はいさい!レイジンです。沖縄で保育の仕事をしています。
2回目の投稿です。お手柔らかに。
前回の初投稿で
「抱き癖」について少し触れたので、今回は抱き癖のことをより詳しく述べていきたいと思います。ゆたしくうにげーさびら(よろしくお願いします)
それでは、いってみよー
なぜ「抱き癖」と言われるのか?
よく「抱っこばかりしていると、抱き癖つくよー」と言われたことがあると思います。
私も幾度となく、言われてきましたし、定番フレーズではないかと思います。
子どもは何かと抱っこを求めてくるし、認めてしまうとずっと抱っこしていないといけない。
「体への負担が大きい。ああ大変だ。」
「抱っこを求めず、一人前に歩いた方がいいでしょ」
など親の負担さや子どもの自立を願うからこそのフレーズではないのかと推測します。
かくいう私も、
「抱っこしたら1人前になれない」
「もっと強くさせなきゃ」
と思い、
泣いても抱っこしないという時期がありました。保育に携わっているのに…ごめんよ息子、娘!!
そのようなマインドが、心の奥底に染みついているなーと。それほどまでに、強烈に受け継がれてきたフレーズなんですねー
「抱き癖」恐るべし!!
抱き癖に根拠はない!抱っこした方が良いという根拠はたくさんある!
現在では、抱き癖に根拠はないということがわかっています。というか、抱っこはたくさんした方が良い。
抱っこ。それは親との触れ合いです。
子ども達が生きていくうえで1番大切なことていっても過言ではありません。
なぜ親との触れ合いがそこまで大事なのかということなのですが、
親との触れ合いがないと、子どもは「自分は受け入れられない」、「この人は自分を見てくれない、保護してくれない」と感じ、
不安や恐れが除去されず、他のことに注意を向けられなくなるからです。(参考:初塚眞喜子「アタッチメント理論から考える保育所保育のあり方」相愛大学人間発達学研究2010.3.1-16)
また、ブリティッシュコロンビア大学の研究(ヒトの新生児接触のエピジェネティックな相関|発達と精神病理学|ケンブリッジコア (cambridge.org))で
「赤ちゃんはたくさん抱っこするのとしないのとでは、赤ちゃんの遺伝子に大きな差が出る」と言う事実もわかっているそうです。
研究内容としては、
子どもが生まれて5週目の母親に、幼児とどのくらい接触したかを日記に付けてもらい、4歳半になった時、子どものDNAを分析してみたところ、 親との接触が多かった子どもほど「体の免疫と代謝に関する遺伝子」に明らかな変化が見られ、良好な発達をすることがわかった。ということなんですねー
こういった肌の触れ合いや温かな言葉のやりとりのことを「アタッチメント」っていうんですけど、
この「アタッチメント」についての研究も紹介します。
ロシアのサンクトペテルブルクの実験(幼児の発達に対する社会的・感情的・関係の早期経験の影響 (nih.gov))によると、
2000年代、ロシアの孤児院にいる子どもたちは、衣・食・住として十分なものを得ていたのですが、スタッフが子ども達に温かみのある接し方をしていなかったといいます。機械的な接し方ですね。 イメージするに、ご飯もただ口に運んでいるだけ、おむつも無表情で交代...といったようなものでしょうか。 そこで、子どもたちにロシアとアメリカの科学者チームがスタッフに対して、 「もっと温かみにある接し方をしましょうよー」と教育しました。 「おいしいねー」「これは人参っていうんだよー」とか 「おむつ濡れていて気持ち悪いねー」「おむつ変えて気持ちよくなったねー」といったところ。
すると、子ども達は9か月後に様々なことで大きな伸びが見られたそうです。
どのような伸びが見られたかというと、
・頭がよくなったり(認知能力) ・コミュニケーション能力など社会性の発達 ・運動技能の向上 ・体の発育(身長・体重など)
など。
そして、レイジンがが思うに一番大きなポイントが、
スタッフの間でもうつや不安が減少したということ
です。アタッチメントは大人も幸せにしてくれるんですねー
抱き癖で家事ができない・・・
それでも、家事などで「手が離せないから抱っこできないよー」ということもありますよね。
大丈夫!
「少し我慢させて抱っこした方がストレスに強くなる」
ということが『脳科学的に正しい一流の子育てQ&A 脳科学者 西 剛志著』でも述べられています。
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荷物を持っているとき、皿洗いをしているとき
「抱っこ―!!」
と言われてもできないときはあります。
「〇〇しているから終わったら抱っこするからね」
「あと○分待ってね」
と子どもに自分の状況や思いなどを伝えることも大切です
そして、一番大事なのは
「約束を守ること」
「待っててくれてありがとう」と伝えると、子どももうれしいですね。
大人でも言われたら嬉しいですよねー
おわりに
それでは、今回のまとめ!
・抱き癖はないので、思いっきり抱っこしてあげましょー
・触れ合いや温かい言葉かけは人生を変えるほど大事なものですよー
・手が離せないときは、待ってもらうこともありですよー
といったところでしょうか。
なんとなく大事だよなーと分かっていたことでも、研究で根拠を示されると、納得して行えると感じるのは自分だけでしょうか。
「アタッチメント」については、またちょびちょびお話しさせてもらうと思います。
生きていく上での基となる部分なので!!
それでは、またやー
参考文献
『私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む ポール・タフ, 駒崎 弘樹他』
コメント
[…] また、「抱き癖」の件でも述べましたが、安心できる親と過ごす事は子どもにとって何よりも大切なもの。 […]
[…] レイジンブログ的には、読み聞かせの一番のポイントは何と言っても「親子のふれあい」です。このブログお得意の「ふれあいが重要ですよ」パターンですね。『「抱き癖」、もう古いですよ』の記事でも述べているのですが、子どもたちが生きていく上で基盤となっているのが「親との触れ合い」です。親との触れ合いがないと、子どもたちは安心できない状況、常に不安な状態が作られていきます。ふれあいがあることで安心して外の世界に進んでいけるのです。「愛着関係」「心の安全基地」「アタッチメント」などといった言葉が重要視されるのはそのため。個人的には、もっと知られていくべきだと感じています。 […]