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育児休暇を取ったら上の子が退園?~親がジレンマを抱える育休退園制度の矛盾~

子育て
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ハイサイ、レイジンです。

本日気になるニュースが上がっていたので、紹介。

『埼玉県所沢市、育休退園制度の廃止決定』

ということで、埼玉県所沢市の新市長が育休退園制度を廃止することを決めたのだとか。

これは子育て家庭においては、非常に英断。

なぜかというと、育休退園制度は、第2子以降を考えている家庭にとっては非常に厄介な制度だから。

今回は、育休退園制度についてや、育休退園制度が家庭に与える影響、制度の矛盾について述べていきたいと思います。

それでは、いってみよー

育休退園制度とは

では、育休退園制度についてからですが、簡単に言うと、

下の子が産まれ、育児休暇を取得すると、家庭での育児が可能とみなされ、上の子が退園させられる制度

です。

 0~2歳の子に適用している自治体が多いですが、中には3歳児以上に適用している自治体もあります。

ご自身の市町村がどのような対応をしているのか要チェックですねー

育休退園制度を行う理由は?

この制度を行う理由を見ていきましょう。

考えられることを以下にまとめてみました。

①待機児童の解消

 これが一番大きな理由でしょう。『待機児童の解消』。

 待機児童とは、保育施設に入りたい子ども達が、施設に入るために待機している状態を指します。保護者が仕事と育児を両立させることを難しくし、子どもの早期教育や社会的発達に影響を及ぼす可能性がある社会的問題です。

 「待っている人がいますよ。家庭で保育できるでしょ。」って感じなんですかね。

 ですが、待機児童解消はそもそも国や各自治体で取り組む問題で、保育施設を増やしたり、認可外施設のサポートなどを行ったりすることで、解消に成功した市町村も多く存在します。

 そして、待機児童問題は1990年代から始まっているそうで、「保育園落ちた日本死ね」問題があったことを踏まえても、対策が遅すぎるとしか言いようがありません。というか、国としてやる気があまりないのか。この姿勢が現在の少子化問題につながっているのでしょう。

 育休退園制度が待機児童解消の根本的原因につながるとは思えません。

②保育士不足

 育休退園制度を行う理由について自治体が「保育士を確保できないから」ということを挙げています。これは、「保育士が確保できずに、待機児童を解消できないから」ということでしょう。

 ですが、これも上の子がいる時点で、保育士はその園では足りている状態なのですから、理由としてはいまいち納得できません。

③親が家にいるなら親が見るのが当然という考え

 「親が見たほうが子どもにとって幸せでしょ」的な考えですね。分かる部分もあります。「子どもにとって親の存在が大きい」のは十分承知。責任もあると思います。ですが、それは親のメンタルが正常な場合。

・イライラしている

・ストレスを抱えている

・不安やうつ症状

 といった場合は、子どもに悪影響を与えかねません。

 そして、毎日乳児期のお世話をしながら上の子にかかわっていると、その部分が多く出てきます。負担が大きいといわざるを得ません。産後だとなおさらですよね。

 また、保育施設においても子どもとのアタッチメントが築かれることもわかっています。専門家の保育者との丁寧なかかわりによって、愛着関係や信頼関係は築かれていくのです。

 となると果たして、親が乳児期の世話をしながら、上の子が保育園を退園してまで家庭で見るのが当然と言えるのでしょうか。

育休退園制度が家庭に与える影響

ここからは、育児休暇による子どもの退園が家庭に与える影響を見ていきます。

子育て中のイライラが増す

 これは先ほども述べましたが、子育て中にイライラする機会が多くなってしまいます。最悪、子育てがうまくいかないと思い込み、不安やうつ症状を発生してしまったり、イライラして体罰を行ったりしてしまう人もいるかもしれません。そうなると、子どもには何もメリットを生みません。

例を出すと、

 乳児期で夜中に起きることが多い赤ちゃん。お母さんは寝かしつけの対応に迫られ、ほとんど眠れません。そんな中、イヤイヤ期に入っている上の子が、保育園を退園して日中の対応も迫られます。家事も行わないといけません。寝不足で冷静な判断ができず・・・

 このような姿は、子育てをしている人だったら簡単に予想がつくことと思います。

孤独を生む

 子育ての大変さは孤独を生むことも予測されます。睡眠不足の上に、上の子の世話も一緒になってしまうと、外に出る気力、誰かと連絡を取る体力も失せ、孤独状態になってしまうのです。

そして、この孤独な子育ては精神をむしばんでいきます。

宮古島で起きた事件が、記憶に新しいでしょう。

 このような事件をなくしていくためにも、孤独な子育てを防ぐ体制や施策が必要になってくるのです。

上の子の気持ちを考えていない

 そして、これが一番大事です。この制度、上の子の気持ちを考えているのでしょうか。

上の子にとっては、

・安心して過ごせるようになった園にいられなくなる。

・これまでできた友達と過ごせなくなる

・再入園するときに、新しい園で環境が変わっていたり、再び集団生活や人間関係を身につける必要がある。

といったデメリットがたくさんあります。

 中高生が同じ立場になると、反発必至ですよね。幼いから許されるのでしょうか。

育休退園制度の矛盾点をざっくりと

 当事者にとってはたまったもんじゃない、育休退園制度ですが、国が進めていこう(本当にそう思っているかは不明)している少子化対策にも逆行しています。

子どもを産むのをためらう

 上の子が保育園をやめないといけないとわかっていたら、2人目、3人目と考えるでしょうか。レイジンならNOです。「大丈夫だよ」という方もいるかもしれませんが、上の子のことや厳しい育児環境を考えると、出産しない選択をする方のほうが多いのではないでしょうか。

出産時期をずらす

 ですが、どうしても2人目、3人目が欲しいという方もいるでしょう。となると現実的に考えると、子どもが育休退園制度にかからない年齢まで待つという選択肢です。3歳以上になれば、制度にかからないところも多いので、それまで待つということですね。

 ただ、これにはママさんの年齢的なことも考慮しないといけません。高齢出産になるほど、出産のリスクは高くなります。出産へのリスクを高める制度というのは、少子化をより進めているといえるのではないでしょうか。

育休取得しない方が良いと考える

 上の子が退園になるんだったら、「育児休暇は取得しない」という選択をとる人も出てくるでしょう。「保育園をやめたくない」というお子さんもいます。そうなると、苦渋の選択を迫られ、育児休暇で子どもの育児に専念したい人も早々と職場復帰ということになってしまうのです。

 国は、パパ育休制度など、育児休暇を勧めていますが、育休退園制度があると、長期の育児休暇は取得できませんよね。矛盾しているといわれても仕方ないでしょう。

所沢市が育休退園制度撤廃、だが過去には・・・

 そんな中、今回所沢市が育休退園制度を撤廃しました。ですが、その所沢市、この育休退園制度で過去に訴訟を起こされているのです。

 そんな中、市長選で新市長になった小野塚市長。すぐさま、育休退園制度の撤廃を決め、子育てしやすい街づくりを目指すことを打ち出しています。

 選挙中には、前明石市長の泉房穂氏も応援に駆けつけています。ぜひ、公約を実現してほしいものです。

所沢市のほかにも、水戸市、桑名市などが撤廃を決めています。全国の市町村もこの流れに乗ってほしいものですね。

おわりに

ということで、今回は育休退園制度についてでした。

まとめ。

・育休退園制度とは、下の子が産まれたら上の子は退園しないといけないという困りもの制度。

・理由は、待機児童の解消と言われているが、根本的な解決にはならない。

・育休退園制度で、家庭は大混乱&メンタル悪化必死。

・少子化対策にも逆行する制度。

・所沢市は、制度の撤廃を決定。全国も続け!

といったところ。

ここまで、育休退園制度はよろしくないと申しましたが、家庭で子ども達を見たいという方ももちろんいると思います。それは、それでいいのです。選択できる環境であってほしいというだけっすね

今回の記事は、ニュースを見たら調べたくなってしまったって感じです。思想強めになってしまったかなー。まあ、たまにはいいですよね。

こういった時事ネタも少しずつ扱えるようになりたいな。

それでは、またやー

参考文献

いったん孤独になった人がますます深い孤独にハマりこむ「孤独の悪循環」とは? | パレオな男 (yuchrszk.blogspot.com)

「体罰は子供に悪影響しかもたらさない」ってメタ分析が出たぞー | パレオな男 (yuchrszk.blogspot.com)

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