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多子世帯への大学無償化はずるくて不公平なのか~大学無償化が与える影響とは~

子育て
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 ハイサイ、レイジンです。

 先日『子ども3人以上の世帯、2025年度から大学無償化へ(日テレNEWS NNN) – Yahoo!ニュース』というニュースが飛び込んできました。

 政府は方針を固めたとのこと。このニュースに対しては賛否の声があり、ネットでも議論が多くかわされています。

 この記事では、大学無償化に関する情報について、少子化対策に効果があるのか、デメリットの部分や各政党の少子化対策について述べていきたいと思います。

 それでは、いってみよー

多子世帯大学無償化のニュースを要約

 かなり大きなインパクトを与えた『多子世帯大学無償化』のニュース。

 いくつかのニュースから得られた情報を簡単にまとめてみると、

・多子世帯の大学無償化を行うのは2025年度から。
・3人以上の子を持つ世帯が対象。
・3人子どもがいたら、3人とも大学授業料無償。
・対象の学校は、国立大学、私立大学、短期大学、高等専門学校で医学部も含まれる。
・所得制限は設けない

といった感じ。大学の学費なのか、授業料なのかは不明です。

 それでも、これまでの政府には見られなかった大きな決断、インパクトのある目玉対策だと思われます。

東京都は高校無償化

 『多子世帯の大学無償化』のニュースの1日?2日?前に『東京都が高校を無償化にする』というニュースもありました。

 まとめると↓のような感じ。

・2024年度から東京都は高校の授業料を無償化にする。
・都内在住の高校生が対象
・これまであった所得制限は撤廃
・私立高校を含めた全ての高校を無償化。

 さらに、高校無償化だけにとどまらず、小中学校の給食費の無償化も支援する方針なのだとか。

 小池百合子恐るべし。東京都は財源があるといいますもんね。元明石市長の泉房穂氏もびっくりの子育て支援政策でしょう。東京都の子育て世帯は狂喜乱舞していること間違いなし。

大学の学費、授業料はいくら?

 では、かなりの高額と言われている大学の学費や授業料。果たして、年間でいくらかかるのでしょうか。

・国立大学:学費→およそ81万 授業料→およそ53万

・公立大学:学費→およそ93万 授業料→およそ53万

・私立大学(文系):学費→およそ116万 授業料→およそ78万

・私立(理系):学費→およそ154万 授業料→およそ110万

・私立(医・歯系):学費→477万 授業料→284万

 やはりかなりの額になりますね。私立の理系だと、授業料は年間およそ110万。4年間で440万。3人子どもがいたとしたら、1320万です。学費だともっと高額。医・歯系は高すぎて計算できなーい。。

多子世帯の大学無償化は少子化対策に効果があるのか

 では、このような高額の学費や授業料が無償化になる『多子世帯の大学無償化』は少子化対策に効果があるのか、諸外国の例を見ていきましょう。

 2016年のデータになりますが、OECD加盟国で、大学無償化を行っている国はドイツやスウェーデンなどを含め13か国。フランスは、登録料と健康診断費用のみでほぼ大学無償といってもいいでしょう。

 そんなフランスは、合計特殊出生率が1994年には1.66だったのが、2010年には2.02まで激烈に増加。2020年は1.83で欧州連合の中ではトップの数値なのだとか。

 同じくヨーロッパのスウェーデンは、国立・私立共に大学無償化を行っており、合計特殊出生率は1995年に1.5だったのが、2010年には1.98と大幅回復。2020年には1.66となっています。

 スウェーデンは育児休暇の取得率や手当も充実しているので、子育てしやすい環境が整っているということも影響しているでしょう。

 こうしてみてみると、

「大学の高額な授業料を払わなくてもよい」
「子どもを産むうえで一つ足かせが外れる」
「今子ども2人いるけど、大学無償ならもう1人考えてもいい」

 といった声は納得いくものでしょう。

 大学にかかる費用が大きいので、金銭面的に子どもの出産をあきらめていた人は多いはず。その負担がなくなるのなら、3人目を考える人は多いのではないのでしょうか。

デメリットは「ずるい」「不公平」

 ですが考えてみると、「子どもを産むのは1人、2人で精いっぱい」、「なかなか授かることができない」といった人もいると思います。それほど出産は大変なことだし、女性にとっては命を懸けるくらい大きなものであります。

 また、1人2人子どもがいるだけで経済的に精いっぱいという家庭もいます。

 そういう人たちにとって、「3人産んだら子ども達の大学費用無償化しますよ」というのは、

「なんでやねん」

「産みたくても産めないんだけど」

「子どもが1人、2人の家庭にとっては、どん底に突き落とされた気分」

「子ども1人、2人でも経済的に大変だという家庭もあるんですけど」

「女性への負担半端ないな」

といった不公平感をあらわにした意見が出るのも無理ないでしょう。レイジンが、同じような状況にいたとしたら、不公平と感じると思います。

 このような不公平感をなくすには、現在は学生ローンと化している奨学金制度を給付制にしたり、1人や2人の子でも無償にしたりしないと納得はいかないでしょう。

一番心配なのは

 ここからは、この政策を行うにあたって心配しているパターンを述べていきたいと思います。

結局やりませんパターン

 ここまでは、『多子世帯の大学無償化』が行われる前提で述べてきましたが、なんやかんやあって結局「やっぱりやめます」というパターンが一番嫌ですね。レイジンが知る限りでは、ここまで大きな財源を使っての子育て支援策は、自民党にとって初ではないでしょうか。それくらい思い切りのあることをしようとしています。

 ただ、何かしらのチョメチョメが入り、

・「やっぱりやめます」

・数年後なくなりました。

・検討だけでした

というのはやめてほしい。

 この政策を基準に、実施に当たるまでにアップデートしていってほしいなと感じています。

財源を確保するために増税しますよパターン

 例えば、「大学無償化にするので、消費税を20%にします。」といった場合、月40万の支出で取られる消費税は8万円。これが1年分になるとおよそ100万。18年続くと、1800万ということで、「大学の学費や授業料より高いやんけ」となります。

 わかりやすく、消費税を例に挙げましたが、所得税など様々な手法を使って搾取していくことも考えられます。そうなってしまっては、負担感は全く変わりませんね。

子育て支援や教育費用に関する各政党の考え方

 ここからは、子育て支援や教育費用に関する各政党の考え方を『2022参議院選挙時の公約』を参考に述べていきたいと思います。

 ただし、「財源どうするの」「本当にこの公約を実現できるの」「言ってるだけでやらないんでしょ」などは、その政党の当事者ではないのでお答えできませんので、そこのところよろしくですー

自民党

・大胆な児童手当や育休給付の拡充
・保育等子育て支援、放課後児童クラブの拡充
・「こども家庭庁」の設置
・将来的な予算の倍増を目指す
・子どもの健やかな成長を社会全体で支える「こどもまんなか社会」の実現

立憲民主党

・教育の無償化の推進
・公立小中の給食無償化
・大学の授業料無償化
・児童手当の支給を高校卒業まで延長
・児童手当を1人当たり1万5千円に増額し、所得制限も撤廃ですべての子どもに支給
・出産費用の無償化

公明党

・出産育児一時金の増額
・こども医療費助成を高校3年まで拡大
・子どもが3歳になるまでの「短時間勤務制度」を就学前までに引き上げを検討する
・奨学金返還制度の柔軟化と負担軽減

日本維新の会

・幼児教育、高等教育の無償化
・出産にかかる医療費の保険適用
・出産育児のクーポン支給
・幼稚園・こども園・保育園をまとめる「幼保一元化」の実現

国民民主党

・「教育国債」で教育・科学技術予算を年間10兆円規模に倍増
・児童手当を18歳まで一律月額1万5千円に拡充
・幼児教育・保育無償化の所得制限撤廃
・3歳から義務教育化
・高校まで教育を完全無償化
・学校給食、教材費、修学旅行の無償化

日本共産党

・大学、専門学校の学費を半額。将来的に無償化。
・入学金廃止
・奨学金を返済不要の給付型にする。
・学校給食費や教材費など、義務教育にかかる費用を無償化。
・0歳からの保育料負担を軽減
・私立高校の無償化の拡充
・18歳まで医療費の窓口負担を0にする。

れいわ新選組

・所得制限なしで、高校3年まで児童手当を毎月3万円給付
・大学院まで無償化
・「学ぶ気があれば借金をせずに大学院まで無料で行ける社会」をめざす
・奨学金を借りている人は、借金を「奨学金徳政令」返済免除

社会民主党

・高等教育まで教育費無償化
・国籍問わず、全ての子ども達に学ぶ機会を保障
・貸与型奨学金の返済を一部免除
・奨学金を給付型にする
・子どもの貧困率を下げるための数値目標設定
・子ども・家庭に関する予算の引き上げ

NHK党

・児童手当の所得制限撤廃
・国立大学の運営費の拡充
・研究予算配分の過度な選択と集中の見直し
・国内の研究者の研究環境向上

 個人的には、立憲民主党やれいわ新選組の政策がいいですねー。実行できるならですけど。レイジンは、「進学を望む子が、制限や負担なく大学進学してほしい」と考えているので。まあ財源がどうとかはわかりませんが。意外にも大学無償化を訴えている政党が多いことにびっくりですね。

おわりに

 ということで、今回はニュースに取り上げられた「多子世帯の大学無償化」について述べさせてもらいました。

 世間が子育て支援の充実を訴えているので、政府も対応せざるを得なくなっていますが、「やっぱりやめました」ということも十分にあり得ると思います。そうならないためにも、私たち国民は、政府の動きをチェックしたり、意見を伝えたりしていかないといけません

 選挙に行って自分の意思を表現していきましょう。

 それでは、またやー!

参考文献

スウェーデンは大学が無料!? 本当の「異次元の少子化対策」とは? 世界の対策を紹介(ファイナンシャルフィールド) – Yahoo!ニュース

各党の公約 政策別 子育て・教育 参議院選挙2022 – NHK

 

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