ハイサイ、レイジンです。
今回のブログは、皆様の子育てを窮地に追い込む「ちゃんとさせなきゃ」についてです。
子育てしてて「何故か自分イライラしているな」「うまくいかないな」と思うことありませんか。レイジンにはよくあります。その時は「くそー」「なんでうまくいかないんだ」とか思っていますが、後に冷静に自分の思いや行動を振り返ってみると原因が見えてくるんですよね。
その原因の1つに、子どもに対して「ちゃんとさせなきゃ」という思いがあります。現在は情報型社会。巷には子育ての情報が溢れ、スマホ1つで様々なことが調べられます。
子どもにとって何がいいのか、何が正解なのか、スマホで検索するのが主な手段となっているのではないでしょうか。便利になっている社会、それをするなという方が酷なものです。子どものためを思っていしていることで悪い事ともいえません。
ただし、子どもに正解を追い求めしすぎてしまうと、子ども、そして親自身も苦しめることにもつながります。
今回は「ちゃんとさせなきゃ」が、うまくいかない理由について話していきたいと思います。
「ちゃんとさせなきゃ」に足りないもの
「ちゃんとさせなきゃ」と思うほど子どもが言うことをきかなくなる。そしてしまいには「なんで言うことを聞いてくれないの」と子どもに怒鳴り付けてしまう。そして自己嫌悪に陥る。最悪パターンですね。レイジンはそういった行動を繰り返してきました。なぜこういったことが起こるのでしょうか?
共感
実は、「〜させなきゃ」に決定的に欠けているものがあります。それは子どもの思いです。子どもにだって自分の思いがあります。
遊びに夢中になっているのに、「今すぐお風呂に入ってちょうだい」と言われると「えー、まだやってる途中なのに」となるでしょう。これは大人にも当てはまると思います。ご飯を作っているときに「ねえ見て見て、ちょっと来て」などと言われると「今は手が離せないよ」となるのと同じように。子どもも大人と同じ人間だということですね。
ここで大切になってくるのが「共感」です。
先ほどのお風呂に入ってほしい場面でも「今遊んでいる途中だったね。夢中になってるんだ。じゃああと5分したらお風呂に入ってね。」と言われると、子どもも自分の思い、やってることわかってもらえていると感じ、切り替えができやすくなります。
大人も「お母さん、ご飯作り終わったら見てほしいものがあるから来てね」と言われると、受け入れやすくなりますよね。自分のこと、今の状況をわかってもらえているんだと感じると、相手にも優しくすることができる。
1番大切なのは、自分が満たされることで相手を思いやる気持ちが持てるようになるということですね。
子育てのイライラの原因とは
イライラの原因①~時間に余裕がない
ではなぜ私たちはこのようにイライラしてしまうのでしょうか。
レイジンは、その大きな原因の1つは「時間」ではないかと考えています。子育ては常に時間との戦いです。何か用事、予定があると、その時間までに「子どもを支度させなきゃ」「朝ごはん食べさせなきゃ」など焦りが生まれます。
このような状態に陥ると子どもの思いではなく、親の思いが優先されていくことになります。
「早く食べて欲しいのになんで食べ始めないの?」 「早く着替えてちょうだい」 「早く、早く」
こうなってしまうと、子どももやる気は起きなくなってきます。先ほど述べた「ミラーニューロン」で子どもに親の焦りも伝わっていくでしょう。
子育てにおいて時間に余裕を持つことは自分の心に余裕を持つこと、子どもの心に余裕を持つことにつながるのです。
マルチタスクをやめて時間にゆとりを
時間に余裕を持つために私たちができることは何でしょうか。それは、一気に2つ以上のことをする、「マルチタスク」をやめようということです。
一定の時間でいくつもの作業を同時にこなせたら理想的です。これを「マルチタスク」といいます。「マルチタスク」を上手くできたら良いのですが、実際はそううまくいきません。「マルチタスク」よりも1つのことに集中する「シングルタスク」の方が人間には向いていることがわかっています。
スタンフォード大学の神経科学者エヤル・オフィル博士は
「人間は実のところマルチタスクはしていない。タスクの切り替えをしているだけだ。タスクからタスクへと素早く切り替えているだけである」
と説明しています。
マルチタスクをしているような気分になっているだけで、現実には、脳は1度に2つ以上のことに集中できないようになっています。その上、注意はあちこちに向けているので効率は落ちるというのです。
マサチューセッツ工科大学のアール・ミラー博士も、「マルチタスクをこなすことができるという人がいれば、それは単なる勘違い。脳は勘違いするのが得意である。」と述べています。
マルチタスクの子育てにおける弊害
では、マルチタスクの子育てにおける弊害とは何があるのでしょうか?
『シングルタスク 一点集中術 デボラ・ザック著』によりますと、
マルチタスクをすると
①生活の質 ②対人関係 ③大切なことの全て
が犠牲を強いられるといいます。
③大切なことの全てとか恐ろしすぎますね・・・
子育てにおいても、弊害が出るのは容易に想像できます。
・子どもが話しかけてきた時、スマホを見ながら答えてしまっているのでテキトーな対応をしてしまう。 ・家事をしながら、子どもにも対応することで、どちらかのやるべきことを忘れたり、時間がなくなったりしてしまう。
などなど。
1つのことに集中するのは、子どもと接するときも重要です。手を止めて話を聞いたり、一緒に何かしてくれるだけで、子どもは安心感を抱き、信頼を築くことができます。自分の気持ちが満たされた子どもは、その後落ち着いて過ごすことでしょう。子どもが落ち着いて過ごすことで、残りの家事もスムーズにいくはずです。
日常では、無意識のうちに「マルチタスク」を行っています。その同時進行は、効率的に見えて、不効率な場合が多いのです。
もし子どもとの関わり方に困っていたり、時間が足りないという方は、1つのことに集中するシングルタスクを実践することで、子どもと時間とのうまい付き合い方が身につくかもしれません。
子育てのイライラ~時間を操ろう編~はこちらへ
イライラの原因②~周りの子はあんなにできているのに…
イライラの原因part2は、周りの子と比べてしまうことです。
子育てにおいて「自分の子どもがきちんと成長しているのか」と気になることは誰にでもあることと思います。
その時、「あの子はつかまり立ちできているのに、なんでうちの子は...」「お隣の子は、あんなにピアノが上手なのに...」などと、周りの子と比べ、そこに追いつこうと考えてしまっては、子どもに対しイライラする原因につながっていきます。
そしてそれは、「できる」「できない」の成果主義に陥ってしまうのです。
成果ばかりを評価されると、子どもは常にプレッシャーを感じてしまいます。プレッシャーや期待が過ぎると本来の力は発揮されません。
『脳科学的に正しい一流の子育てQ&A(脳科学者 西剛志著)』によると、
ビジネスからスポーツ界まで、どんな分野でうまくいく人(成果も出してかつ幸福度まで高い人)は、「成果を出すこと=成功」ではなく、「小さな行動でも一歩踏み出すこと=成功」と考えており、成果よりもプロセスを大切にしています。
と成果よりも行動などのプロセスを大切にしているといいます。
「〇〇さんはあんなにできているんだから、うちの子もそれぐらいできるはず」と周りと比べられ、成果だけを求められると、子どもにとってもプレッシャーです。
それよりは、周りは周り。自分は自分。周りと比べるより自分や子どもの『強み』を知った方が数倍良いです。
「毎日、逆上がりに挑戦しているな。粘り強さや継続性がこの子の強みかもしれない」
などと、親が子どもの『強み』を知り、子どもに『強み』を使うように励ましましょう。
実際子どもが『強み』を使っていくと、
「子どもの人生満足度が高く、ストレスが低い」 「親の幸福度が高まる」
というデータもあります。
周りは周り、自分は自分。「周りと比べ育ってない」ではなく「◯年前よりも成長している」と、子どもが「自分は成長している」という実感が持てるような声かけを行っていくことで、子どもや親のストレスは減っていくでしょう。
イライラの原因③~睡眠不足
イライラの原因part3として考えられるものに、「睡眠不足」も挙げられます。
睡眠が取れてないとイライラしてしまうのは、人間の脳にとって当たり前のこと。前回のブログでも述べましたが、睡眠は子どもだけでなく大人にとっても必要なことです。
睡眠を十分にとっていないと脳は回復しません。「前頭前野」という部分が疲れ、注意力が散漫になったりイライラし始めたりするのです。
しかし子育てをするにおいて寝不足はつきもの。「夜中に子どもが夜泣きした」「赤ちゃんがお腹が空いて目覚めた」など日常茶飯事だと思います。
子どもがお昼寝してる時などは、思い切って自分も寝てみてください。
寝ることで、
・脳が回復する ・イライラがなくなる。 ・集中力が増す。 ・家事のスピードなどが上がる
といった嬉しい効果が。
夜中に子どもが起きてしまう場合は、パパさんと協力し、日で交代して起きるのが理想的。パパさんが育休等を取得している場合は、ぜひ提案してみましょう。
イライラの原因④~自由がない
子育てをしていると、四六時中子どもと一緒で、自分の時間を持てない人は多いはず。ですが、自分の時間を持つことも大事です。しっかりとストレス解消し、子どもと向き合うことで、子育てに余裕が生まれてきます。
『子育てのパラドックス』という本によると、子育ての最中は、親が何かに没頭する時間は極端に少なくなるといいます。これはほとんどの方が感じていることではないでしょうか。ゆっくり本を読もうと思っても「〇〇ができない」「〇〇してちょうだい」と子どもの声が入り、注意がそれてしまうのです。
ではどうすれば親がストレスを発散したり没頭する時間が作れるのでしょうか。もちろん夫婦で協力し合い、互いの時間を確保することができれば理想的かもしれません。しかし、互いの仕事の調整など、うまくいかない面もあると思います。
そんな中、手軽に思いつきそうなのはテレビやスマホを見ることです。これは非常に楽で、子どもはすぐに口数が少なくなり、目の前の画面に釘付けになるでしょう。親はつかの間の休息を得るはずです。
しかしこれも注意が必要。長時間のテレビやスマホの視聴は、
・子どもの注意力を散漫にさせる ・コミュニケーション能力の低下 ・相手の表情を読み取る力が低下する
といった報告もあります。
アメリカの研究では、7から18ヶ月の赤ちゃんは「テレビを見る時間が長いほど言語の発達が遅れる」という事実がわかってきています。
もちろん、テレビやスマホも時間を決めてうまく活用できるといいと思います。
その他の方法として私から提案したいのは先程のシングルタスクを活かして、一旦手を止めじっくりと子どもと向き合うことです。
他の事は考えず子どもと向き合うことで、親との触れ合いを十分に満喫し、その後、1人で遊びだすでしょう。その間に家事を行ったり、ちょっとした休息を取るようにするのです。注意力の分散はイライラの要因の1つです。自由な時間を得るために、15分だけでも何も考えず子どもと向き合う時間を作りましょう。意外と難しいものですよ。
子どもがやる気になるかかわりかた
子どもにどうしてもやってほしいことや、力を発揮してほしい場合もあると思います。そういったときは、以下のことを意識してかかわってみましょう。
やってほしい→命令や指示は極力控える
また、「命令や指示は子どものやる気を奪っていく」ということも分かっています。脳科学や心理学の研究では、「〜しなさい」と命令されると、逆のことをしようとする性質があるといいます。「見ないでね」と言われると逆に見たくなるような。
その上、命令や指示を守らないと怒られてしまい、子どもはますますやる気をなくしていくというパターンに。
子どもも大人と同じ人間です。「自分で決めたい」「自分にもやりたいことがある」といった気持ちを持っています。
自分で決めてもらうポイントとしては、子どもに選択権を与えることです。「AとBどちらがいい?」と子どもに決めてもらうことで、子どもは自分が決めたという感覚を持つことができます。
親自身もリラックスする
また、「親の姿を子どもはよく見ている」とよく言われますが、実際に「ミラーニューロン」といって、目の前の人の感情を、自分の中で鏡のように再現する神経細胞があります。
あくびをするとこちらにもあくびが映ったり、緊張が他の人にも映ったりすることは、この「ミラーニューロン」が働いているからと言われています。親が子どものためにと考え、真剣になるあまり、その緊張が子どもにも伝わってしまい、子どものパフォーマンスも下がってしまうということになるのです。
この「ミラーニューロン」を生かすには親が力を抜いてリラックスすることです。リラックスした状態は、力を発揮するためには最高の状態。親がリラックスすることで子どもも力を出しやすいということになります。
まとめ
では今回のまとめ!
「させなきゃいけない」をなくし、子どもとうまく付き合うためには
- 子どもの思いに共感しよう
- イライラの原因を突き止めて対処しよう
- 命令や指示を極力少なくし、子どもに決めてもらうようにしよう
といったことが必要にになってきます。
子育てに悩みはつきものですよね。いろいろなやり方を試してみて、自分やお子さんに合う方法が見つかるといいですね。
では、またやーたい!
参考文献
『脳科学的に正しい 一流の子育てQ&A』 西 剛志 (著) ダイヤモンド社
『シングルタスク 一点集中術』 デボラ・ザック(著) ダイヤモンド社
『世界に通用する子どもの育て方』 松村 亜里(著) WAVE出版
『子育てのパラドックス ― 「親になること」は人生をどう変えるのか』 ジェニファー・シニア(著) 英治出版
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