目を選ぶ ③役を決める ④話の展開や登場人物のセリフ、動きを確認する ⑤演技に取り組む ⑥小道具や衣装を決める・作る(無理のない範囲で) ⑦お客さんにみてもらう
これまでの経験や、子ども達の発達を加味して保育者の援助方法も変わってきます。4歳児だと保育者が意見を伝えていく場面も増えてくるでしょう。ですが、決して「劇遊びは○○にするからね」「あなたの役は~ね」などと、保育者主導で全て決めていくのはやめましょう。子ども達の学びを奪ってしまうことになります。
子ども達が主体的に劇遊びを進めるための方法
子どもたちが主体的に劇遊びを進めていくうえで、レイジンが考える大切なポイントが2つあります。それが、
〇自分たちで選ぶ 〇話し合いを大切にする
です。
上のポイントを意識しながら、流れに沿ってみていきましょう。
①導入
劇遊びをするうえで、導入の方法はいろいろあると思います。レイジンは、普段から絵本の読み聞かせの際に劇遊びを取り入れていました。そこから子どもたちの「このお話で劇遊びしてみたい」という意欲が引き出されていました。
ほかにも、昨年の発表会のことを話題にすると、前年の年長児が行っていた劇遊びを思い出し、「自分たちもやってみたい」と興味を持つなどといった方法もあります。
それぞれの園やクラスの方法で、劇遊びに対して子ども達自ら「やってみたい」という気持ちを持つことが大切になってきます。
②題目を選ぶ
劇遊びをやりたいとなったら、次は題目決めです。これも、保育者が「これをやろう」とすぐに決めるのではなく、自分たちでやりたいお話を選んでいきます。
・絵本コーナーに探しに行く ・これまで読んできた絵本の中で、思い入れのある題材を選ぶ。 ・自分たちの興味のあるもの(虫や動物、宇宙など)や遊びをもとに考える
など子ども達が進めていくだけでも、様々な方法が考えられます。なぜそのお話がいいのか、子ども達が皆に説明する場を持つと、プレゼンのような経験にもなるし、他の友達の納得感も得やすいでしょう。
保育者は、
・子ども達の案を書いてみせる ・みんなでできるような題材か確認する ・アレンジ(登場人物を増やす、それぞれの個性を引き出せる)できるかどうかなど子ども達と相談する
など意見をまとめたり、サポートをしていきます。
③役を決める
題材が決まったら次は役決めです。ここも、保育者が決めるのではなく、子ども達が自分たちでやりたい役を話し合って決めます。「○○の役は誰がする?」「○○の役が足りないんだけど、だれかやってくれない?」「じゃんけんで決めよう」など子どもたちなりに話し合いを通して、目的に向かったり、自分たちで気持ちを調整したりすることができるでしょう。
登場人物を増やすなど話をアレンジする場合も出てくると思います。保育者は、人数のバランスなどがおかしかったら子ども達に困り感として問いかけていきましょう。
④話の展開や登場人物のセリフ、動きを確認する (シナリオ作り)
役が決まったら、役に分かれて話の展開やセリフ、動きの確認をしていきます。
保育者は、「おじいちゃんってどういう感じで立っているの?」など子ども達が自ら気づけるような言葉をかけていきましよう。子どもの案も積極的に取り入れられるような雰囲気づくりも大切です。
⑤演技に取り組む
演技に取り組んでいくことで、子ども達もセリフや動きが固まってきます。役ごとにできるようになったら、様子を見て全体やグループを増やして演技できるようにしていきましょう。この時も、「自分たちのところはできるようになったね。次はどうする?」と問いかけていくことが大切になってきます。
⑥小道具や衣装を決める・作る(無理のない範囲で)
演技を進めていく中で、子ども達は必要な小道具や衣装の存在に気づいていくと思います。「先生、○○が必要だよ」と声をかけられたら、「そうだね、どうしたらいいんだろう」と子どもに尋ねていきましょう。きっと、「作ったらいいんじゃない?」と言ってくれると思います。そうすると、小道具づくりに発展していきます。
もし、気づかない場合は、「おじいさんって何か持っているの?」など子ども達が気付きやすい言葉をかけてあげましょう。
⑦お客さんにみてもらう
ある程度劇が出来上がったら、お客さん(他クラスの友達や年下の友達、先生方)に観てもらうことも大切です。お客さんに認めてもらうことで自信をつけたり、「もっとこうしたほうがいいんじゃない」と他者から見た気付きを活かすこともできます。
他者の視点を生かすことは、これから大きくなっていく中でも必要な力になってきます。そういった経験も劇遊びで得ることができたらなと思います。
もしお母さんやお父さんに見せたいという思いがあるなら、発表会などを設け、子ども達の発表の場を与えていきましょう。
発表会は、大きな行事で最初から組まれていることと思いますが、レイジンは、例年、発表会の存在は知らせていません。子ども達の「見せたい」という思いを聞いてから、「そのような場を設けよう」と子どもたちに伝えるようにしています。
援助のポイント
では、ここからは劇遊びを行う際の保育者の援助のポイントをお知らせしていきたいと思います。
子ども達の個性を生かす
1つ目が、劇遊びで子ども達の個性を生かすということ。子ども達にどのような個性があるか例を挙げると
・優しさのある子 ・真面目な子 ・イメージ力が豊かな子 ・ユーモアがある子 ・自分の思いを素直に伝えられる子 ・絵が好きな子 ・体を動かすことが好きな子 ・話すのが好きな子 ・字を書くのが好きな子
といったように、一人ひとり特徴や好きなものが違います。
劇遊びだと、演じる部分だけに注目が集まりがちですが、
・友達のことを気遣う ・練習に一生懸命取り組む ・役に合った動きを考える ・面白いことを言って場を和ます ・「こうしたほうがいいんじゃない」と良くなるために必要なことを周りに伝える ・小道具づくりを率先して行う ・みんながわかりやすいようにシナリオを書く
といったことも必要な部分です。保育者は、それぞれが個性を生かして、劇遊びに取り組んでいる部分を認めていき、一人一人が大事な役割だということを感じられるような配慮をしていってほしいなと思います。
誰にでも苦手なことはある
劇遊びでは、どうしても人前に出るということが出てきます。しかし、子どもの中には、人前に出るのが苦手という子もいます。演じるのが苦手という子もいます。運動が苦手という子もいます。大人だってそうでしょう。完璧な人などいません。
しかし、発表会などになると、無理強いをしてでも苦手なことに取り組ませようとする園も少なくはありません。
苦手を克服できるのならいいでしょう。しかし、それがトラウマになっては元も子もありません。
人間には苦手なこともあるということを認めていき、「友達と一緒なら前に出れる」「演じるのは苦手だけど、歌を歌うところは頑張る」などの工夫をすることが大切になってきます。
見映えを気にしすぎない
劇遊びは人に見せるということもあり、見映えを大きく気にしすぎてしまうこともよく見られます。人前に出るから、繰り返し練習させる、嫌がっていることを無理やりやらせるといったことは、不適切保育につながりかねません。
保育は大人や保護者に診てもらうために行うのではありません。子ども達の生活や遊びをサポートしたり、促進させるために行うのです。子どものためです。
先生が見映えを気にしすぎてしまうと、子ども達も劇遊びが楽しくなくなってしまいます。
しかし、お客さんがいるのも事実。子ども達にお客さんの視点も問いかけてみましょう。
「お客さんが前で座ってみているけど、みんなはどういう風に待っていたらいいと思う?」
きっと子ども達も答えを出してくれるはずです。
おわりに
ということで、今回は『子どもたちが主体的に劇遊びを進める方法』について、述べていきました。
保育者があれもこれも指示してしまっては、せっかくの劇遊びがもったいない。子ども達の「やりたい」という思いを大切にしながら、遊びを進めていってほしいと思います。
それでは、またやー
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