ハイサイ、レイジンです。
4月は、新しい生活が始まる特別な月ですね。3歳児クラスの子どもたちは、新しい環境や友だち、保育者との出会いにワクワクしながらも、不安や緊張を感じることがあります。
この時期の保育では、一人ひとりの気持ちに寄り添いながら、安心して過ごせる環境を丁寧に整えることが大切です。生活リズムを整えたり、基本的な生活習慣に繰り返し取り組んだりしながら、「ここは安心できる場所なんだ」と感じられるようにしていきましょう。
この記事では、3歳児クラスの4月の月案作成に役立つ「ねらい」「内容」「保育者の援助」「環境構成」「健康・食育・安全」「家庭との連携」「職員間の連携」の文例やポイントを紹介します。
それでは、いってみよー!
3歳児・4月におけるねらいと内容
では、3歳児・4月のねらいと内容を見ていきましょう。
ねらい
○喜んで登園し、保育者に親しみを持つ。
○新しい環境や生活の仕方に慣れ、安心して過ごす。
○好きな遊びやお気に入りの場所を見つけて楽しむ。
○保育者や友だちと絵本を見たり歌をうたったりする心地よさを感じる。
○身近な生き物や春の自然に興味を持つ。
内容
・自分のクラスや担任の保育者の名前を知り、親しみを持つ。
・登園時や帰りのあいさつを通して、保育者と気持ちよく関わる。
・身の回りのことを保育者に手伝ってもらいながら、自分でやろうとする気持ちを育む。
・靴の履き替えや手洗いなど、基本的な生活習慣を身につける。
・好きな玩具やお気に入りの場所を見つけて遊ぶことを楽しむ。
・砂や粘土などの感触遊びを通して、素材の面白さを味わう。
・保育者や友だちと一緒に絵本を見たり、歌をうたったりする心地よさを感じる。
・園庭の草花や虫を見つけたり、保育者と一緒に小動物にエサをあげたりしながら、生き物に親しむ。
ねらい・内容のポイント
4月は、新しい環境に慣れながら、安心して園生活をスタートする大切な時期。
✅ 新しいクラスや保育者、友だちに親しみを持てるよう、一人ひとりの気持ちに寄り添いながら信頼関係を築いていくことがポイント。
✅ 好きな遊びやお気に入りの場所を見つける中で、自分なりに楽しむ姿を大切にしながら、安心できる居場所を作っていきましょう。
✅ 基本的な生活習慣や園での過ごし方を少しずつ身につけられるよう、丁寧に伝えながら見守ることも大切ですね。
✅ 春の自然に触れながら、草花や虫に興味を持ったり、友だちと発見を共有したりする体験を楽しみましょう。
ご自身の園に合ったねらいや内容の参考にしてみてください。
3歳児・4月における保育者の援助と環境構成

では、次に保育者の援助と環境構成を見ていきましょう。
保育者の援助
◎保育者に親しみを持てるよう、一人ひとりの名前を呼びながら笑顔で挨拶したり、優しく声をかけたりする。
◎登園時に不安そうな子には、保護者と一緒に入室してもらい、安心できるよう徐々に慣れていけるようにする。
◎お気に入りの玩具や遊びに誘いながら、子どもが安心して自分の居場所を見つけられるようにする。
◎身の回りのことや排せつは個人差があるため、子どものペースに合わせて丁寧に援助する。
◎生活習慣や遊具の使い方は、実際の場面を通して繰り返し伝え、分かりやすく説明する。
◎絵本や手遊びを取り入れながら、友だちや保育者と一緒に過ごす楽しさを感じられるようにする。
◎春の自然に興味を持てるよう、草花や虫を見つけた際に保育者が気づきを言葉にして共有する。
◎園で飼育している動物には、保育者と一緒にエサをあげたり観察したりすることで、親しみを持てるようにする。
環境構成
□新しい環境でも安心して過ごせるように、家庭で親しんでいるようなぬいぐるみや絵本を用意する。
□自分の靴箱やロッカーがすぐに分かるように、それぞれに個別のマークを付ける。
□好きな遊びを見つけやすいように、玩具は手に取りやすい場所に配置し、数も十分に用意しておく。
□春の自然に興味を持てるように、園庭の草花や虫が観察しやすいコーナーを設ける。
□絵本や紙芝居は、親しみやすい内容や分かりやすい挿絵のものを選び、みんなで楽しめるようにする。
保育者の援助と環境構成のポイント
4月は、新しい環境に慣れ、安心して過ごせることが大切な時期。子どもたちが落ち着いて園生活を楽しめるよう、丁寧に関わりながら環境を整えていきましょう。
✅ 安心できる関係づくり
新しい環境に不安を感じる子どもも多い時期。一人ひとりの名前を呼びながら笑顔で挨拶したり、スキンシップを大切にしたりしながら、安心できる関係を築いていきましょう。好きな遊びに一緒に誘うことで、「ここは楽しい場所」と感じられるようにします。
✅ 生活の自立を支える
靴の履き替えや手洗いなど、基本的な生活習慣を少しずつ身につけていく時期。身の回りのことは子どものペースに合わせながら見守り、できたことはしっかり認めて自信につなげましょう。
✅ 遊びを通して興味を広げる
園庭の草花や虫を見つけるなど、春ならではの自然に親しむ体験を大切に。絵本や手遊びを取り入れて、友だちや保育者と一緒に楽しむ時間を増やしながら、子どもたちの興味や関心を広げていきましょう。
子どもたちの様子に合わせて、無理なく取り入れてみましょう。
3歳児・4月における健康・食育・安全について
続いて、健康・食育・安全についてみていきましょう。
健康
●健康面(体質やアレルギーなど)や個々の特性で配慮が必要な子は、園全体で情報を共有し、一貫した対応ができるようにする。
●トイレでの排せつがスムーズにできない子は、無理のないように様子を見ながら丁寧に援助する。
●体調の変化に気づけるよう、遊びや活動中の子どもの様子をこまめに観察し、顔色や食欲にも注意を払う。
健康のポイント
✅ 4月は体調の変化に気を配ることが大切な時期
新しい環境に慣れるまでは、緊張や疲れから体調を崩しやすい時期です。子どもの表情や動きをしっかり見守りながら、早めに休息を取れるようにしましょう。
✅ 安心できるトイレ環境づくり
排せつに不安がある子もいるため、焦らずゆったりとした雰囲気で関わることがポイントです。自分でできたときはしっかり認めて、自信につなげていきましょう。
✅ 体調管理は職員間で情報共有を
アレルギーや体質などの情報は、職員間でこまめに確認しながら、個々に応じた配慮を大切にしましょう。
食育
◇食事の量は、子どもの様子を見ながら無理のない量に調節する。
◇食事中は姿勢や持ち方にも気を配り、正しい姿勢で食べられるように声をかける。
◇食材や献立に興味を持てるように、「今日は〇〇が入っているね」と話題にしながら食事を楽しめる雰囲気を作る。
食育のポイント
✅ 4月は食事のペースに配慮することが大切な時期
新しい環境では緊張から食が進まない子もいるため、無理をさせずに子どものペースに合わせることがポイントです。食欲がないときは少量ずつ提供しながら様子を見守りましょう。
✅ 楽しい食事の時間を大切に
食材や献立の話題を取り入れることで、食べることへの興味や楽しさが広がります。友だちと一緒に食べる喜びを感じられるような雰囲気づくりを心がけましょう。
✅ 姿勢やマナーも丁寧に伝える
食事中の姿勢や箸の持ち方などは、少しずつ繰り返し伝えていくことが大切です。「きれいに食べられたね」と具体的に声をかけながら、自信につなげていきましょう。
安全
★玩具は口に入れることが考えられるため、こまめに消毒し、清潔な状態を保つ。
★けがをした際は、子どもが安心できるように落ち着いて対応し、優しく声をかけながら丁寧に手当てをする。
★固定遊具の使い方は、安全に遊べるように実際の場面で繰り返し伝える。
★戸外遊びでは見通しのよい場所で遊ぶよう促し、保育者は周囲に気を配りながら見守る。
安全のポイント
✅ 4月は安全な環境づくりと丁寧な声かけが大切な時期
新しい環境では、遊具や園内のルールに慣れていない子も多いため、危険な場面が想定されます。遊びながら繰り返し伝えていくことで、安全な行動が身につきやすくなります。
✅ けがの対応は安心感を大切に
けがをした際は、子どもが不安にならないよう、優しく声をかけながら落ち着いて対応しましょう。手当ての間も気持ちに寄り添うことで、子どもが安心して過ごせます。
✅ 日頃から衛生管理を徹底する
春は気温が上がり、菌が繁殖しやすい時期。玩具や手すりなどはこまめに消毒し、子どもたちが安心して過ごせる清潔な環境を維持していきましょう。
3歳児・4月における家庭との連携
◆登降園時や連絡帳で園での様子を伝えたり、家庭での姿を聞いたりして、保護者が安心できるようにする。
◆新入園児の保護者には、子どもの様子に合わせて少しずつ保育時間を延ばす「慣らし保育」への協力をお願いしながら、家庭の状況についてもこまめに共有する。
◆排せつや食事など、園での生活の様子は具体的なエピソードを交えて伝え、保護者が子どもの成長を感じられるようにする。
◆園便りやクラス便りでは、子どもたちの姿がイメージしやすいように写真やコメントを添え、日々の様子を分かりやすく伝える。
◆保護者会では、3歳児の発達や成長の特徴について伝え、今後の見通しを共有する。また、保護者同士や保育者との交流の場となるよう、情報交換や親睦を図る。
家庭との連携のポイント
✅ 4月は保護者と丁寧に関わり、信頼関係を築くことが大切な時期
新しい環境への不安は子どもだけでなく保護者も感じています。送迎時に一言声をかけたり、連絡帳で子どもの小さな成長を伝えたりすることで、安心感につながります。
✅ 家庭と園で情報を共有し合う
排せつや食事などの生活面は、園と家庭で状況が異なる場合もあります。互いに情報を伝え合いながら、子どもが安心して生活できるようにしましょう。
✅ 子どもの姿を具体的に伝える工夫を
クラス便りや連絡帳では、日々の様子を写真や具体的なエピソードとともに伝えることで、保護者が子どもの成長を実感しやすくなります。
3歳児・4月における職員間の連携
*一人ひとりの健康状態やアレルギー、必要な対応などは、全職員で情報を共有し、見守りながら丁寧に対応する。
*登降園時の子どもの様子や家庭からの伝言は、職員間で確実に伝え合い、連携して見守る。
*新入園児への関わり方や慣らし保育の進め方については、職員同士で状況を確認しながら、子どもに無理のないように進める。
職員間の連携のポイント
✅ 4月は職員間でこまめに情報共有することが大切な時期
新しい環境に慣れていない子どもたちは、体調や気持ちが不安定になりやすい時期です。登降園時の様子や体調の変化は、職員同士でしっかり共有し合いましょう。
✅ 保育の方針や援助の仕方を統一する
関わり方に差が出ないよう、声かけや援助のタイミングは職員間で統一しておくことが大切です。「〇〇ちゃんはトイレの声かけが必要」など、細かな情報も連携しましょう。
✅ 子ども一人ひとりの安心感につながる連携を
保育者間で情報がしっかり共有されていることで、子どもが誰と過ごしても安心して園生活を送ることができます。日々の細かな変化も見逃さずに伝え合いましょう。
おわりに
4月は、新しい環境や人との出会いにワクワクしながらも、子どもたちは少し緊張や不安を感じる時期です。一人ひとりの気持ちに丁寧に寄り添いながら、安心して園生活をスタートできるようにしていきましょう。
また、保護者にとっても新年度は心配や戸惑いを感じやすい時期です。登降園時や連絡帳で子どもの小さな成長を伝えることで、家庭と園が一緒に見守っている安心感につながります。
子どもたちが「園って楽しい!」「ここは自分の居場所だ」と思えるように、保育者同士で連携しながら温かく見守っていきたいですね。
新しい一年が、子どもたちにとって楽しく実りあるものになりますように。
それでは、またやー!
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