ハイサイ、レイジンです。
今回は『思考力や自分で考える力を身に着ける方法』について述べさせてもらいたいと思います。
現在、保育界では、幼児教育において育みたい子ども達の資質・能力に関して「思考力・判断力・表現力などの基礎」を挙げております。
つまり、厚生労働省は「思考力は、よりよい未来を作り出すために必要な力の一つ」ということを言っているんですね。
では、この思考力。どのようなかかわりで育っていくのかを探っていきたいと思います。
それでは、いってみよー!
思考力とは
まず『思考力とは』ということで説明させてもらいます。ずばり思考力とは、「考える力」のこと。厚生労働省から出されている保育所保育指針解説の『思考力の芽生え』の内容を見てみると、
子どもは、身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。
保育所保育指針解説
と述べられているなど、子どもは考え、工夫することを楽しむようになります。
思考力を細かくみていくと
・観察力 →何かをよく見て、細かいところに気づく ・比較力 →物事を比べて、共通点や違いを見つける ・問題解決力 →問題が起きた時に解決策を見つける ・クリティカルシンキング →ただ受け入れるのではなく、考え、疑問を持つ ・創造力 →新しいアイディアを出す ・情報を整理する →情報をまとめたり、重要な部分を見極める
といったあたりになります。子ども達は、これらを日常の生活や遊びの中から身に着けていくのです。では、思考力はどのようなかかわりで伸びていくのでしょうか?
3歳から思考力を育てるには
思考力を育てるには、「もの」と「ひと」との触れ合いが大きくかかわってきます。
ものとのかかわり
「もの」でいえば、公園や園庭では砂場や土などといった自然、スコップやバケツなどといった遊具、大型遊具や体を思い切り動かせる場所もあります。室内だと、ままごと道具や玩具などもありますね。
3歳だと実際に扱い、試してみることで思考力が培われていきます。
例えば、
キッチンのままごとで遊んでいるとしましょう。フライパンやお玉などの道具に触れ、形や重さの違いを感じながら「これは何?」と親や兄姉、友達や先生に聞いたりして自分で「お料理ごっこ」を始めたり、道具を使い分けたりすることがあります。
このような経験を通じて、子どもは物の性質や使い方を探求しているのです。
5歳ではさらに身近なものに積極的にかかわるようになります。
泡遊び一つを取っても、
石鹸を削り、水を入れて泡を作る中で、水の量を調整することで、泡がよりクリーミーもになったりすることに気づき、周りにも水の量を調整することを勧めたりするなどといった姿が見られます。
子ども達の中では「もの」と触れ遊んでいる中でも、身近なものを試す、工夫する、考えて遊ぶなどといった思考力の根っこの部分を育んでいっているのです
ひととのかかわり
続いて「ひと」とのかかわり。
3歳の男の子が公園に行った時の話。
公園の砂場で山を作っていた男の子。隣に友達もやってきて、一緒に山を作っています。大きな山が出来上がった後、「これは宝の山だ」と友達が言い始めました。何のことかわからずにいると、友達は急に山の上に小石を乗せ始めます。すると男の子も、「これは宝の山だね」といって、小石を集めて載せ始めました。
この時、男の子は友達のイメージを聞いて小石を宝に見立てるということを理解したのです。友達とのかかわりを通じて子どもが新しいアイディアを学び、それを理解し表現することで思考力が育っていきます。
続いて、室内でブロック遊びをしている5歳児の例。
大量のレゴブロックで思い思いの物を作っている子ども達。一方の子は動物園。友達は宇宙船を作りました。作り終わった後、友達が「この宇宙船で宇宙に行って、新しい動物を連れてくるよ」というと、一方の子は「それなら動物が増えるから、お部屋を増やさなきゃ」と応えました。
一緒に遊ぶ友達同士でいろいろな考えを出し合うことで、より良い考えがうまれ、やりたい遊びを実現していくことで思考力は発展していくのです。
子どもが自分で考えることができる親のかかわり方
では、子どもの思考力を育むには、親はどのようなかかわりをしていけばよいのでしょうか。
遊びの時間を大切にする
上記の部分で例を出したように、子どもは遊びながら思考力を育んでいます。逆を言えば、遊ぶ時間を確保しないことは思考力を育む機会を失っているのです。
新しい遊び方を考えたり、ルールを決めたり、おもちゃや遊具の仕組みが分かったり、お互いのアイディアから新しいことを一緒に見つけたり。
遊びは学びの宝庫です。子どもに遊びの場を積極的に与えていきましょう。
質問をする
大人が、あえて子どもに質問をしてみましょう。「今日遊びに行く場所なんだけど、公園がいいかなと思うんだけど、○○はどう思う?」など質問することで、子どもは親を手本に言葉の使い方を覚えてきます。たくさん質問している子どもは、親も子どもにたくさん質問しているという調査結果もあるのだとか。
また、親が子どもに「なぜ?」や「どうして?」と質問すると、子どもは物事をより深く理解し、自分の考えを整理することができます。
答えを教えない
答えを教えないことも、子どもの思考力を育むことにつながります。例えば、子どもが「なんで今日は暑いの?」と聞いてきたら、「○○はどう思う?」「今日は暑いよね。なんでだろう?」と問いかけましょう。大人が子どもに答えを教えないことで、子どもの考えるきっかけになります。
自分で考えようとしないこともあるでしょう。その時は一緒に調べたり考えたりしていきましょう。学ぶプロセスを味わうことができます。
反論をする
自分とは異なる意見を聞くことで、子どもが考えを深めるきっかっけを作ることができます。
「この食べ物、おいしいね。」「本当に?どんな味か教えてちょうだい」
「冬は寒くなるよね。」「本当かな?寒くないところもあるんじゃない?」
子どもの発言に対し、逆の意見や疑問をぶつけてみましょう。
自分でルールを考える
生活の中で、ルールを決める必要性が出てくる場面があると思います。そんなときは、子ども自身にルールを考えてもらいましょう。
『スマホやゲーム、テレビの使用時間』『門限』
3歳でいえば、『片付けの時間』『食事のマナー』『遊びの約束』など。
自分でルールを考えるのには時間がかかりますが、考える力を鍛えるほかにも、子どもが納得したことで行動の変化が見られやすくなったり、アイディアを形にする嬉しさを感じたりすることができます。
失敗を責めない
失敗は学びの一部です。子どもの失敗に対して「なんとかしたい」「直したい」という気持ちもわかりますが、そこはぐっとこらえましょう。
失敗を責めないことで、子どもは
・新しい考えやアイディアを試しやすくなる ・失敗から学び、問題解決力が身につく ・自己肯定感を育む
失敗を否定的に受け止めず、むしろ学びの機会と捉えることで、子どもはより思考力を発展させることができるのです。
おわりに
ということで、今回は『3歳からの思考力を育むために必要なもの』や『思考力を育むための親のかかわり方』について述べていきました。
親としては子どもに対して『自分で考える子』になってほしいと感じていると思います。子どもが自分の頭で考えたり、行動したりできるように、子どもに考えるきっかけや土台作りをしていきましょう。
それでは、またやー!
参考文献
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